舌と舌苔について
舌磨き

口臭と舌苔-1 舌を観察してみる

口臭と舌苔-2 舌苔を観察してみる

口臭と舌苔-3 舌苔を取りすぎるとどうなるか?

口臭と舌苔-4 正常な舌苔と病的な舌苔

舌苔を除去するということ

舌のヒリヒリ感について

白い舌苔と唾液の白濁と鼻臭

過剰な舌苔は何故つくか?

舌の正常な構造

舌苔を取り除くことについて

舌苔についての考え方−舌苔が部分的に欠落することと口臭

寝起きの白い舌苔

舌苔は人から移るんでしょうか?

舌みがきについて

舌苔はなぜ臭うのか

舌苔の臭気について

舌苔に対する考え方と取り組み方について

舌磨きの悪癖と口臭抑止としての緑茶常飲の常識の誤解

「舌苔が突然剥げ落ちる事」の意味について −−それでも、舌苔除去は続けますか?

食後の舌苔

裂溝舌について

舌乳頭について

口臭外来:口臭外来で舌磨きを指示されたら?

HONDA流舌苔除去法

舌を磨くことの医学的・歴史的考察

舌みがきを科学する・・犬猫でもやらない舌磨き

舌の運動・ひょっとこ運動・くいしばり運動について

舌の奥の構造について
   

舌苔に対する考え方と取り組み方について
舌の上の『コケ』みたいのをとりたいのですが‥ 名前:あやの 8/23(金)14:48

『コケ』みたく舌に付着しているものが口臭の原因だと聞いたので早速
とりたいのですが、どぉとればよいのですか?
とる薬、器具が売ってるとか?
歯医者さんでとってくれるとか?
他に『とり方』みたいのがある‥とか?
教えてください。


舌苔に対する考え方と取り組み方について−1 名前:HONDA 8/25(日)01:23

過剰な病的舌苔が慢性的に付着すると、しばしば嫌気性菌群の温床となり、口臭を引き起こすガスを産生するために口臭の直接的な原因になります。
このような口臭の原因となるような、病的舌苔は内科的・歯科的・耳鼻科的な疾患と相関関係があります。
したがって、舌苔の付着状況は、身体の病的状況の診断(舌診断)として用いられます。

病的な問題がない場合でも、精神状態の悪化や・口腔生理的機能の低下・生活習慣的要因によって白苔が付着することがあります。
健康な状態の舌にも、舌表面粘膜には無数の舌乳頭が存在し、起床直後や口腔内乾燥が起こると、一時的に白っぽく、ザラザラした感じになります。
叉、内科的疾患によっては、健康的な舌乳頭(舌苔のように見える)が欠落したり、代謝性疾患・ビタミンやミネラルの不足・精神的状況・老化などによっては全く健康な舌苔(舌乳頭)が、全くつかなくなり、いわゆる「紅舌」と呼ばれる全体がピンク色になった舌になることがあり、この場合も口臭の原因になります。

この、紅舌を健康な状態と勘違いしている人が非常に多いです。
多くの人には、舌苔に関して誤解があり正常な舌苔も病的白苔と誤って、ブラッシングしたりして舌表面粘膜を損傷していることがあります。
叉、慢性的に習慣的に舌苔を取り除く結果、繊細な舌表面粘膜は常に過敏な状態になり、さらに舌苔を付着させるという悪循環に陥っているケースが非常に多いです。叉、口中の不快や異常に見える舌苔も、単に舌表面粘膜に飲食物残渣が付着しているだけの場合もあり慎重な対応が必要です。

口臭や、口中の不快に対して、医学的知識の無かった時代や、専門的知識を持たない庶民の間では現在でも民間療法的に、舌表面粘膜をへらや、ブラシ状のもので、習慣的に擦り取るという、その場しのぎ的な方法が行われています。
これは、口臭を病的なものとみなさずに、口臭はずっとあり続けるものとしてあきらめた場合に、ひどくなるごとに舌苔を取り除くという対症療法です。

多くの場合は、舌磨き自体が歯みがきと同様に習慣となって結局口臭も習慣となります。通常、口臭のない健康な人には舌を磨く習慣さへありません。

歯科系の口臭の基礎研究者は、舌苔を物理的に取り除くことを提唱していますが、ほんだ歯科では、物理的な舌磨きを禁じています。
口臭の患者の疫学的調査結果から、口腔粘膜の過敏や乾燥が口臭と密接に関連していることがわかったからで、ほんだ歯科では、異常な舌苔を発生していく医学的な理由について、色々な検査結果を踏まえた上で発生の原因の考察を行い、病的疾患が原因である場合は原因疾患の克服、それ以外の場合は、口腔生理機能を高めたり、舌の機能を充実させたり口腔内乾燥に対応していくことで、短期間(3週間)に健全な舌を作り出すことを治療としています。

ほとんどの場合は短期間で健康になり舌を磨く必要がなくなります。
これらの方法や考え方は、この掲示板でも過去に何回も説明し、解決策についてもたくさん書いています。
また、この掲示板から学び、舌苔を物理的に取り除くことをやめて、きれいな舌を回復させた人の報告は多くあります。


舌苔に対する考え方と取り組み方について−2 名前:HONDA 8/25(日)01:25
私の舌苔に対する考え方は、対症療法的に取り組もうとする歯科的な考え方ではなく、原因療法を行おうとする医科的取り組みです。
医科の領域では、内科や中医学(伝統的東洋医学)では、異常な舌苔を物理的に取り除くことなく、治療によって健全な舌に戻していきます。

この考え方を、ほんだ歯科では口腔生理学的なアプローチによって達成しようとするものです。もちろん歯科以外の理由が考えられる場合は、関連する科の医科の先生に協力を要請して異常な舌苔を発生させている病気の治療をお願いします。

そのほかに舌を物理的に磨くことで、さらに、口臭を悪化させる要因に、唾液の質の低下があります。舌を物理的に磨く習慣のある人の唾液は、正常な人に比べて明らかに異常な唾液になります。
唾液に常に舌表面粘膜の剥離細胞が含まれるために、白く濁り大半は沈殿してきます。このような人の唾液は、唾液自体が生臭く悪臭をもつために、いかに歯科的な(虫歯や歯周病など)問題がなく、かつ、歯科医院で定期的に専門的歯周コントロールを受けたとしても、唾液自体が臭いために口腔内乾燥が起こるたびに唾液由来の悪臭が口臭となってしまいます。

ほんだ歯科では、機能的な方法と口腔内乾燥を防ぐことで短期間できれいな舌を作り上げると同時に、きれいな透明な質の高い唾液を確保します。
唾液の質を高めることは、非常に重要でです。唾液の質は虫歯や歯周菌以上に口臭に影響を与えるからです。

叉、舌を磨くことのおろかさは、大学の口臭外来で指導を受ける以前から患者さん自身が無効であることを経験的に知っています。舌を物理的に磨くことで、口臭を完治させた人は皆無に近いです。もし舌を磨くことで、解決できるのであれば、口臭の悩みは過去の遺物になったはずです。

口臭が多少はあってもいいと思う場合(それほど気にしない)は、口臭と仲良く付き合い他人に不快感を与えないために、口臭が起こるたびになるべく舌表面に傷をつけないような方法で、舌苔を取るといいでしょう。
叉、例外として、健全な口腔生理機能の回復が困難である老人や病人の場合は、介護的立場からなるべく舌表面を傷つけない方法で病的過剰な舌苔だけをやさしく取り除くといいでしょう。

舌苔についての、具体的情報については口臭対策室の舌苔に関する情報を読んでみてください。



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