>しかしとらないとどんどん積もるばかりでその舌苔からくさい臭いがします。どのようにすれば舌苔は少なくなるのですか?
舌苔の研究は中国では膨大な経験を基に医学体系として確立しています。また臨床では重要な診断基準になっています。それに対し、歯科では全体の健康と結びついて考える医学体系はなく、部分的器質的病変にしか対応できていません。したがって、歯科医の多くは舌苔は、全身の健康状態と関連しているという概念や方法論を持っていません。
今回中国出張の折に天津医科大学の中医学の権威である臨床家の先生の講義を受けましたが、診断用の「舌苔診断図譜」だけでもかなり分厚い写真集になっています。中国では西洋医学的取り組みと東洋医学的取り組みは同格です。また日本の内科医の80パーセントは、漢方などの東洋医学的手法を導入しています。また、アメリカにおいても西洋医学の行き詰まりから、東洋医学的手法への融合が模索されています。
中医学や内科学では、
舌苔は物理的に取り除くことなく、その原因となっている病気を治したり要因を取り除く取り除いたり(西洋医学的・中医学的取り組み)、処方が行われています。ブラシなどで取り除く手法は歯科特有の方法です。医科領域では治療として舌苔を取り除く概念がありません。(素人も同じ事をしますが・・・対症療法であり、根本的治療であるとはいえないと考えます。口臭が気にならない人が、口臭と認めて不快をとり続けていく手段としてや、慢性的
口臭を完治することが不可能な人が口臭を一時的に緩和する方法としては有効(例外として非可逆的疾患を持っていたり、口腔衛生管理が不可能な老人など)です。その場合は、できる限り舌表面を傷つけない方法で行うべきです。
歯科的に舌苔を取り除くことが意味のある歯科医学的な予防であると
仮定すれば
、歯科医は子供の時に歯ブラシ指導と同様に正しい舌磨き習慣を指導すべきですが、実際にはそんなことを指導する小児歯科医は一人もいないでしょう。舌苔を物理的に取り除くことは有害だからです。
もし仮にあなたの舌苔が異常なものである場合は、正確な診断が必要です。とても解決が難しい場合は東洋医学系の内科を受診してみるといいでしょう。
舌の状態は非常に重要です。内科的病変や、体全体の生理が関与して最終的に口腔生理に影響を与え顔色と同じように舌表面に反映されているからです。
非常に荒っぽい大雑把な言い方をすると、月曜日から土曜日まで、どんな時も黄色い舌苔がびっしりついている時は、内科的問題や歯科的問題(炎症性)が関与しています。この場合は、その原因疾患を完治しない限り直らないことがあります。黒い場合は薬の副作用であることが多いです。
舌の周辺までびっしりと分厚い白い舌苔で覆われている時は、内科的病気や、代謝が悪い場合や、口の機能が低下していることが考えられます。
舌の機能や口腔生理機能を高めることが必要です。また、精神的ストレスによる慢性的な口腔内の緊張状態が持続しても発生します。また精神的問題を抱えると、老人のように全く無いこともあります。(この場合は舌全体がきれいなピンク色になっています。=口腔内が熱くなり、口臭がすることが多いです。)
あなたの舌の状態が、医学的にどのような状態であるかが、よく分からないので適切なアドバイスはできませんが、内科的・歯科的原因がなく、単に精神不安などによって口腔生理機能が抑制されて過剰な白い舌苔がある場合は、
口臭対策室などに書いている方法を組み合わせることで、十分対応できます。
また、口腔内乾燥感を伴い鼻炎や花粉症・などのアレルギー性耳鼻科疾患があるときやアトピーなどのアレルギー性素因のある場合(自臭症の人の疫学調査では非常に多いです。)は、
口腔内粘膜もアレルギーであることが考えられるので、
口腔内の乾燥を防ぐことと、アレルゲンになりそうなものを口にしないことです。(特に歯磨き剤の選択や、歯磨き方法などに注意)。
また、過剰な舌苔を付着させると食後に舌表面に食べかすの大半が残るので、機能的に舌表面の食物や飲み物の残渣をその都度取り除くことでもかなり変わってきます。
食事後の口臭の悩みに対する対応策と、口腔生理学的な考え方を参照してください。
あなたに重要なことは、あなたの悩んでいる舌苔が本当に異常であるかどうかを確認することです。
尚、舌の奥の舌苔についてはほとんど診断的には価値が無いと思います。