簡単!! 旬の日本料理 |
協力 長安倶楽部「日本橋」 高橋陽一
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「食材」や「調味料」の「ちょっと面白い情報」を紹介するこのコーナー。今回は、夏野菜の代表格で煮物・揚げ物・お菓子など、調理のバリエーションが豊富で、栄養満点のかぼちゃ料理を紹介します。
@適当な大きさに切り、面取りをする。
A出し汁に入れて煮込み、柔らかくなったら砂糖を入れる。
Bその後、5〜6分煮込んだら、醤油を加え、味を整える。
えびすかぼちゃ600g 出し汁500cc
砂糖大さじ6 醤油大さじ4
煮込み時間が長すぎる場合、また出し汁が少なすぎて、鍋の中でかぼちゃがぶつかるような場合、煮崩れしやすい。こんな時は、火を止めて煮汁の中で味を含ませると良い。かぼちゃの種類によっても煮物の作り方が変わるため、工夫が必要。
日本で最も親しまれているえびすかぼちゃ(写真)の露地物は、6月中旬から出回る。夏が旬だが、保存に適した野菜で、冬至にも欠かせない食材。
大きく分けて日本かぼちゃ・西洋かぼちゃ・ペポかぼちゃの3種類がある。
日本かぼちゃ:黒皮・菊座・ちりめんなどがある。水分が多く、粘質なのが特徴。黒皮かぼちゃは高価なため、高級料亭で使われることが多い。皮はごつごつして硬く、深い溝がある。味はねっとりして甘味は少なく、だしを効くかせた煮物に適している。この他、鹿ヶ谷かぼちゃのように、ひょうたんの形をしたユニークなものもある。
西洋かぼちゃ:ほくほくして甘味が強く、栗かぼちゃとも呼ばれる。60年代から主流となり、現在日本で流通しているかぼちゃの9割を占める。えびすかぼちゃは、この種を日本で改良したもの。お菓子やポタージュなどで、とろりとした舌触りを出すためには欠かせない食材。
ペポかぼちゃ:洋食に使われることが多く、ズッキーニ・テーブルクィーン・金糸うりなどがある。ズッキーニは、茄子に似た味わいを持ち、油との相性が良いため、炒め物や揚げ物に適している。金糸うりは、そうめんかぼちゃとも呼ばれ、茹でて水で冷やし、水切りして二杯酢か三杯酢で食べる。これらのペポかぼちゃは、形や色の面白さから、ハロウィーンパーティーなどの鑑賞用に使われることも多い。
中央アメリカ産とされ、コロンブスがヨーロッパに運んだと言われる。日本には、戦国末期にポルトガル人がカンボジア経由で持ち込んだ。
重みがあるものが良い。皮に爪を立てて簡単に傷がつくもの、簡単にヘタが取れるものは、未熟で甘味がない。
煮物の場合、少しわたを残すと味が染み込みやすい。一方揚げ物の場合、口当たりを考え、わたをきれいに取り除く。
たかはしよういち
1961年秋田生まれ。自然の中でアユ、きのこ、つくし、くり、山ぶどうなどを採った少年時代から、食材への興味が膨らみ始める。「割烹秋田くらぶ」で修行を始め、「日立社員クラブ」「麻布三越料理長」「セビリア万博日本館料理長」「北京三越料理長」等を経て、現在、長安倶楽部日本料理『日本橋』料理長。