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食後の舌苔
舌苔について 名前:aroha 10/29(火)22:51 

カレーなどは、舌に残りやすいとききました。実際に今日のお昼に食べたのですが、そのあと、どうも舌がにおってきて、取れません。
これは、何が舌に残るためなのでしょうか?
舌にすむ嫌気性菌?の退治の仕方を教えてください。
また、つかない方法があれば、教えていただけますか?


RE:舌苔について 名前:HONDA  10/30(水)02:50

食後に歯を磨くことは、ほとんど人が勘違いしています。
食後は、何のために何を磨いているかという質問に、ほとんどの患者が正解を言えません。
食後は、一日の中で、最も口腔内の細菌の活動が抑えられています。したがって、例え、普段猛烈に臭い歯周病性の口臭を持つ人でも、食後のひと時はほとんど口臭がなくなります。(食べたものの臭気はあるかもしれません)食事直後は、プラークもありません。

食後にごしごし歯を磨いている人は、いったい何を取り除こうとしているのでしょうか?
食べかすをとることが食後の歯みがきの目的です。歯垢(プラーク)を取り除くことではないのです。菌の活動はほとんど無いのですから、菌(プラーク)を取り除くことは必要ないでしょう。

ただし、食べかすが、もしも、残ると口腔内の消化酵素によって分解を受け酸が作られ、その結果pHが低下して虫歯菌が活性化しやがて、少し遅れてプラークの形成が始まるのです。したがって、食べかすがない限り歯を磨く意味はないのです。(食事をしない限り磨く必要がない。)
ここまでの、正解を言える患者がたまにはいるのですが、さらに次の質問をするとほとんど全滅になります。つまり、ほとんどの人が食後の歯みがきの意味を間違って解釈しているし、できていないのです。

食後の歯みがきの意味はプラーク(歯垢)を取り除くことではなく、やがてはプラーク形成に結びつく食べかすを取り除くことがわかっても、「食べかすがどこにあるか?」と質問をされて、正解を答えられない場合は、歯を磨く意味がなくなります。多くの人は、食べかすは「歯の隙間にある」と答えます。
しかしこの答えは間違いです。
大半の食べかすは、歯の隙間などにはなく、舌の上と歯茎と頬粘膜の隙間にあります。

それを示す実験です。

カレーを食べて、いつものように歯を磨き10分後に舌を思い切り突き出してみてください。舌はカレー色になっているでしょう。つまり、大半の食べ残しがそこに残っています。

さらに、牛乳を飲んで、いつものように歯を磨くといいでしょう。当然歯の隙間には牛乳はありませんが、舌の表面には白く牛乳が残っているはずです。
牛乳は硫黄を含むので、もしも舌の上に残ったままにすると臭い口臭を作るでしょう。

食後の口臭で悩む人は、歯ばかりゴシゴシ磨いて、ほとんどの食べ残しを舌や粘膜に残したまま、歯を削るばっかりで知覚過敏になり、しかも、思い切りうがいをするので、食後の大切な唾液を失い口腔内は乾燥に襲われ口腔内のpHは急速に低下して、食後1時間くらいで口中の不快に襲われたり口臭を引きこし、歯を磨いている割に虫歯になってしまいます。

さらに、研磨剤によってエナメル質を削るのでクサビ状欠損(歯茎に近い部分のエナメル質がくさび状に歯が削られる)を起こしたり、知覚過敏(水がしみるなど)を起こします。

これらの、欠点を補うためには、食事後の口臭の悩みに対する対応策と、口腔生理学的な考え方 を実践すると良いでしょう。

飲食後の食べ残しは完全に取り除かれ、歯みがき剤はいらないし、食後に大切な恒常性を維持するための唾液の確保ができるので、食後の口腔内環境は非常に安定するし虫歯の予防効果は非常に高いでしょう。さらに、知覚過敏は絶対残らないし、外食してもいつでもどこでも実行できます。金もかからない。

毎食後に、歯みがき剤で磨くのは、商業的方法で、口腔生理を考えると虫歯と知覚過敏を進めて歯みがき会社と歯医者を喜ばせるだけで、細菌学的には何の意味もないでしょう。
一度先進諸国に旅をしたら、たとえばニューヨークのオフィスビルを訪ねて、昼時に女子トイレに入ってみるといいでしょう。
日本のOLみたいに、マイ歯ブラシとマイ歯みがきを握り締めてマイフロスでゴシゴシ・・・まるで電線の雀のように連なって歯を磨いている光景は見ないでしょう。日本では、その割りに食後の口臭がする人が多い。

欧米では、食後はガムを食べます。食べかすが全て除かれて、かつ、豊かなきれいな唾液が確保できるので、食後の口腔内生理はきわめて安定し、酸性に傾いた口腔内環境はすぐに安定した状態に復帰します。知覚過敏も起こしません。キシリトールガムなら最高でしょう。虫歯の予防にもなる。
(私はガム会社の肩を持つわけではありません。あくまでも、口腔生理学上の見地です。)

また、歯医者の集まる学会会場に行ってみるといいでしょう。昼食後にトイレにこもって一生懸命歯を磨いている歯科医はほとんどいません。

歯みがきは歯ブラシや歯磨き剤で磨くのではなく、なぜ、どんな目的で、何を磨くのか?ということを考え頭を使って磨くのです。
日本は、歯みがき剤の種類や歯ブラシの種類や販売量と歯医者の数は世界一ですが、虫歯の数と80歳になった時の歯の数は発展途上国並です。
よく考えて、意味のないことはやめた方がいいです。金と労力の無駄になるばかりか、虫歯を助長させ、ひいては、口臭を引き起こしやすくなります。

食後に歯を磨いたのに口臭が気になる人は要注意です。



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