舌には、すでに過去の質疑応答で示したように、舌表面にはビロードのように舌乳頭がびっしり存在します。
この微細な複雑な構造は、その乳頭の間に食物残渣や、舌磨きなどによって破壊を受けやすく、傷ついたり破壊された組織片が付着しやすくなります。
付着していくと固まりになり、その部分では口腔内微生物(細菌)の格好の住処となる場所を提供するようになります。しかも、酸素が届きにくい場所なので、酸素が嫌いな菌(嫌気性菌群)が増えてきます。さらには、これらの細菌の活動に必要なたんぱく質が豊富に存在するために、これらの嫌気性菌は常に活動状態になり、栄養源を取り込みその数を増やしていきます。その過程で、これらの細菌はたんぱく質を分解し、揮発性硫黄化合物や揮発性窒素化合物を豊富に含むガスを作り出します。
通常は、安静状態では舌表面を新鮮な酸素を含む唾液が流れているために、これらの嫌気性菌も活発に活動ができないのですが、緊張や他の影響によって口腔内が乾燥状態になると、急に活発に活動するためにガス発生が活発になり口臭を引き起こすのです。
したがって、飲食後の後の口腔内のケアーは重要で、飲みのこしや食べ残しを舌に残さないことが重要です。
そのためには、食事後の口臭の悩みに対する対応策と、口腔生理学的な考え方 が有効です。
また、口腔内の微生物環境をよくするためには、一般歯科的な問題を抱えないことも重要で、定期的な歯科医院における口腔内衛生管理が重要です。
同時に精神的ストレスを抱えないようにしながら、常に舌の動きをよくして水の摂取と共に、安静時唾液流を確保すれば、きれいな臭気のない過剰な舌苔ができない舌が完成します。