作品紹介&解説

イカスービデオVOL.1(93年12月5日発表)

記念すべき第一作目のビデオである。確か初作品のセーラーマーズは6月頃に作っていた記憶があるので、活動開始から半年でできたということになる。
この頃は基本的に私とMADの二人で「どのシーンを使うか」といったことの意見を出しあい、編集は全てMADが作業するという形であった。そういう理由のためほとんど(特にセラムンネタは)共作という形になる。
解説のタイトルの横の名は担当者の名であり、90%以上個人でやった物は個人の作という判断で明記してある。が、先程の理由のためほとんど連名となっている。
いつのまにか効果音や口パクのシーンは私が選ぶことになっており、そういったことに関してはこのビデオで十分に学ばせてもらったと思う。
当時はセラムンが全盛期であり、ほぼ毎月セラムンオンリーのイベントに参加していたののだが、そこで配布することが前提であったため、必然的にこういったキャラ別にスポットを当てた作りとなった。しかし、その方式はアニメに真面目に取り組む二人に合っていたし、以後これがイカスーのスタイルとなっていく。


オープニング

 MAD


このオープニングの前に、実はある同人CDの曲で別のOPを作っていた。しかし完成してから「使用はまずい」と言われ、急遽作ったものである。急いで作るにあたって、まず私が「ならばこの曲はどうか」とOVAの『ソルビアンカ』の冒頭の曲をMADに聞かせOKをもらう。次の日に速攻でサントラを探して入手し、曲が長かったので持ち前のアナログ目押し(聞き押し?)で短く編集。そしてビデオのラックを見渡し、たまたまMADが持ってきていた『ガルフォース』に目をつけ、「これなら合うんじゃないか」とそれで作ることにする。私は『ガルフォース』を知らないので指示を出すこともなく、MADの「これはこういう意図で」というのをふむふむとうなずきながら見ていたら、いつの間にかできていた。
最近気がついたことだが、ボツOPと作りがほぼ一緒であった。

CH-1 宇宙大帝ゴウザウラー

 MAD


セーラーマーズに続いて2番目に作ったものであり、MADが個人で作った第一作と記憶している。当時、ゴウザウラーと劇中の大ボスである「電気王」に熱中しており、それを生かすべく『ゴッドシグマ』に目をつけたらしい。私は歌を用意したあたりで寝てしまい、朝起きたら出来ていた。本人いわく「2時間で出来た」とのことである。ほぼTVシリーズの一つの話からメインに映像を持ってきたのとバンクばかりなので「ちょっと安直なんじゃないか」と言った覚えがあるのだが、編集者の間では評価が高いらしい。もちろんよく出来ているとは思う。
合体が終了してから決めポーズを合わせるために、不自然のないように一部カットして繋いでいるあたりがポイントであろう。

CH-2 スーパーコウガマン

 MAD KAZ男


一本のビデオにまとめるのが決まり、セラムン以外でも何かギャグをということで作った。「天使と悪魔」をこうしたいと発案者はMADであったが、 あらかたナレーション部分を入れた後、冒頭の「光、あれ」はどうするかと悩んでいた。私が「これだろう」とあのシーンを指示し、「これでこれはいける」と確信。ちなみに爆発やビームといった効果音部分も私の選んだシーンである。
本編はまぁ、無理のないように作ったつもりである。カットの分けぐあいも大味ではあるが統一はとれていると思うので、この頃ならばこんなものであろう。

CH-3 魔導王ハミングバード

 MAD


ハミバ1をレンタルして見た私は「なんじゃ!このつまらなくてヒドイOVAは!」と腹を立てる(笑)。(それでもつい最近のギャルOVAよりはましなんだよねぇ) この気持ちは誰かと共有しないと収まらん、ということでMADが来たおりに見せる。やはりあきれていたのだが、映像的には華やかということで私は一言「でも、使えるよ(笑)」といって寝る。
朝起きるとこれが出来ていた。以来、「使えるよ」は便利かつ危険な言葉なのである。
丁度MADはグランゾートを見たばかりで、この歌が5分割の歌である事を知っているのも幸いした。
イカスーを通して人気の高い作品であり、「ロッカーを閉めるタイミングをちゃんと合わせてあるなぁ」とぱるぷんて関係の人に褒められて、やっぱりわかってくれる人はいるんだと思ったものである。
惜しむらくはOVAから歌を持ってきたので、冒頭のタイトルと途中一箇所の効果音がないままに作ってしまったことである。当時はTV版と違うことに気付かずにいたのだが、もしそちらを使っていれば途中の効果音のために作品が一部変わっていただろう。


セーラームーン特集

オープニング

 KAZ男


一本のビデオにするに当たり、アクセントが必要ということで作ることに。なぜ『北斗の拳』になったのかといえば、まぁそれが自然の流れというものだろう。(というか本当にいつのまにか決まっていたとしか覚えてない)で、『北斗の拳』をレンタルしてきて作り始めたのであるが、ほんの少し作業をしたところでMADは「もうやだー!」と言って寝てしまう(笑)。しょうがないので、私が自分で「元絵合わせ」という基準にそって映像を入れていった。絵は似たものを探してくればいいし、カットの分け目は元に準じればいいのだから、非常に楽であり、作品を作っているというよりは「作業」をしているという感じであった。
ただ、この作品が受けるのは『セラムン』後期のOPが有名だということを考慮しなければならないだろう。

CH-1 真魔神英雄伝うさぎ2

 MAD KAZ男


5人の中では最後に作った作品。MADはこの一連のセーラー戦士シリーズは、まず変身と必殺技のシーンをどこに入れるか決めてそこから入れていく。このムーンもそうなのだが、その後のそれ以外のシーンについてはほぼ全部私が「このカットがいい」と指示したので、私個人の作という感じがある。
イントロのうさぎの走るカット3連チャンと、ムーンヒーリングエスカレーションからタイトルへの繋ぎは自分でもかなり気に入っている。それと、サビで変身するより前のうさぎのカットは、全部只野和子さんの作画監督の回から持ってきたり、カットが変わっても服装を統一したりということも意識してやってみた。

CH-2 熱血最強セーラーマーズ

 MAD KAZ男


南極物語の後にためしに作ってみた、記念すべきイカスー第一作となる作品。当時は二人ともマーズが好きであり、『ゴウザウラー』にハマっていたのが全ての動機である。
初めての作ながら、「たびーだてー」のところなどセーラーマーズが登場してから走り去るところまでの間をカットして、動きを見せるなどの工夫もしていた。(「ちゃちゃっとレイちゃん、やっつけてきま〜す」の名シーンのカットだ)

CH-3 機動戦士Zマーキュリー

 MAD KAZ男


マーズの次は「じゃあ、マーキュリーも作ろう」ということになって、なんとはなしにこの歌に決まる。その結果「ロボット物で5人分作る」ということもこれで決まってしまったのである。
中身のシーン選びに関してはほとんどMADがやっていたのだが、最初と最後の効果音をどうしていいか決めずに寝てしまったので、私がその間に「こんなものか」とやってみたのであり、初めての効果音合わせとなった。
当時はZガンダムのOPさえ珍しく、知人がエアチャックした音質の悪いものしかなかったのは残念である。

CH-4 闘将ジュピター

 MAD KAZ男


当時のイカスー社内ではジュピター、いやまことは「2m」だの「怪力」だの好き放題言われていた。そんなわけでギャグを作るとかではなく、なんとなくこの歌に決まっていた。(この辺マーズからジュピターは悩むとかそういう事はまったくなかった)
序盤のマーキュリーの映像は元絵を意識したものであり、この頃は勢いに任せてこういうこともしてしまっていた。
サビの所の効果音を、決めで合わせるか途中で合わせるかさんざん悩んだが、変身シーンをしっかり入れたいということで今の形に。ベストとはいかないまでも、まぁ許容範囲であろう。

CH-5 星銃士ヴィーナース

 MAD KAZ男


美奈子だけは歌を何にしようかで随分と悩んだ。最初は『ガリアン』のOP曲でいこうと思い、いざ作り始めようとした矢先に『ビスマルク』のOPを入手し、「やっぱりこっちの方がいいや」と変更。危なかった。
ライナーに書いてある「反則技」とは、転調するよりも若干早くタイトルロゴが終わってしまうため、タイトルそのものを少しずらして入れたことである。「タイトルは元をいじらない」というスタンスでやっていたため、本来ならばやるはずではなかったのだ。
結構効果音が多いのだが、MADが自分ですいすいとやっていた記憶がある。


イカスーショートシアター

その1 (キューティーハニーさ)

 KAZ男


実はこれ、たまたま録画した「懐かしのアニメ」みたいな番組の中の音声である。これを見た時に、「そういやぁほとんど変身してるなぁ」と思ってためしに作ってみる。

その2 (いちょこげ)

 MAD


こちらの方はMADが思いつき、そのまま作ってみたもの。


CH-6 魔法の妖精ジェダイト

 MAD KAZ男


ゾイサイトを作ったために、「セーラー戦士がロボット物で統一したのだから、こっちも少女物でやっていくか?』と作るはめに。私はペルシャのOPは知らなかったのだが、MADがジェダイトの歩きを見て「これが「おっしゃれおしゃーれ」に合うかも」ということで作り始める。こちらのシリーズは元からカットも少ないということもあるし、なんとなく作っていたという感じである。

CH-7 魔法使いネフライト

 MAD KAZ男


ゾイサイトとジェダイトを作ったのだが、ネフライトはネタに困っていた。結局魔法使いとメジャーな歌ということで『サリー』を使用することにするが、今考えるとあまり必然性はない。やはり当時のセラムン一色という雰囲気があればこその作品であろう。

CH-8 ゾイティ・ゾイティ

 MAD KAZ男


身内の一人がある時『キャンディキャンディ』の歌にクンツァイトを入れたらどうだろう?と持ちかけてきたのだが、「キャンディだったらナルシストのゾイサイトの方がいいだろう」と応え、ためしに作ってみたのがこれ。(彼がどうしてそんな事を言ったのかは今だに謎)
ちょっとブラック的なことも私の希望で入れてしまったのだが、変に嫌味がないのはゾイのキャラクターとセラムンの作品性によるところが大きいだろう。
やはり四天皇の作品では一番人気が高く、「ね」は大好評である。

CH-9 魔法のスタークンツァイト

 MAD KAZ男


クンツァイトは本当に歌が決まらず困り果てていた。そんな折り『マジカルエミ』のOPを入手し、「まぁこれでもいいかな」と私が先行して勝手に作り始めた。そのため半分以上は私が選んで編集したといういつもとは逆の作品である。これは四天皇シリーズにいえることだが、ネタがネタだけに、単独のカットでなおかつみっともない見せ方でなければまぁいいかといった認識でしか作っていなかった。

CH-10 天空戦記タキシード

 KAZ男


あらかた作った後、そういやタキシード仮面でもなんか作った方がいいのでは?ということになった。「タキシード仮面ならまーかせて」(イカスーテープ参照)の私はそうそうに歌を決め、冒頭のナレーションからさっそく自分で編集していった。本編は一部MADに編集してもらっているが、映像はほぼ全部私が指定したので、私個人の作品といってもいいだろう。
ただ、「かがやくー戦士たちー」のところはどうするか困っていたのを、MADがあのカットを入れてしまう。タキシード仮面以外が出ることに抵抗があったのだが、入れてみるとさほど違和感はないのでそのままいくことに。

エンディング

 MAD


まず、多くの人から質問を受けたこの歌は、PCエンジンのCD−ROMゲーム『魔物ハンター妖子』の主題歌の「満月のしわざ」という歌である。歌がわからなければ、質問の手紙やイベントで聞きにきてくれる人がいるだろうと思ってわざとライナーには明記しなかったのだが、これは成功で以後EDの歌は明記しないことが定着。ちなみにこの歌は『妖子』のソング集CDに収録されている。おわかりの人も多いだろうが、歌っているのは久川綾さんである。
最初は同じ『妖子』の「恋のクーデター・ゴーゴー」という歌にしようと思っていたのだが、さすがに脳天気すぎるということでこちらに変更。なぜ『妖子』か?と聞かれても、当時は気に入っていたぐらいとしかいいようがない。

歌が決まった後、MADから「テロップが入る場所を決めてほしい」と言われ、会社でウォークマンを聞きながら歌詞を打ち込み、決めていった。一部歌詞が聞きとれなくて困った記憶がある。

編集の方はMADが自分でどんどん進めていったので、ほとんど彼のセンスによるものだろう。歌の2番では4人を順に見せていこうというあたり作品への愛情あってのことと思うが、これを作った直後に劇場版『セラムンR』が公開され、似たような構成があり、やはりこの作りは間違っていなかったと確信する。


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