memo3.gif北京雑感 

連休と内需拡大

コマースクリエイト社長 森下 雅喜

  連休明けの五月十三日に八達嶺に登った。長城直下の駐車場から左右を見る。なんと人の多いことか。右側の回廊は人で埋まっている。左側も下の方は人が多い。十数回、いろいろな季節に来たが、これほど人が多いのは初めて。ほとんどが「お上りさん」であると中国人の案内人は言っていたが、北京に来る人がこれだけ増えたということだ。

 今年は、メーデーの休みが中国でもゴールデンウィークになった。各都市の通達によって、前後の休出勤を入れ替えて、五月一日〜七日が休日となった。目的は「旅遊を奨励して内需の拡大を図る」ということらしい。中国の新聞報道によれば、この七日間での観光収入は一八〇億元、人出は四六〇〇万人、うち十万人が海外旅行を楽しんだとのこと。沿海人口二億で割ると一人当たり九〇元となり、結構大きな数字に見える。

証言1「朝九時に北京を出て、長城に着いたのが午後五時、大混雑の中を長城に上り、家に帰ったら夜十一時だった」(北京の社員)

証言2「大連の労働公園では連休中の入場料、乗り物賃が倍になった」(大連の主婦)

証言3「連休はずっと仕事をしていた。この期間の消費がいつもの一・五倍といっても、便乗値上げ等の影響もあるから素直には受け取られない」(大連の大学の先生)

 中国は、「発展」と「私の幸福」に向けて大きく前進しつつある。日本を含めた「先進国」がそうであったように。しかし不況の日本では、黄金週間という言葉を忘れたかのように仕事をしていた人が目についたのも事実であった。

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