かわらギャラリー |
湖南省の湘江苗族土家族自治州の鳳凰県の県城からバスで三時間、*尓山の山すそで開かれるバザールに出かけた。バザールは周辺の村々を定期的に巡回し、農民がそれぞれ持ち寄った農産品等およそ生活に必要なものは何でもそろう。清明節の前だったためか、紙を染めて造った飾り物が目についた。バザールの中は自分で獲ったカラフルな鳥や真っ赤な唐辛子、苗族の女性が一針一針刺した襟飾り等々、絵の具箱をひっくりかえした様な賑やかさだった。
特筆すべきは、医療班が、足踏み式の歯科器具で、歯を削ったりしていたことだ。見物人も一緒に口を開けたり、痛がったり我が事のように顔をしかめる光景にも出会った。
著者紹介 三好 道(みよし みち) 1937年 愛知県生まれ
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