>先生のご指摘の通り、自分が臭いということで他人を遠ざける態度を自然ととってしまう事があります。
口臭で悩みだすと(別に口臭に限ったことではないのですが)、冷静に自分自身を見ることや、周囲を見ることができなくなり自分自身の考えの中で堂堂巡りします。また、適切なアドバイスを行える人やまともに相談相手になってもらえないのが口臭の悩みです。周りに写る光景は、自分自身の周りに対する反響(鏡)であると考えるといいでしょう。あなたが周囲の人を観察しているように、周りの人もあなたのことを観察していることを忘れなく。
>他人から臭うといわれるのはしょっちゅうで
直接面と向かって言われない「臭い」という発言は、必ずしもあなたに対する表現ではありません。
私も、百貨店に入るたびに、おもわず「なんか臭いな・・」と言ってしまうことがあるし、車に友達を乗せていて、外気の異臭を吸い込んだとき、おもわず「誰かおならした?」ということがあったり、自分がおならしたのではないかと思って、おもわずたばこを吸う振りして窓を開けることがあります。
こんな経験は誰にでもあることです。人のみならず哺乳類は臭気に対して敏感に反応するのは当然の本能ですから・・「臭い」と言われても、必ずしも口臭に反応したとは言えないです。このような不確定なことを、「自分の口臭」と思い込むことは、それだけで自分を不安におとしめるでしょう。
>外出するということが自分にとって最大のストレスになっています。
家にこもらずに外に出てみることです。少なくとも外は空気の流れがあるのですから、容易に口臭が他人に分かることはありません。家に閉じこもっても悪くはなっても、良くはなることはないでしょう。
>生活も食生活もルーズで食事も咀嚼せず飲み込んでしまうのも要因かと思います。
ストレスは、ごく当たり前の習慣や機能(Habit)をできなくさせていきます。この当たり前の誰にでもできている Habit を再び(Re)手に入れることが、最初に行うべきことです。哺乳類になら誰にでもある低下したり抑制を受けた基本的な口腔機能を 再び習慣として身につけることが Rehabilitation=リハビリテーション (ReHabit)です。ほんだ歯科で、最初に行うべきことの多くは、ごく当たり前の機能の回復や食生活習慣・生活習慣の獲得(Rehabilitation)にあります。これができない人は、その先何をしても限界がやってきます。ごく普通の人並みの口臭にならないのです。それができない人は、人並み以上の無臭の息の獲得なんてできっこないのです。(ほんだ歯科に来る患者の大半は3ヶ月以内に達成します。)
なぜ、あなたは、分かっているのにルーズになるのでしょうか・・・結局は日常のストレスに流されているのではないでしょうか?ほんだ歯科に来る人は遠いところ、時間と労力と経済的犠牲を払って、この単純なことを最初に一生懸命おこないます。リハビリは辛いのです。
でも、3週間後には必ず以前とは全く違う結果を出してきます。これができると、いよいよ、本格的な無臭化プログラムに移行できます。このRehabilitationは一見やさしく、当たり前すぎる事ですが、やってみると非常に過酷なことです。強い意思と忍耐が必要です。
>近くの歯科で口臭相談をした際に唾液分泌を促進させる薬を薦められましたがこれはよいのでしょうか?
ほんだ歯科の治療で、唾液分泌促進薬を使用するケースはほとんどありません。
そのような薬を使うケースは、「シェーグレン症候群」の重症例や、老人や癌治療によって唾液腺そのものの機能が非可逆的に失われた場合は使うかもしれません。私の治療理念の特徴は、口臭を起こさない当たり前の能力の回復にあります。
その薬を使うかどうかは、歯科医の判断によるでしょう。
私の考え方は、消化機能や口腔生理機能は、本来的に生きていくための基本的機能の一種と考えています。リハビリと、コントロールによって、抑制された口腔生理機能を再び身に付けさせるということを基本方針にしています。
このような基本的な治療方針であるために、唾液分泌促進薬の選択は最終的手段としての対症療法として選択肢の一つになっています。