《Ans》...この件に関.しては.拙著.:.記号論理学の根本的改革 から.の引用.でもって.回答.と.させていただきます。
【参考】...述型.P(.x.).を真にするような.x.の値すべてから成る集合は.一部.の人々の間では P(.x.).の.“真理集合”.と呼ばれている。.
.この.真理集合なる概念 と カテゴリ−空間.の概念とは、一見して.類似したものであることがわかる。 例えば、述型[.x.は 2.以上で
.5.以下の整数である].の真理集合は {2,3,4,5}であり、一方、この述型のカテゴリ−空間.は{<x:2>,<x:3>,<x:4>,<x:5>}である。 .
....読者で、この真理集合という考えに精通している人々の中には 「仮言命題が なぜ ことさら カテゴリ−空間の間の包含関係を表わすもの
.であるとしなければならぬのか ―― 真理集合のそれでは どうして駄目なのか?」 という疑問を持たれる向きもあろう。 実際、[ダイナマイト.
.に点火すれば、爆発が起こる] は [ωにおいて ダイナマイトに点火すれば、ωまたは その直後において 爆発が起こる]と標準化した上で.
.これは .
{ω | ω.において.ダイナマイトが点火される }⊆ {ω | ω.または.その直後において.爆発が起こる }.
.を表わしているとして説明がつくし、[∠ABC=∠ACB ならば、ΔABC は.二等辺三角形である] は.
{<A,B,C> |∠ABC=∠ACB }⊆ {<A,B,C> | ΔABC は.二等辺三角形である }
.を表わしているとして説明がつく。.§2であげたその他の例についても同様であるから、万事、真理集合で充分であって、わざわざ カテゴリ−.
.空間など持ち出す必要はないかに見えよう。.事実、最初は筆者も真理集合で通そうとしたのであったが、すぐに これでは理論が破綻してしま
.うことに気づいた。 それは次のような理由によるものである。.
....集合{ x | P( x ) },{ t | G( t ) }の間の包含関係が 変項 x,t には依存しないことは、定積分が積分変数には依存しないことと同様である。
. 例えば、集合{ x | 2≦x≦5 }.は 集合{ t | 2≦t≦5 }.と一致する。 従って、“真理関数方式” を.とれば、例えば.[ x>3 ならば、t>0 .
.である] と言わざるをえない。 { x | x>3 }⊆ { t | t>0 }が成立するからである。 しかし、この帰結は到底 受け入れ難い。 いったい、前件.
. x>3 で何ら言及されていない変項 t が どうして いきなり後件に出現して しかも t>0 でなければならぬのか?.
....真理集合にかえて カテゴリ−空間の概念を導入すれば この困難は解消する。 仮言命題の定義において 真理集合がカテゴリ−空間.に
.とってかわることのできない理由がここにある。. |