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−−− 旅の終わりの座談会 −−− |
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――― 感動編 ――― ・…やっぱり、この旅自体が無謀だったのかなァ。 *当ったり前だろうが。無謀も無謀、無茶もいいとこだぜ。 ・最初に賛同してくれた君に言われたくないな。 *おいおい。俺のせいにする気か?旅行をする他人の様を見てやりたいって言い出したのはお前だろーが。 ・旅行じゃない、旅だよ。確かに感銘したのは僕だよ。でも、それはイコール君じゃないか。 *旅行でも旅でもどっちでも一緒だろ。 ・ニュアンスの違いさ。 *そんなの俺に分かるか。だったら俺とお前も違うぜ。 ・…ごめん、失言だったよ。 *ま、やってしまったもんはしゃーねぇだろ。思い出話と洒落込もうぜ。 ・おや?めずらしい。意見が一致したね。何から話そうか? *思い出って言ったら全部に決まってんだろ。 ・それはそうだけど、全部をだらだらと書いたのは別にあるんだから、ここではピックアップすべきじゃないかな。 *それもそーだな。するとまずは箱根越えか? ・そうだね。あれはキツかった。 *そうそう、お前、湖が見えて一安心したのにまた上り坂が出現したもんだからダマされた!って叫んでたよな。 ・…ほっといてくれ。その代わりにその後の下りは最高に気持ち良かったんだから。 *あれは自転車でないと味わえねぇだろうな。 ・だと思うよ。つらい登りを自力で超えた分、優しい下りに対する思い入れが違ってくるし。 *あん時、お前何かを思い出してたよな。何だっけ? ・ああ、あれね。「ああっ女神様っ」の13巻だよ。自転車に乗れない女の子がやっと乗れるようになって辛い登りから下りに入った瞬間の感動が似てたんだ。 *ふーん、良く分からん。他にもなんか表現してなかったっけか? ・したよ。左は一面の海、右は山。足元から目の前に続く道はたったの1本きり…ってね。 *でもそれ間違いなんじゃねーか? ・まね、帰りに気付いたよ。箱根から海は見えないってね。多分、海に見えたのは森じゃないかな。薄く霧がかかってたし。 *おーおー、言い訳かい。 ・言い訳とかは関係ないさ。あそこは本当に気持ちが良かったんだ。 *けど帰りはもう通りたくないって言ってただろ。なのに良かったのか?マゾじゃあるまいし。 ・うん、正直通りたくはなかったね。実際、ぎりぎりまで悩んでたし。でもやっぱり通ったけどね。 *変なやつ。わざわざ苦労する道を選ぶ必要もねぇだろうに。 ・はは。楽な道だけじゃ前へは進めないよ。 *苦労してまで前になんざ、進みたかねぇよ。次だ、次。 ・次は、と。 *鈴鹿峠だろ、どうせ。 ・あれ、良く分かったね?君とは意見が合うことなんてないと思ってたけど。 *合ってねぇよ。てめぇがマゾだから、多分そうだろうと思っただけだ。 ・ひどいなぁ、マゾだなんて。 *だってそうだろうが。あんな土砂降りの中で峠越えをしたんだぞ。あんなもんに感動できるかよ、普通。 ・違うって。そのあとだよ。道の駅「あいの土山」で親切にしてもらっただろ。 *そんなことあったか?土砂降りしか覚えてねぇ ・あったのっ。あの時、人の親切がどれほど大きなものなのかを実感したんだ。 *ああ、あの砂糖醤油を出してくれたところか。 ・やっと思い出したようだね。本当なら帰りに寄ってお礼を言いたかったな。 *言えば良かったじゃねぇか。 ・高野山からまっすぐ伊勢に行っちゃったから無理だったんじゃないか。 *そんなのてめぇで決めたルートじゃねぇか。 ・そ。だから余計に残念なんだよね。 *…?やっぱり良く分からん!次! *次は遍路か、お前さんのこったから? ・んー、大阪食い倒れは感動とは少し違うし。しまなみ街道は感動に値するものではないし… *だけど、大阪の喫茶Yはまた行きてぇぞ。しまなみ街道は二度と行きたかねぇけどな。 ・ん、同感だね。 *理由は、Yは値段の割に量がすごくて美味かったから。しまなみ街道は自転車も通れることは通れるけど、危険な道が多いし、上り下りがきつすぎるってところだろ。 ・はは。当たり。そんなわけで、その2つはよそに置いといて、お遍路の話しだね。 *あれは俺もちょぉっと感動したぞ。お前さん、結局最後までやり遂げたんだからな。 ・うん、あの感動は以外だったよ。やり遂げた自分に感動して涙するなんてTVのヤラセだとばかり思ってたからね。 *あん?TVのはヤラセだろ。お前さんは性格がウェット過ぎるんだよ。たかだか1500km、ほとんどが上り下りの連続で11日間…。たいしたことねぇじゃねぇか。 ・とかっていいながら、君の涙腺が緩んできてるんだけど? *ばーか、ちげーよ。 ・ま、いいでしょ。次は…と。おまけで九州入りかな。 *はぁ?九州入りなんかで感動できるかよ。 ・だからおまけだって。ホラ、最初はさ、本当に自転車で行けるんだろうか?無理かもしれないから輪行の準備だけはしておこうか、とかって悩んでたじゃないか。 *そんな時期も合ったな。今じゃ笑い話だ。 ・ほっといてくれ。あの時は大マヂだったんだ。 *分からんやつだな。だから笑えるんじゃねぇか。しかしあれは運が良かったな。 ・そうだね。下関へ観光に行くつもりじゃなかったら入り口がどこにあるってかかれた標識も見つけられなかったろうし、入り口の目の前に行ってもこれが入り口か?と思うほどだったし。 *最初は目の前うろうろしてたもんな。けど、知らなけりゃエレベーターが入り口だなんて誰も思わねぇっての。 ・でもそれが事実入り口で、入ってみれば地下には1本の道。それを通って地上に出て見ればあら不思議、うみの向こうにはさっきまで自分がいた陸地がありましたとさ。あのあっけなさがすごかったんだよ。 *人の偉業に感動って事か。 ・まぁ、そんなところかな。 *あーつまらん。次つぎ。 ・次は日南海岸だろうね、やっぱり。 *あー?あんな登りばかりのか? ・登りばかりって…。宮崎が盆地なだけでしょ。あんなに綺麗な海の景色、瀬戸内海でもなかったよ。 *そっちの感動か。てっきり馬かと思ったぜ。 ・馬って…君とはやっぱり意見が合わないね。 *知ってるか?そう言うのをウマが合わねぇってんだぜ。 ・……。馬の1件はね、感動ではなくて恐怖って言うんだよ。 *そうか?飼いならされてない生馬とチャリが並走するなんて貴重な体験だろーが。 ・確かに稀なことだろうけど、下手したら大事故になったんじゃないかな。 *馬に挟まれてか?そん時ゃ飛び乗っちまえよ、馬に。 ・野生馬が簡単に乗せてくれるわけないでしょうが。 *んなもんはテク次第だろ。 ・…あるのかい、君(僕)に? *……悪ィ。 ・お、珍しく謝ったね。台風でも来なければいいけど。 *謝らなくて人生踏み外してばっかりなんだ、たまにゃ謝りもするぜ。 ・う、それは耳が痛い。次に行こうか、次に。 *次は桜島か? ・もちろん。 *断言しちゃる。あれはシチュエーションのせいだ。 ・いやぁ、シチュエーションもさる事ながら桜島は感動に値する山だよ。もうそろそろ見えてもいいころなのになァってところでトンネル登場。ああ、そうかぁこのトンネルを抜ければ見えてくるんだな、きっと。と思いながら漕ぎつづけてトンネルを抜けた途端に目の前にバーンと広がる桜島。うーん、いいねぇ。 *勝手に言ってろ。けど桜島のYHは嫌いになったんだろ? ・あれはねぇ、YHが、ではなくてヘルパーが悪いんだと思うよ。 *あれか、あのちょっと障害者っぽいやつ。あいつは俺がだいっ嫌いなタイプだ。あいつの話はするな。 ・はいはい。んじゃ次に行きましょね。 *次はあれだろ、種子島。 ・正解。さすがに僕の性格を読んでるね。 *ばーか、読む必要なんてねぇんだよ、一緒なんだから。 ・それもそうか。種子島では何が感動したかと言うと…。 *宇宙開発センター! ・はいはい。その通りです。任せるから話してやってくださいな *おうよ。まずな、環境がすこぶるいいんだ、あきれるくらいに。こういうところじゃ部外者には冷たいというのがイメージ的にあるけど種子島は違う。部外者を歓迎するんだな。だからセンターに入っても来館者を歓迎するような雰囲気がある。もしも地方に住まなければならないとなったら、第一候補だな。 ・そこまで言うかね、普通。僕はいやだよ、都会から離れるだなんて。 *あー、なんでも妥協するお前さんには無理かもな。 ・ほっといてくれ。次だよ次。 *次…あったっけ? ・次はね、すごく小さな事だけどトマトの味。 *ああ、あのM氏の畑で取れたってやつか? ・うん。あんなにおいしいトマトは何年ぶりだろう。M氏は他にも料理を用意してくれてて、実際それらもおいしかったんだよ。だけどあのトマトの味は秀でていたんだ。 *ああ、そうだな。あんなトマトの味は幼少のころに食ったきりじゃねえか。 ・うん、そんな気がするよ。知人に話したらそう言う場所で食べていると言うシチュエーションのせいだろと軽く流されたけど、君はどう思う? *変なこと聞くな。シチュエーションで味が変わるのは実際にあると思うぜ。が、あの味に限っては違うと思うがな。 ・お、珍しく意見の一致。 *ふん、美味いもんは美味い。それだけだ。 ・次は…と。佐賀のカレー屋かな。 *俺が言うのもなんだけどよ、あれは変だぜ、絶対に。 ・んー、確かに普通あそこまで親切にしてくれるものかとも思うけどね。素直に受けておこうよ。人が良かったのは間違いないんだからさ。 *まぁ、俺がしゃべったらろくでもねぇから口は出さんとくぜ。 ・うん、いい心がけだね。佐賀に行けることがあったらお礼しに行かないと。 *礼状くらい出したらどうだ? ・お、君にしてはえらくまともな意見。後で出すつもりだよ。 *ああ、またご馳走してくださいねって書くの、忘れんなよ。 ・下品だなぁ。 *次は、とさくさくと行きたいんだけどほかに何かあったか? ・どうかな…。山陰も思い出は結構あるんだけどね、感動ってなるとちょっとね。 *んじゃ、だらだら書いても仕方ねぇ。感動編はこんなもんにしとけよ。 ・そうだね。 ――― 出会いたくなかった人編 ――― *そういやぁ、いろんな人に出会ったよな。 ・面白い人、面白くない人、ためになった人、身にもならなかった人ってこと? *ああ。 ・確かにいろんな人にあったけど、全員を羅列するだけでも大変だと思うけど? *だろーなぁ、当然。ならこうしよーじゃねぇか、いやな思い出にしかならなかったやつを批評するってのはどうだ? ・人の悪口を垂れるのは好きじゃないなァ。 *だからお前さんは中途半端で損をするんだぜ。事実いただろう、この野郎って思った奴ら。 ・んー、そりゃね、2ヶ月半も旅してれば。ただね、人を非難できるほどの人物でもないだろう、僕らは。 *ちっとは考え方を変えてみろよ。悪い印象を受けた奴らを反面教師にしようと思えば言いだけだろうが。 ・反面教師!?君からそんな言葉を聞けるとは思わなかった。…君のそんな言葉に免じて話してみようか。 *そうこなくっちゃ。まずは…。 ・どうせならランキング形式にしないか?最後に一番ムカッと来たやつで閉めると言うことで。 *お、やる気になったら早いな。けどランキング出来るほどもいないんじゃねぇか? ・そうでもないでしょ。…ピックアップしてみたら9人もいたよ。ということで。 ・まずは第9位。姫路のホームレス。 *あんな程度も入れるのか? ・一応ムッとしたからね。刑務所から出てきたと言うのは多分本当だろうさ。けど、それをほのめかして他人にたかろうと言う姿勢はいただけないね。 *…おまえ、結構手厳しいな。 ・そりゃどうも。空き缶拾いしている点は誉めるに値するとは思うんだけど、それが出来るなたたかる必要もないはずだし。何より、僕を含めた観光客にたかっている姿がちょっとね。 *ああ、お前さんがきっぱりと断ったことで、あとから被害者になったカップルがいたっけな。 ・うん。僕みたいにアウトローに慣れている輩ならいいけどね。ちょっと可哀想だったよ。 *そんなかわいそうな輩にいいタイミングとばかりにホームレスを押し付けて逃げたのは誰だよ。 ・アハ、アハハハ。 ・さて第8位。宇和島のヤンキーかな。 *ま、姫路のホームレスがランクインするくらいなんだからそこいらに入って当然だろうな。 ・でも、多分君とは理由が違うと思うよ。 *なんで?あんなところで騒いで、しかも寝てる俺らに向かっての暴言ってのが理由じゃねぇのか? ・やっぱりそっちできたか。寝てる僕たちに暴言吐くぐらいは気にしないさ。公園で寝ていること自体、いいことではないんだから。僕の理由は、貧困なボキャブラリーで夜中にバカ騒ぎしたことが許せないんだ。 *なんじゃ、そりゃ。 ・だってね、公園とは言え、すぐ脇には民家があるんだ。そんなところで「死ねやあっ」のみの連呼はないでしょ。あれじゃただの気違いだって。 *あん?元からキチガイだろ。あれは間違いなくヤクに漬かってるぞ。 ・ハハハ。これ以上はヤバイ話になりそうだからパスね。 *次は三隅のホームレスチャリダーか? ・ハズレ。あれはもっと上位。第7位は笹岡屋YHのペアレンツだよ。 *断られたことを根に持ってるのか?それだったら他にもいただろ。 ・断られたこと自体に怒ったりはしないさ。断り方が気に食わなかったんだ。近年、ホステラーをムゲに扱うYHがあるとは聞いて炊けど、電話口で妙に話しを引っ張るなと思ったら10分以上も引っ張りつづけて、断る理由がゴルフコンペの客がいるから。しかも違うYHに行けと命令する。これはちょっと許せなかったね。 *おう、俺もあの命令口調は気に食わなかったぜ。あのYHが人気があるのかどうかは知らんが、YHからぬけるのは時間の問題と違うか。 ・ああいうところはとっととなくなって欲しいね。数が減っているとはいえ、使えないYHなら始めからいらないよ。 *やっぱり手厳しいな、お前。 *で、その手厳しいお前さんの中で次にランクされるのは何だ? ・第6位は広島原爆資料館の団体客。僕の涙腺が弱いのは自覚してるけど、あの中では心底衝撃を受けて涙が出そうになったんだ。にもかかわらず!あの団体客。あー、今思い出しても腹が立つ。 *あー、あれかぁ。「見て見て。小さい三輪車!昔の子供って小さかったのかしらね。ギャハハ」「あっはっは」…あれはお前でなくとも人間としての心を持っていたら怒って当然じゃねぇのか。 ・お、君らしからぬ言葉。確かにね、あれは人として許せない。何でもないところで笑うならいいさ。けど、原爆資料館と言う建物の中で、恐らく僕のように衝撃を受けている人だっているはずなんだ。そんなところでどんなに面白いことがあっても馬鹿笑いはないんじゃないの、というのが見解だね。 *お前さんならそれはもっと上位に食い込むと思ったがな。それよりも頭に来たのはなんなんだ? ・第5位は桜島YHのヘルパー。人としての怒りは5位がトップだから、順位が変に感じるかもしれないけどね。 *ま、自分の中で許せない順位だからな。別にいいんじゃねぇか。俺も、飯をまともに食えなくて、あそこのあのヘルパーは許せなかったからな。 ・湯は沸かせてない、ボイラーも回ってない、夕食はお変わりできない、朝食までパンだからと言う理由だけでお代わりが出来ない。YHの本筋を大きく外れたヘルパーのおかげで鹿児島そのものが嫌いになりかけたからね。 *けどふるさと館の受付のねーちゃんに気を良くして機嫌直したんだよな。 ・そう言う誤解を受けるような言い回しはしないでくれ。優しさに触れて、捨てたもんじゃないと感じただけだ。 *その言い方のほうが鹿児島県人に悪いんじゃねぇのか?よく分かんねぇけどよ。 ・う…こんなやつに諭されてしまった。ショック。 *次辺りでやっと三隅のホームレスチャリダーか? ・当たり。第4位だね。あの人のおかげで別のチャリダーと情報交換できなかったんだ。それで困ったかと言うとそうでもないけど、ああいうでしゃばりは困り者だね。 *しかもあれだろ、如何に自分が苦労しているかと言うことだけに重点を置いて話してくるから。そう言う意味ではそこからたかりに回りでもしたら姫路のホームレスと一緒になるな。 ・ん、そうだね、ホームレスと言うのはひょっとしたらそう言う面で共通してるのかもね。だからってそれを人に押し付けられては困るぞ、と。 ・さて残すは3人。とある番組ならここでハイライトなんだけどね。そんなものはないからとっとと第3位。 *あれじゃないだろうな、宮崎の工事現場の誘導員。 ・お、当たり。あの誘導員は多分、そもそもからして問題児なんだろうね。でないと僕とのやり取りの時の対応が早すぎる。 *「歩道は通れねぇんだよ!」「だったらそう書いておけよ!通れない道の入り口と折れるようにしてること自体おかしいだろ?」「通れないのぐらい見えるだろうが!」「工事現場がごちゃごちゃしてるんだ、見れるわけないだろう!」…お前さんもけっこうやる気になってたよな。 ・まあね、それまでの工事現場でだいぶ閉口していたしね。あの場で喧嘩にでもなれば向こうが職失うだけだから知ったことではないし。それを止めたのはそう言うことを知ってる老人だったね。 *あの老人が邪魔だったか?お前そんなに喧嘩強かったのかよ? ・まさか。そのときは君に代わってもらうつもりだったんだ。 *都合のいいときだけ呼び出しやがって。 ・でも、君はそう言うのは嫌いじゃないだろう? *チッ。お見通しかよ。つまらねぇ。次だ次。どうせ京都のうそつきだろ。 ・当たり。第2位は宇多野YHでであったおいちゃん。すぐ分かる嘘を惜しつける口調が最低だったね。 *俺もあの口調は嫌いだぜ。しかも靴底の専門家だろうがなんだろうが知ったことではないけど、自転車漕ぐのに靴底が大事だとか抜かし始めるし。 ・それだけじゃないよ。人の身体に20リットルの血液が流れてるって断言してたんだ。 *女は逃げるしなぁ。 ・なぁって僕に振らないでくれ。 *何ウブな振りしてんだよ。あながち嘘じゃねぇだろうが。 ・ま、結論から言えばね。でもYHで男だ女だって分け隔てるつもりはないんだけどね。誰であろうが楽しく話せれば。 *ところが楽しく話すつもりだったのがこいつのあからさまな女へのアプローチで女は逃げるし。 ・本当だよ。もう会いたくないね。 *さて、あとは1人。当然天橋立で出会ったオヤジだろ。 ・その通り。 *あんのオヤジ、人の夢を踏みにじるような話しをしやがったからな。さすがにカチンと来たぜ、俺も。 ・一応口で対抗はしたけど、あれ以上話が続くようだったら君に代わってもらって殴りかかってたかもね。 *やだよ、コブシが勿体ねぇ。 |
....つづく |
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