消化器は、口腔、胃、十二指腸、小腸、大腸と一連した臓器で、それぞれが関係しあって全体としての機能をもっています。しかし、これらの臓器は、十二指腸を境にして二つのグループに分けられます。
すなわち、厳密には口腔と胃は一つの臓器、小腸と大腸も一つの臓器と考えられます。十二指腸はその区切りの連結部分です。
前者と後者では同じ消化器でありながら、その機能には決定的な違いがあります。前者は消化機能だけを行い、後者は消化と吸収機能を行います。
したがって、胃に障害がある場合の多くは消化器としての口腔内にも障害を抱えていたり消化器の前半部分の機能不全を起こしていることが多いのです。
この口腔と胃が連動して一つの機能を果たしていることは、哺乳類では共通していることであり、その典型例が偶蹄類に見られる反芻行為(牛ややぎ類)です。
一度胃に送った食物を再び口腔内に戻して反芻咀嚼します。人間の場合では名残として「げっぷ」があります。「げっぷ」が出る時は胃が口に対して再度の咀嚼を要求していると考えれば理解できるでしょう。
人間も例外ではなく、胃は口腔内の消化機能を受けて連動して機能を果たすために、口腔における消化機能が低下した時、あるいは、ほとんど口腔が消化器として機能していない場合は、胃は慢性的な障害を抱えてしまいます。
胃が酸性に傾く時、口腔内も酸性に傾くし、胃が障害を持つ時、舌表面には病的な口臭を伴う異常な特有の舌苔をが発現したり状態が悪くなります。
>歯医者には虫歯で何回か通院したときに、他に悪いところはないと言われてきました。
口腔を消化器として考えて医学的治療を行う取り組みは、現在医学のブラックボックスで
す。内科は口は歯科領域と考えます。耳鼻科は口腔を境界領域として治療を行いますが、あくまでも耳鼻科的見地からの治療体系です。しかし、歯医者には、口
腔内は歯と歯ぐきだけが興味の治療対象であり、消化器としての治療概念も医学的視点も皆無です。また、歯医者は医師や獣医師のように基礎医学的な教育や系
統的臨床理論も教育を受けていません。したがって、多臓器との関連した診断体系や習慣もありません。あくまでも、顎の歯ぐきと歯に限局しているのです。
せっかく大学で口腔生理学を学んでも、あくまでも基礎知識であり臨床に生かしていることは皆無です。結局、口腔はれっきとした消化器であるにもかかわらず、口腔生理的問題については内科からも歯科からも置き去りされた領域な
のです。また、そのような歯医者は歯と歯ぐきに問題がなければ問題なしと考え、消化器としての臨床的考察は全くできないのです。大学の口臭の基礎研究者で
も、このような展開を考える学者が皆無なのが現状です。口臭関係の基礎研究者の啓蒙書や、出版物インターネットで検索してみると、その現状がよく理解でき
ると思います。
したがって、口臭の取り組みはどこの科に行っても解決がむずかしいのですが、最終的には一般歯科的問題や口腔生理が関与す
るので、やはり歯科医が担当すべきなのですが・・・これからの、発展を待つしかないですね。したがって、全ての口臭を解決するためには独自で学ぶしかない
のが現状です。
したがって、歯科医が書いた既成の治療法では、全く対応できないのです。内科の先生が書いた口臭治療の治療法も同じことです。(口腔生理に対する配慮が無いのです。)精神科医が書いた治療法もしかりです。(口腔生理に対する配慮が全く欠けているのです。)