過去日記(99年3月19日〜99年5月14日)

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5月14日(金)

天地無用 in LOVE2 〜遥かなる想い鑑賞記

 

・この映画に関しては、監督のねぎしひろし氏が昨年末から『AX』にコラムを連載していたのだが、それを読んで期待を高めていた。

「本来ありえない展開を作ることで天地と、天地をとりまく女性たちの本音を描いてみようと…。天地自身が本当に好きな女性は誰?という問いに自分なりの解釈をつけてみたかったのだ。ここで発想したのは天地にとっての理想の女性ではなく天地自身を絶対必要としている女性を登場させることによって、天地がその女性に対してどのような対応をとるのか?」

これが2月号のコラムの一部である。数ある「天地無用」のシリーズでは、どれも主役の天地は女の子達にモテモテであるが、天地自身は誰に対しても「いいひと」といったふるまいである。それが長寿シリーズになったゆえんだろうが私にはあまり好ましいことではなかったので、それに対して決着をつけてくれるのならばと期待する要因ができた。
 また、前作にあたる「天地無用 in LOVE」が非常によかったのも期待する一因であるが、その前作では阿知花(あちか)という女の子が登場する。控えめで健気であるが、好きな男性を守るためには時にりりしく、それでいて優しく包んでくれるような女性であった。
しかし前作の映画公開直後、ねぎし監督は回りの女性から「阿知花のようなあんな女の子は現実にはいない。あれは男性の理想ではないのか」と言われたそうである。それに対する回答として、もっと情熱的で激しい女性としてハルナを用意し、それを天地にぶつけるというのをin LOVE2のコンセプトにしたそうである。そのハルナが、天地自身を絶対必要としている女性であるわけだ。
 こういった前情報から私はこの作品では「女の業」「女の性(さが)」がテーマになると思い、それがどのように描かれるのか大変興味があった。そして昨日、やっとこの『天地無用 in LOVE2 遥かなる想い』を鑑賞してきたのである。

結論からいえば、期待していた「女の業」がテーマの作品ではなかった。それどころかまったく扱ってないとすら思えるほどである。
まずは簡単にあらすじを説明しよう。

ある日、裏山で天地が突然失踪する。気がつくと天地は以前の記憶をなくし、ハルナという女性と同棲生活をしていることになっていた。楽しそうに生活する二人。だが街並みは70年代のそれであり、そこはハルナの作り出したパラレルワールドであったのだ。
ハルナは元々は天地のじっちゃんにあたる遥照(ようしょう)の若かりし日の恋人であった。二人が宇宙船で地球に向かう途中、ハルナは重い病気をわずらって死んでしまう。遥照はハルナを家の裏山の椿の木の下に埋葬するが、やがて時がたち、遥照は別の女性と結ばれ今の天地家ができあがっていく。「地球で遥照と幸せな生活を送りたい」という夢をかなえられなかったハルナの気持ちが椿の木の開花とともに膨れあがるのだが、遥照はすでに老いさばらえており、彼の孫である若い天地をさらったのである。

注目していたハルナであるが、このあらすじでわかるように立場として「悪役」であった。もうこの時点で私は「これでは女のさがを扱うどころではない」とがっかりしたのである。なんら立場的に変わらない一介の女性であってこそ、元から天地に好意をよせる魎呼(りょうこ)や阿重霞(あえか)と対等に見ることができるというものだ。それに本当に愛しあって同棲するのではなく、何か別に動機があって無理やりしているようでは、そこに「女性」としての価値観を見い出せるはずもない。
実際、ハルナが天地をさらって同棲生活を望んだ理由も、はっきりとは伝わってこなかった。遥照への恨みから孫の天地をさらったという動機は成り立つが、こういったシーンもセリフもないのでこれはありえない。
よく「男性は愛する人と結ばれるのが目的だが、女性は愛する人と結ばれて生活するのが目的である」などと言われるが、ハルナは「同棲生活をおくる」ということを何がなんでもしたかったということなのか。それには相手は誰でもよかったのか? 何にしろ、彼女の動機も目的もいまいちはっきりしなかった。だからといって「女の業とはそういうもの」ということではなかろう。
それに同棲生活も愛しあっているという感覚がなかったのは気になった。朝ご飯を一緒に食べて、一緒に寝るシーンばかりで、それで同棲生活という表現も安直な気がする。会話の端々にでも二人の仲が出ればいいのだが、天地にせまるハルナに比べ、ハルナに「好きだよ」という天地もそう思いこまされているのか、実感のわく喋りではなかった。もちろん天地が優しくすることもあるが、元々彼は「いいひと」なので、そういう対応もその延長にしか見えないのだ。
 そうした「違和感のある同棲生活」が続き、余計にハルナは身勝手な悪役として写ることになる。せめて相手が遥照であったり天地を本気で愛しているのであれば、話は変わってくるのだが。

 当然魎呼達は天地を取り返そうとし、後半では彼女らの比重が増えていく。「幸せな生活」という目的だけで手段を選ばないハルナに対し、実際に天地を愛する魎呼との感情がぶつかることになる。この対峙が結果としてこの作品のテーマになってしまった。記憶を取り戻した天地はハルナの気持ちを知り一時はハルナの気持ちをかなえてやるが、自分を愛してくれる人達のいる元の世界に戻ることを選ぶ。そして迎えにきた魎呼とともに帰っていき映画は終わりをむかえ、EDはTV版『天地無用!』の魎呼中心のセピア色の映像が流れるというものであった。
 つまりこの映画は魎呼が主役のようなものであるといえる。『ガメラ3』に例えるならば、ハルナがリリス、魎呼がギャオスといったところだろう。映画の宣伝上での主役はリリス(ハルナ)でありながら、実際に映画のテーマとしての主役がギャオス(魎呼)であったように。いってしまえば、ハルナは魎呼の引き立て役として登場したにすぎなかった。

 天地、魎呼、阿重霞の三角関係が『天地無用!』シリーズのお約束であるが、ねぎし氏が監督したTV版の最後では、天地ははっきりと魎呼を選ぶ。つまりこの映画はTV版の途中に入るエピソードであるし、TV版の最後を知った上でないとその良さがわからないのである。前作の『天地無用 in LOVE』ではほとんど何の予備知識も必要ないのがよかったと思うだけに、このTV版を見ていることを要求する姿勢は一番に残念に思ったことだ。
いわれて見ると変にギャグを盛り込んだシーンがあり、ノリ的にはTVシリーズに近い。(この辺は脚本があみやまさはる氏のせいだろうか)劇場版というよりも、TVスペシャルといった印象であった。

 結論として、この映画は「見せたいもの」のみで作られてしまったものだと感じた。ラブシーンを見せたいからといって、ラブシーンだけあればいいわけではない。それを裏付けるバックボーンや流れがなければやはり観客は納得しないだろう。それなのにテーマを決めてそれにもとづくシーンばかりで構成されたため、結果として「頭の中だけで作ってしまった作品」という印象を受ける映画であった。


・今年の期待していた映画が『ガメラ3』に続いて2つ目のこの『in LOVE2』も、純粋に楽しめるようなものではなかった。こうなれば、夏のウテナ&アキバに期待するのみである。


5月13日(木)

手軽さのあだ

 

・9日に書いた「説明と表現と」と関連した話になりますが、HPでの表現の不便さっていうのを考えた時に、2つの要因があります。

一つは、解像度、機種などが異なるいろんな環境で見られるものだから、どうしてもオールマイティーな作りで妥協しなくてはいけない点。もし、自分のマシン上とまったく同じように表示される保証があるならば、もっと凝りたいことが一杯あるのです。(フォントとか、縦書きの使用とか)
2つめ、私にとってはこれが重要なんですが、HPっていうのは好きなところを好きなように見るものだから、こちら側の用意した「段取り」ってものが成り立たないんです。ようするに、こういう順で見てほしい、ここを重点的に見てほしいってことがコントロールできないことですね。同人誌といった創作物はこれがあるからいいとつくづく思いました。それに「一括で第三者に提供できる」っていうのもデカイです。

ちょっと話はそれますが、To Heartのページ制作中に打ち込んだコラムをチェックしようとプリントアウトしたところ、紙に出力したものと画面上で見るのとでは全然印象が違うんですよね。やっぱり画面上の文章というのは無意識的に「データ」としてとらえてしまうのでしょうか。それにHPというものは、元から「何となく見るもの」というイメージがあるのかもしれません。これが一般的なものなら、私にしてみれば一番問題なことですね。
そうした表現の不自由さに対抗して、To Heartのページでやってみたことがあります。訴えたいイメージで「統一」すること。訴えたいことを、各所で繰り返し取り上げて印象づけること。この2点を心がけてみました。訪れた人がどこから見るかわからないなら、どこから見てもいい作りにするしかないってことです。
とはいえ、ある程度は誘導もしていますがね。


5月12日(水)

今月のアニメ誌見聞録 箇条書き

 

・今月のアニメ誌の目玉は、なんといっても年に一度のアニメージュの「アニメグランプリ」である。が、これは別で扱うのでここではふれない。今回は、目についたものを箇条書きというスタイルで。

・まずは新番組に関することから。To Heartの後番として、あの『下級生』がオリジナルのTVアニメになることになった。が、監督:鹿島典夫(昔は『獣神ライガー』の監督等をしていたのだが… )といったように、すでに出ているOVAと同じスタッフであり、制作もピンクパイナップルということでファンに媚びた作りが予想され、あまり期待はできない。せっかくギャルゲーのアニメ化は優秀なものが続いたのだが…。

・『アウトロースター』以来音沙汰のなかった本郷みつる氏は、新番の『キョロちゃん』と『女神候補生』の両方の監督をやるそうである。毛並みの違う作品だが大丈夫かな?

・7月よりWOWOWで放送される『魔法使いTai!』であるが、OVAの続きから始まるとのこと。ということはツリガネの存在はないということであり、学園ラブコメディーとしてすすむのであろうか。

・ネタバレになってしまうがこの先の『To Heart』の放送予定は、7話…琴音、8話…あかり(試験勉強)、9話…智子(学園祭)、10、11話…マルチ前後編 の話ということになっている。マルチに関しては1話限りでは扱えるテーマではないから前後編になると決めつけていたのでこれは予想通りであった。最後の12、13話は、おそらくあかりと浩之、もしくは志保をまぜた三人の話になることだろう。
この先、絵コンテ演出はほとんど深沢幸司、村田和也の両氏がやることになっている。二人ともがんばってほしい。
また、新潟放送で流れているという別EDは、LDやDVDに収録されるとのこと。
え?、ニュータイプの水着3人? なんだが知らんがとにかくよし!!

・『天使になるもんっ!』の7話に桜井弘明氏が絵コンテで参加するのを知り、この番組をよくないと思っている身としては面白くない。1話から林明美、長濆博史といったビーパパスの人間が作画で参加していたので、そのつての参加なのだろう。1年前の『アキハバラ電脳組』の4話に参加するのを知った時を思い出すが、アキバのように桜井氏の持ち込んだテイストがその作品の方向生になるということは、今回はないだろう。桜井氏は劇場版のアキバで忙しいだろうし、なにより『天使に〜』は大月プロデューサーの作品ではないので氏の持ち味が反映されていくとは思えないからだ。


5月9日(日)

説明と表現と (今回はグチみたいですまん)

 

・To Heartのページを作っていたのだが、まったくもって思ったように進まなかった。毎日マックの前に座って見るのだが、いざ文章を打とうとすると内容が頭の中で混乱し、何から書いていいのかわからないという状態が続いた。その理由としては、いくつかコラムに分けて書こうとしていたことが互いにリンクしているので整理がしづらいというのもあるが、どうもそれだけではない。
今までは「HPにアップする」というのを前提で書こうとしていたのだが、今日は「同人誌になる」ということを想定してやってみた。すると思うように書けたのである。
今までできなかった理由、今までまとまらなかった理由は、どうも「何を伝えたいか?」ということを意識しなかったからのようだ。
HPは誰でも自分の好き勝手にできるものだが、表現の自由度としてそれ程優秀なものとは思えない。誰でも見れる代わりに、逆に言えば誰かに見てもらうということをさほど意識できないため、どうしても一人よがりのものになってしまう。
そうでなく、見る人を意識した、見た人が何かを感じるかどうかを大事にしたいと思う。
何かを取り上げる時に、ただ単にわかることを列記したり説明したりするだけではそれは単なる「意見」のようなものだろう。そうではなく、読んだ人にこちら側の意図した気持ちを感じてもらうような「読み物」の方が、きっと面白くて有意義なものではないだろうか。

私はこう思ったのだが、みなさんもそういうものの方がいいでしょう?


4月30日(金)

PS版「お嬢様は魔女」「To Heart」

 

ついに、「お嬢様は魔女」を入手する!(封を開けてない知人から奪う)
何か、おまけで学園を舞台にしたノベル形式のアドベンチャーもできるのだが、おまけのくせに8人分の女の子のストーリー用意されていたりとずいぶん凝っている。
しかもおまけを誰かクリアしないと、いつでも「お嬢様〜」はプレイできないらしい! なんと面倒くさいことか。
仕方がないので、話が短かい掃除好きのアンドロイド
「マル公」を標的にし、◯ボタンの連射をいれっぱなしにして始める。
話を知っているので、

「おら! 早くモップで拭かんかい!」

「おら! 早く電話かけてこんかい!」

「おら! 早く動かんかい!」

と、声どころかテキストさえ無視して速攻で終わらせる。アンドロイドのくせに手間のかかる奴だ。

そしてついに「お嬢様は魔女」をプレイ。まずは志保のプレイをビデオに録って、何度も繰り返し見て覚える。とりあえず志保と同じ7000万台は出たが、まだまだ始まったばかり。ノーミスクリアと綾香の攻略の確実性を増さなければ。
まぁ、面白くはあるんだけれども、自機のスピードの遅さと弾が大きくて見づらいのが辛いところ。29インチのTVでは楽によけられるものが、19インチではすき間が見えにくかったりする。あと、緑ホーミングが安定しないしで、確実なパターンが作りづらいのは困りものだなぁ…。

ここからは真面目にPS版について。
まだそれ程プレイしたわけではないが、凝った操作系やSDキャラなど、時間をかけて作ったのがよくわかるものであった。増えたCGや何といってもフルボイスの声がお特といえよう。
EDを見るとやはりPC版のスタッフであり、移植というよりはこれがバージョンアップ、もしくは完璧版ということなのだろう。
ただ、そういったCGや声のために、プレイが快適といかないのがつらいところだろう。曲もPC版のCD再生を聞いているとやはり寂しいものに感じてしまうようなデキで残念であった。
もともとTo Heartは「ビジュアルノベル」の第3弾としてPC版で出たのだが、PS版のように声が出てしまうと、「テキスト」を読むということ、読んでいくことで自分の中にイメージを作っていくということがうすれてしまうのでは?と感じた。そういうわけで、まだプレイしたことのない人間に「PCとPSのどっちをやればいい?」と聞かれると困ってしまうかもしれない。
(余談だが、PC版とアニメ版はかなり絵柄に差があるが、PS版はPC版に近く、PC版を原始人、アニメ版を現代人とするならば、PS版はネアンデルタール人といったところか)

しかし何よりもショックだったのは、パッケージの裏に書いてある宣伝文句だ。
〜学園を舞台に繰り広げる、さわやかなラブコメディー」と、まぁお決まりのような文句だが、
なんとその下に「−って自分で言うなっつーの」と書いてあるのだ!
これでは台なしである。
せっかく電プレもファミ通もレビューでベタ褒めしてくれたのだから、「純愛学園アドベンチャー」として世間に胸を張って売り出せばいいものを。
こうしたとっつきやすいPSのゲーム化や、ゲームファンを意識しないアニメ化でリーフも一般を向いてきたのかと思ってみたが、やはりあのオタクを向いた姿勢は直らないのだろうか?

「私、アンドロイドじゃなくてロボットですぅ〜」

「うるさい、お前なんかアンドロイドだ」


4月26日(月)

∀&TH 狂騒曲 (特に意味はない)

 

・私の家はあまり電波状況がよくないので、自分が気合いを入れて扱おうと思った作品はフカピー(資料部長)の家に専用のテープを置き、彼に録画を頼む。(彼の部屋には6台のS−VHSデッキがあるのである)もちろん自分の家では「自分の見る用」を別に録る。
前回、カレカノもそうしたのだが、当然フカピー自身も自分のテープを用意するのであり、区別するために私の本名は「黒○」というので、自分のテープのラベルには「クロ カノ」と書いておいた。

今回、∀ガンダムも頼むことにした。当然ラベルには、

「黒ヒゲ危機一発」と書かれることになるのである。

・その際、金曜の5時よりは土曜の深夜の再放送の方が電波が安定しているし「おこさまへ!〜」のテロップがないのでそちらで録ることにする。しかし4/17(土)の深夜には1話を放送したものの、4/24(土)の深夜には放送はなかった。調べて見ると、この先も土曜の深夜に「∀ガンダム」の放送予定はない。
おいおい! 1話だけなのかい?!
やはりフジテレビも「今さらガンダムなんて…」と思っているのだろうか?

・引き続き、PC版To Heartをプレイ。
今回は、歩く校内ワイドショー、委員長、お嬢様、ことわざ外人をクリアする。
明らかに智子、芹香の話の方が他と比べてよくできており、これにあかり、マルチを加えた4人は高橋龍也氏が脚本を担当している。(恋の手ほどきマニュアル インタビュー参照) つまり、To Heart人気はまさに高橋氏のおかげといえよう。
しかし…、「想い出の(約束の)場所で女の子が待っている」というシチュエーションは、やりすぎるとくどい。(ほとんど皆そうなのだ) せめて大事なヒロインだけとかの方が生きてくると思うのだが…。

・昨日は選挙であり、夜は選挙速報だらけであったが、TV埼玉でも千葉TVでも「ここで、30分他の番組をはさみまして…」と中断してTo Heartを放送する。

そんなにTo Heartは偉いのか?!


4月22日(木)

簡易版 今月のアニメ誌見聞録

 

少し遅めの毎月恒例アニメ誌見聞録であるが、今回は新番のことだらけであまり目に止まった記事はなかった。そこで簡易的な物にする。

・「電撃B−MAGAZINE」が「電撃ANIMATION MAGAZINE」にリニューアル。が、内容はさほど変わらない(笑)。To Heart特集だが、これはコンテンツで生かすこととする。

・夏に劇場化される『少女革命ウテナ』。その副題は「アドゥレセンス黙示録」というのだが、その「アドゥレセンス」とは「思春期」という意味だそうだ。監督の幾原邦彦氏いわく、今回の劇場は「スキャンダラス」がテーマであり、真の副題は「思春期スキャンダル」なのだが、語呂がいいので「アドゥレセンス黙示録」にしたとのこと。私個人としては「思春期スキャンダル」という響きは、10年前の少女漫画のようでイカすと思うのだが。
また、私の一押しキャラの高槻枝織も劇場では大活躍するとのこと。ウテナのアンチテーゼ的存在だそうであり、これまた楽しみだ。

・∀ガンダムのスタッフインタビューであるが、4誌全てに同じものが掲載されており、アニメ業界の感心の高さをうかがわせる。あのシド・ミード氏のインタビューが日本のアニメ誌に載っているのには、若干の違和感と同時に、アニメの幅の広がりの期待を持たせてくれた。
個人的にキャラデの安田朗氏の 「本当にあった未来のおとぎ話」を楽しんで下さい。
という言葉が印象に残る。やはり「お話」を作ろうとしているのだ。

・同人作家として有名な介錯原作の『鋼鉄天使くるみ』がアニメされるのは知っていたが、そのスタッフを見て驚く。監督:高橋ナオヒト、キャラデ:千羽由利子、制作:OLMと、『To Heart』スタッフなのである。こういった濃い層をターゲットにした作品に時間をとられずに、To Heartの方に力を注いでほしいものなのだが…。
おまけにシリーズ構成が荒川稔久氏なので、「おおっ、To HeartとセンチJのスタッフの集結か?」と余計にもったいないと思ってしまう。とはいえ荒川氏は原作ファンの作品には全力投球するが(水色時代など)、そうでない作品は結構流してしまっているようなので(蒸気探偵団とか)、おそらくそうなるだろう。

 こんなところであるが、いよいよ来月は毎年恒例のアニメージュの「アニメグランプリ」の発表である。
 どうせ、『カードキャプターさくら』がグランプリなんだろうなぁ…。
 個人的には『ブレンパワード』と、サブタイトル部門でその最終回がどのへんまでいくかが気になるところ。
 (サブタイ部門1位はガオガイガーの最終回か?)
 あとは、劇場版ナデシコとビバップが作品部門の3位以内に入るかどうかってとこでしょう。
 (どうせセンチJは10位にも入らないでしょーよ…)


4月19日(月)

PC版『To Heart』初体験(ポッ。)

 

土日にかけてフカピー(資料部長)の家でPC版『To Heart』をプレイする。ソフトも別の知人(ヒデキ)から奪ったものであり、この場合マシンもソフトも自分のものでないのがポイントだ。(友情パワー10万ずつ)

プレイした目的は、大元のゲームの雰囲気やキャラの感じを知りたかったのと、音楽や脚本などのスタッフを知りたかったからである。一番知りたかった、PS版&アニメ版主題歌の「Feeling Heart」の作編曲者でありアニメ版の企画も担当する下川直哉氏は、PC版のEDのあの歌の作編曲と本編BGMも担当していたことが判明。(雫や痕もこの人がBGMかな?)
やはりアニメ版のBGMに和田薫氏を抜擢したのは下川氏によるものなのだろうか。

とりあえずは、あかりとマルチをクリア。思ったよりはオタク臭さがなく、まぁ好印象なゲームではある。「クセのある女の子を、真正面から正統的に描く」という意味では評価してもいい。(余談だが私はPSの『ダブルキャスト』に否定的なのだが、これと『To Heart』の比較論とか書くと面白いかも) 主題歌アレンジのBGMの使い方がいかにもリーフという感じでよかったが、ちょっとしつこい面もあったかな。

マルチがなぜあんなに人気があるのか興味があったのだが、あの話を見ればまぁわからなくもない。今さらいうのもなんだが、個人的には最後はあんなにハッピーエンドでなくてもいいんじゃないかなとも思う。
マルチが、というよりも「ああいった話」に「なぜ人はひかれるか?」ということを考えてしまうのだが、ロボットというとピンとこないので「健気な犬」と置き換えてもいいのではないだろうか。そう考えてみるとギャルゲーの恋愛話ではなく、『南極物語』とか『ベイブ』のような感動の名作映画的な話なんだよね。

曲も合格レベルで私は保科智子の曲がお気に入り。家に帰ってからCD再生できることに気付き、とりあえず聞きまくる。

5月28日にPC版&PS版のサントラが出るので、同じ日に出るカレカノサントラ3と一緒に買うことにしよう。


4月10日(土)

劇場化記念 ウテナ&アキハバラ合同イベント

 

夏に『少女革命ウテナ』と『アキハバラ電脳組』が劇場公開されるが、本日はその宣伝活動である合同イベントに行ってきた。こういうアニメ関連のイベントに行くのは珍しく、OVAウエピーの発表会以来だろう。
このイベントは無料であるが、ハガキを出して当たった人間しか入ることはできない。「調布一アキバに詳しい男」と呼ばれるそらいかん君にイベントのことを教えたところ、50枚程出して2枚当てたので、彼に入場証をもらって一緒に行く。これでまた彼のアキバ度&使える度がアップである。

大抵の人は声優目当てかもしれないが、私がこのイベントに行きたかったのはウテナ監督の幾原邦彦氏、劇場版アキバで監督を務める大ファンの桜井弘明氏が来るからである。

なので声優の話は、「島香涼は随分と背が小さく、地声と声優の声がほとんど変わらないので仕事がこないのかな」「吉住梢は結構地声が違うし、あまりしゃべらないな」「浅川悠は「アネさん」と慕われており、性格も声通りらしい」「子安ははしゃいでるけど根は真面目そうだな」「川上とも子は結構髪が長いな」「渕崎ゆり子は容姿も服装も全然昔と変わらないなんてすごいな」と手短にすることにする。

アキバの声優のトークが終わった後、大月プロデューサーとともにお目当ての桜井さんが登場。普通のシャツにGパンといういつもの格好なのがおいしい。大月さんとの漫才のようなトークは面白く、「あのプロダクションI・G(攻殻機動隊、夏エヴァなど)がアキバを描いてくれるんですよ」(劇場版アキバはI・G制作なのである)や、特に「夏の劇場に向けてどうですか?」の質問に「夏の『ガンドレス』にならないように頑張ります」は大ウケであった。
また、サターン版ウテナのOPは桜井さんが絵コンテを切ったなど貴重な情報も得ることができたし、とにもかくにも桜井弘明さんがひかえめだがおちゃめな人柄だとうかがい知ることができた。

次のウテナのコーナーでは、なんと幾原氏は多忙のためこれないということであり、変わりに脚本の榎戸洋司氏が漫画家のさいとうちほさんとともに登場。さすが榎戸氏は桜井氏と違ってビシっと決めている。
いろいろと劇場版については含んだもの言いで期待を持たせてくれたのだが、中でも「合体アキオカー」という単語は個人的には最大の収穫ではないかと思う。劇場版のスタッフをよく見ると「メカデザイン:長濆博史」と書いてあるので、あのアキオカーが豪華にパワーアップして度肝を抜いてくれるに違いない。

入場証には書かれれていなかったのだが、最後に奥井雅美さんも登場。ウテナとアキバのTVの主題歌を熱唱してくれた。

アットホームなトークが楽しく、無料の割には楽しめたイベントであった。同時に夏の映画の期待も高まり、今から楽しみである。


4月2日(金)

∀ガンダムの特番を見て
    
〜ご覧のチャンネルで、タンーエーの風が吹く

 

一週間前ということで放映された特番、「∀ガンダム前夜祭」。思った以上に流れた本編フィルムに、予想以上の期待をかけられる作品となりそうだ。

まずは作画レベルがかなり高いことに驚く。ブレンパワードのようなある種の古くささは感じず、今風のトップレベルのメカ作画かもしれない。そのクオリティの高いメカ作画と予想以上に機敏に自由に動く主役メカ。そのため∀ガンダムのデザインにはなんら違和感を感じなかった。劇画調の効果線の使用や、そのリアリティーを追及しない自由な動きは、最近の作品よりよっぽどファーストに近く見えたほどである。
キャラクターも貴族や移民など、彼らのバックボーンを感じられるため、地を足に根差した人間らしさが伝わってくる。肝心の主役のロアン役の朴さんの声も、一応男性とわかりながらも中性的で問題なさそうだ。また、ブレンでは隠れた名優のジョナサン役の青羽剛さん、同じくブレン比瑪役の村田秋乃さん、毎度おなじみ渡辺久美子さんも参加することが判明。あとは白鳥哲さんがいれば申し分ないのだが…。

西城秀樹の歌う主題歌も、西城氏の声特有の情熱のようなものが不思議とガンダムに合いそうに感じられた。谷村新司氏のEDの歌もまだ絵とあわせてあるのを見たわけではないのではっきりしないが、久々に番組と直結し切り離すことのできない歌のようで好感が持てる。

他にもキャラデの安田郎氏、シド・ミード氏、富野由悠季氏のインタビューなどもあり、実に有意義な特番であった。また、嫌味を感じないCGによるアイキャッチ、時折聞こえる菅野ようこさんの音楽など、非常に刺激されることだらけでますます期待が高まりつつある。来週からの放送が本当に楽しみだ。

最後に、富野監督のインタビューの一部を抜粋して掲載しておこう。

昔の作品を知っていてその思い出を持ってらっしゃる方っていうのは、たとえば宇宙世紀のこととか、ニュータイプがどうなったかっていうことを気になさるかもしれません。ところがそういうファンの方も実は20年っていう時間を、実は暮らしてきたんです。暮らしてきて、フィクションのものである。だけどニュータイプ論ってのはあるかもしれないと自分でも思ったり、それからその物語の行き先を見ていきたいと思ってた。
その解答が、今回のターンエーの世界なんじゃないんですか。
つまり我々は、一本調子の進化論では絶対対応できるような、マシンではなかった。我々はやっぱり人だったんだ。
ですからその解答も全部、ターンエーって言葉の中に懇願されてるというふうに僕は思ってます。


3月31日(水)

チョコボレーシング サントラ

 

CMで流れているFF5のEDアレンジに「おおっ!」となり、全ての曲がFFのアレンジだと聞いて、ためしに買ってみた『チョコボレーシング』のCD。ところがこれが予想以上にいい買い物であった。

聞いていた通り全ての曲がFF1〜6で使われた曲のアレンジであり、1の街の曲、2の中ボスの曲、3のラスボスの曲など、昔っからのファンにはたまらないものがある。ロマサガシリーズの伊藤賢治氏によるアレンジであるが、曲はFFでありながらバックのベースやドラムがしっかり伊藤氏のノリになっていて面白い。やはり全曲聞いてみたところでも、CMで流れているFF5EDのアレンジ『ミシディア空中庭園』がオススメだ。

しかしなんといっても驚いたのがEDである。本編のBGMがゲームの性格に合わせてコメディータッチやノリ重視だったのに対し、子供アニメのEDにでも使われるような優しいバラードの歌だったのである。
ちょっと歌詞を紹介してみよう

 いっしょにいつまでも 走りつづけていた おなかがすいて  帰ることも忘れて

 みんなでいつまでも  遊んでいられると 信じてたあの日に また帰りたい

しかもこれを歌っているのがあの大田裕美さんなのである! 往年の優しい歌声をまさかこんな所で聞くとは思わなかったので本当に驚いた。おそらくこのゲームをやりこんでEDにたどりついてこの歌を聞いた時は、今までのことを一つの作品として回想できるに違いない。そういう歌にしあがっている。唯一のオリジナル曲でありながら、心に残るメロディーなのも伊藤賢治ファンとして嬉しい。本当にいい歌だ。
また編曲もよく、担当した浜口史郎氏はFF7、リユニオントラックスで素晴しいアレンジをした後、FF8のOP&ED、アイズオンミーの編曲をしてきた人だ。スクウェアは本当にいい人を得たと思う。

この歌『心のたからばこ』を聞いて改めて感じたのは、スクウェアの一般を向き、かつゲームを一つの作品として考えている姿勢である。ゲームのEDの歌といえば、最近のギャルゲーブームで声優の歌というのを想像しがちだ。そしてそうでなくても本編と同じくBGMであるというのが普通である。そういう中で、こういった大御所の歌を使用するというのは、一般に認知されたいという姿勢と同時に、オタク向けへの強い反発を感じるのだが。もちろんこれはアイズオンミーに関しても同様である。


3月19日(金)

カレカノ25話 & エトセトラ

 

・昨日の『カレカノ』25話。初の一話完全オリジナル話であり、月野、花野の姉妹の主役の回である。
ちらほらと伏線を張りつつ、最後でやっぱりどんでん返しや勘違いがありましたというなんとも佐藤竜雄氏らしい脚本であった。しかし少女っぽい雰囲気というのは、やはり氏には今一歩足りないという感じはいなめない。(しかしどういったルートで佐藤氏が脚本を書くことになったのだろう? 単にヒマだからか?)
 この回で気になるのはやはり作画である。ガイナックス内部による作画、鶴巻氏摩砂雪氏といった人が参加しているにもかかわらず、ぱっと見違う作品と見間違うほど絵柄が今までとは異なるのである。スケジュール不足のための雑であるとかヘタであるとかで片付けられるような気がしないので、もしやわざとではないのかという気さえする。丁度『THE END OF EVANGELION』のような作画なので、今までのいかにも的なアニメ絵でなく、リアルにしてやってみようということなのだろうか。
最初は抵抗を感じたこの作画も2度目には気にならず、そうすると少女漫画の短編として「ちょっといい話」として面白く感じられた。サスペンス的部分が前面に出てしまったので、もう少し「自意識過剰」がクローズアップされていたらもっとよかったのだが。
(余談だが、花野の机には津田雅美さんの単行本の他に、『なんて素敵にジャパネクス』など氷室冴子さんの小説が置いてあったのが嬉しい。ほとんど小説を読まない私だが、氷室さんは大好きでだいたい読んでいるのだ)

 さて来週は最終回であるが、ひょっとすると劇はやらないかもしれない。だいたい連載の方でやってないし、やるとしてもあと3ヵ月以上は先の話であろう。その上でどのように終わらせるのか、楽しみにして待つ。

・そういえば『∀ガンダム』がブレンや星界の紋章のように、同じ週の別の曜日に再放送するという大河ドラマ方式だというのを書き忘れていた。フジテレビなので夜中の3時とかかもしれないが、確実に見る人が増える分それはありがたい。ひょっとしてガンダム世代が見る夜中の方をメインに考えているとか?

・安いのと前からちょっとだけ興味があったので買ったPSの『学園祭』。基本的に女の子を追い回すゲームなので、ジャレコの『ドキドキ ナイトストーカー』(略して『ナイスト』)で味わったことを自分で出来るのか! と妙な感心をする。最初のうちは「おっ、なかなか」と思ったが、終盤と一人クリアしてみて「やっぱりダメゲーだった…」と理解する。何も知らずに適当にプレイするぶんにはいいかもしれないが、内容を把握して要領よくプレイしようとすればするほどその底の浅さが知れるというもの。おまけにソフトリセットがないのも何とかしてほしい。
『ときメモ』を信奉するときメストの私としては、一人当たりの少ない会話とイベント、あくまでも受け身の内容に、『同級生』と『TLS』の悪影響を改めて実感した。(どっちもいいところはあるのだが) 自分が何をするか、それを工夫するのがゲームの楽しみだと思うのである。(そういう意味でコナミの『あいたくて…』は、すでに恋人の関係の相手と「どうつきあうか?」というゲームらしいので期待している)
『学園祭』で良かったのは、声優の前田愛(ガメラ3のではない)の声がなんともいいという事に気付いた点である。こういうことを言うとミーハーだと思われるのでやめとくりゅん。

ショック! 『サガフロンティア2』の音楽は伊藤賢治さんじゃないらしい!

ガッデ〜ム!! 伊藤節の新作戦闘BGMはおあずけか〜!

なんでも濆田氏という『チョコボの不思議な〜1』の人が担当らしいが、これなら『チョコボレーシング』やらずにこっちをやってほしかったぞ。夏に出る『聖剣伝説』でもやってくれないかな。