留学生が見た中国ビジネストピックス 第1回

「中国家電値下げ競争、冷蔵庫に飛び火?」

99.11.1

1.背景
   昨年から中国ではVCD、テレビ、電子レンジを中心とした家電製品の値下げ競争が激化した。最近になって、「冷蔵庫の値下げ」が まことしやかに新聞を賑わせるようになってきた。『中国経営報(週刊)』10月○日号に、「冷蔵庫値下がりと誰が言ったのか?」という記事が掲載された。業界のトップメーカーや業界団体へのインタビューを通して次のように報じている。

2.業界の反応「価格戦の機は熟さず」

(1)美菱集団
   営業部の魏副総経理は次のように言っている。「現在、価格戦の機は熟していない」その理由は、テレビ業界では、長虹が圧倒的シェアを占め、第2位以下と大きな差があるが、冷蔵庫業界は、第1位から5位までのシェアにほとんど差がない。第1位から第3位までの差は、わずかに10万台程度。10万台の販売量では、1台当たりの平均価格を1700元としても販売額にして1、2億元程度となり、その利益は、大した金額ではない。シェア上位の会社も敢えて価格戦を仕掛けるつもりはないはず。

(2)科龍集団
   一般的に言って一企業が市場の25%以上のシェアをとって初めて市場を主導することができるが現状では、難しい。よって当社は、価格戦には賛成できない。

(3)海爾集団
   1にも2にも価格戦には絶対参加しない

3.冷蔵庫は薄利多売?
   需要量1100万台に対してメーカーの生産能力は、2000万台という過剰生産体制。ならば、価格戦争が起こってもおかしくない。しかし、全国家電業界協会姜秘書長によると冷蔵庫は、利幅が薄く、テレビと比べ、部品点数も多く、なおかつ手作業も多くて生産工程上の手間を省くことはできないと説明している。また、大企業は利益を出しているが、小企業は、ほとんど利益がない。
   業界の雰囲気では、誰も価格戦に参加に及び腰なのは間違いなさそうだ。

4.私個人の感じたこと
   需要量1100万台の算出の根拠は、どうなっているのかが興味深い。もし、購買意欲はあるのに、価格が高いため購入を控えているのであれば、価格を下げることにより販売量は増えるはず。まず、中国の都市部と農村での冷蔵庫の普及率を調べるともっと面白い予測が出きるかもしれない。機会があれば、この点について調べてみたい。

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