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子供の口臭・および成人の口臭と口呼吸について
子供の口臭について さくら 10/30(火)06:47 

お忙しいところ、申し訳ありません。実はもうすぐ8歳になる息子の口臭をとても心配しております。色々検索していて、幸運にも先生の素晴らしいHPにたどり着く事が出来、じっくりよませていただき、大変勉強になりました。
 息子の口臭は、学校でも言われるようで、食後すぐより、少し経ってきつくなります。特に疲れているときはなおさらです。舌苔が普段から多く、そこが臭っている感じです。現在、虫歯はなく、歯磨きもきちんとしています。
実は5歳時、睡眠時無呼吸があり、アデノイド肥大の手術を勧められましたが、様子を見ているうち、軽快したので、手術をせずに現在に至っております。ただ、いまでも、口呼吸です。常に鼻が詰まったような感じです。ただ、アデノイドは大きいが、蓄膿ではないと耳鼻科で言われました。
先生のお話を読ませて頂いて、口呼吸が口臭の原因になるということを読み、また、蓄膿症と口臭のところで、蓄膿症であれば鼻くうのみならず、咽頭まで、炎症産物である鼻汁が流れてくるから・・・とありましたが、これは、蓄膿症以外でも、アデノイド肥大での鼻づまりにも同じことでしょうか。
 口臭が原因でいじめに発展しないか、とても心配しております。どうかアドバイスいただけないでしょうか。



子供の口臭・および成人の口臭と口呼吸について 名前:HONDA  11/1(木)19:34

最近子供さんの口臭についての、母親の相談が相次いでいます。実際の診療でも、母子で診断を仰ぐ人や、相談を受けることが多くなってきましたので、口呼吸についてちょっとまとめておきます。


「口呼吸」について-生物学的考察

哺乳類は人類以外、霊長類を含めて口呼吸をすることは不可能です。人類は口呼吸できる唯一の哺乳類です。

人類は、進化の過程で口呼吸ができるようになり、同時に会話ができるようになり、飛躍的な数の言語での意思疎通と情報交換を容易にして、頭脳を飛躍的に進化させ霊長類の中から飛躍的な進化を遂げました。

しかし、人類にとっての口呼吸は呼吸方法としての呼吸法ではなく、あくまでも会話という特殊な能力のための呼吸法であって、本来の生命維持のための呼吸法ではないと認識する必要があります。

本来の呼吸の目的のために、口呼吸を行った場合は、口は呼吸器としての具備すべき条件をまったく持たないために、様々な健康上の障害が起こってきます。


「口呼吸」の障害について・・・・口臭に関連してまとめてみます。

呼吸は生体の生命維持や健康維持にための最も重要な機能です、これが、口で恒常的に行われた場合には、消化器としての口腔内機能の低下と、鼻を呼吸器として使用しなくなることからくる呼吸器としての障害、酸素変換効率の悪さからくる全身への影響が発生していきます。

1.口腔内は、口呼吸により乾燥を引き起こし、安静時唾液による口腔内恒常性維持機能や、口腔内免疫の低下、口腔内自浄性の低下が起こります。

また、舌表面も乾燥するために時に味覚障害を引き起こすこともあります。

その結果、口腔内は細菌学的には不潔になりやすく、虫歯や歯周病なども促進していき、結果として口臭に結びついていきます。

2.呼吸器系への悪影響について

鼻腔は呼吸器として最も最初の器官で、鼻毛によって防塵(ごみを取り除く)した後に、取り込んだ外気を嗅覚により外気から様々な情報を収集しチェックを行うと同時に、適正な温度に暖めた後に鼻汁で適度な湿り気を与えて、のどの奥にある「ワルダイエル咽頭輪」(咽頭扁桃=アデノイド、口蓋扁桃、舌扁桃、耳管扁桃、咽頭小扁桃)という5つもある免疫器官によって除菌されます。

扁桃腺と同じような扁桃組織は実はいくつもあり、舌の奥にもあります。

もし、口呼吸を行った場合は、これらの「ワルダイエル咽頭輪」は乾燥にさらされ免疫機能は極度に低下したり、過敏に反応するようになっていきます。

その結果、慢性的な扁桃腺炎を抱えたり、取り除いても取り除いても除去できない膿栓と呼ばれる固形の免疫副産物は慢性化していきます。

アデノイドは肥大化し、たとえ摘出術を行ったとしても、口呼吸習慣を是正しない限りは、他にもいくつもの似たような免疫組織は集中して存在するために、根本的な解決にはならず慢性化していきます。

これらは、やがて全身的な免疫過敏に関連していることが専門家の間では示唆されており、喘息、アトピー、花粉症、アレルギー性鼻炎などと密接な関係を持っています。

ひとたび、このようなアレルギー性素因が起こってしまうと、治癒は容易ではなく、慢性化してしまうので注意が必要です。

当然、のどの奥や、舌の奥には慢性的な粘々とした免疫副産物を抱えることなり、これらは口呼吸のたびに作り出される細菌などの死骸や死滅した免疫細胞群から構成されるので、常に腐敗ガスを発生するために、口臭ガスの発生源になっていきます。さらには、口呼吸をおこなうことで会話以外のときも口臭を持つようになります。(通常の口臭は、会話のときだけですが、口呼吸習慣のある場合は会話以外のときにも呼気性の臭気をもつようになります。)

3.睡眠時無呼吸症候群との関連と口臭の関係

睡眠時無呼吸症候群はいくつかの原因でおこる、睡眠時の無呼吸状態が起こす睡眠障害ですが、これに口呼吸は大きな影響を与えます。

寝ているときに、口をあけ口で呼吸してしまうと口周辺の筋肉の弛緩が起こるために気道を完全にふさいでしまう状態が引き起こされ、その結果呼吸がまったくできなくなり、無呼吸症候群を引き起こします。

4.その他への影響

最近頭脳の発達にも関係するという報告もあります。全体的免疫機能への悪影響も考えられます。

RE:子供の口臭について 名前:HONDA  11/1(木)19:35
子供さんの口臭ならびに無呼吸症候群、アデノイドなどの諸問題の根本的な原因として、口呼吸が介在していると思います。

現状では、将来的にも問題を引き起こす可能性があるし、口呼吸する限りは口臭は悪化すると思います。

早急に鼻呼吸への転換を専門的に行ったほうが良いと思います。

小児歯科・小児科・耳鼻科を受診して相談してください。

>口臭が原因でいじめに発展しないか

子供さんの個性や精神的発達過程においてないとは言えません。



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