イカスー編集用語

ここでは作品紹介の文章にも使っている、私どもが編集時によく使う独自の用語を紹介してみました。内輪ネタ的なものもありますが、そこはご愛敬ということで


仮組み(かりぐみ)


最初に制作する「タイミングと画質にこだわらない」ものをこう呼ぶ。
タイミングに関しては、短いカットなど難しい箇所はアバウトなままの場合もあるが、ほぼ見れる完成形を作るのでそんなに妥協はしない。
ただ、画質に関しては後述のスペシャルのテープを再生側に入れたまま作成することが多くなるので、厳しいものとなる。また、そうでなくても検索のしやすい3倍テープで制作する場合が多いので、まさに画質を気にせずに作るための仮組みといえる。
また、ここで完成させたものを何度も見ることによって、問題に気付いたり、本番でのタイミングずれに生理的に気付くようになったりするのである。

本番


読んで字のごとく、仮組みに対する本番。
ネタもあらかた完成し、いざ一本のビデオにする時にマスターテープに作業していくもののことである。
この場合はまず歌を落としそれに仮組みの映像を入れて、それをなぞるようにエアチャックしたマスターや、LDから落としたものなど、用意できる最高の映像を入れていくのである。

ゼオライマー現象


VOL.3収録のイカスー劇場その1のネタに由来する。
元々このネタは「まさか作るまい」と思っていたのだが、ある晩いきおいにまかせて作ってしまう。するとむちゃくちゃ面白く「これはギャグ物として傑作に違いない!」とその場に居合わせた私とMADとフカピーの3人はいたく気にいってしまう。
だが、朝起きて今一度見てみると……。
「なんじゃこりゃ? なんでこんなもの作ったんだ?」と一同はあきれたのであった。

以来、「徹夜でハイの状態で面白いと思ったものが、後で見ると全然そんなことはない」ということを、「ゼオライマー現象」と言うようになるのである。

ハミバは基本
ハミバは卵料理


MADの序盤の秀作の「魔導王ハミングバード」、そして私の初の個人作となる「機動武闘伝ハミングバード」と、どちらもまだ始めたばかりの頃の作でありながら人気もあり、まとまった作品となっている。
これを元に調査した結果、ハミングバードは映像ソースとして初心者にも扱いやすく、また自らのレベルアップには最適との調査結果が出た。
最近の学術研究では、ハミングバードには編集ソースとしての基礎がほとんど詰まっており「ハミングバードは基本であり、料理でいえば卵料理のようなもの」という研究報告までもたらされている。
これは関東では有名な編集サークルの代表であり、編集業界では絶大な権力を持つ、
ぱるぷんて怪鳥氏も公認で、自らその学術を実践し、「編集はハミバに始まりハミバに終わる」という持論を展開するにいたっているとかいないとか。
そうした最近の学会の変動にともない、編集者を目指すものには「まずはハミバを見ることから」という教育方針が各地で盛んになりつつあるらしい。

スペシャル


目的の作品のために使えそうなカットのみを編集したもの。キャラを限定して作ったものが多い。

確かVOL.2の「超魔神英雄伝チャチャ」のために作ったのが初めてと記憶している。まずスペシャルを作り、そのテープを元に編集という形になるが、VOL.3からはほぼ全部このスタイルで作成するようになる。(そうでなければ「セラリロ」などやってられない)
そのテープを編集することを「スペシャルを作る」と言うのだが、テープの名前にも使われる。タキシード仮面のシーンばかり集めた「タキシードスペシャル」や、きん注のちーちゃんのシリアスシーンのみを集めた「千歳スペシャル」などがいい例である。

成仏(じょうぶつ)


作品を作るにあたって、使った歌や映像作品をこう呼ぶ。
使用法としては「これでこの歌は成仏した」といった感じであり、もっぱら歌の場合が多い。
これは一度使った歌はもう一度使うことはまずないからであり、またそんなことのないように、目の前の作品に全力投球するための戒めでもある。
作品で使用する場合はやはりOVAがほとんどである。

南極物語


編集に使っているデッキ(VC-BS600とVC-BS50)は、シンクロケーブルでつなぐことによりシンクロ編集ができる。もちろんそれを見越して買ったわけだが、元から編集作品を作るのが目的ではなく、ただ単にCMカットなどの普通の編集をするためで、そういうことにしか使っていなかった。
編集作品の場合、元からある音声の上に別の映像をのせるわけだが、それはどうやってやればいいのかわからなかったが、ある時インサート編集をし、それのノーマルトラックを再生すればいいのだということに気付く。
そんな折り、MADが丁度よく『県立地球防衛軍』(安永航一郎 著)の第1巻の55ページに掲載されている『南極物語』のネタのことを思い出した。
それは映画『南極物語』を語っているつもりなのだが、よく読むと実は『遊星からの物体X』の内容になっているというものである。「南極」「犬」という要素がかぶっているということで、非常にマッド的なネタである。
「インサート編集で本当に思うものができるのか、このネタでためしてみないか?」というのが始まりであり、記念すべき編集処女作品なのである。南極物語の予告編の映像の一部を物体Xに差し替えるだけの、非常に簡単な作りではあるが、これでこのデッキでもいけることが判明したのである。いって見れば安永氏はある意味イカスービデオの生みの親といえるかもしれない。
また、MADは小さい頃からの映画ファンで南極の予告編や物体Xのテープも持っていたというのも忘れてはいけない要素の一つである。
ただ、おおっぴらに人に見せられるようなものではないので、以来「触れてはいけない幻の処女作品」という意味で「南極物語」という言葉は使われるようになる。


戻る

ビデオ、テープの感想などありましたら、お気軽にメールをください。

                                     JOKER-KAZ男