アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(5)
Dr. Richter との対談(自臭症としぐさの問題)




アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(5) Dr. Richter との対談(自臭症としぐさの問題) 名前:HONDA 11/10(月)17:43
■自臭症の問題・・しぐさなどについて■

H:実際に口臭治療をやってみると、患者の大半は口臭ガス測定では普通の人たちの口臭レベルよりもはるかに低い数値しか示さない、自臭症の人が多いです。また、初診のときのインタビューでも、会話距離では臭気を認めることは非常に難しい人が大半です。
大半の人が、自覚的な問題を抱えていたり、生理的口臭でやってくる人が多いです。アメリカではどうなんでしょうか?
R:アメリカも同じだよ。80パーセントの人が自臭症です。

H:ほんだ歯科の患者の自臭症の割合とほぼ一致しています。先生はそのようなケースの治療ではどのように対応されているのですか?

R:原則として、そのような自臭症に対しては、最近は「確かに会話距離で臭いと証言する人」を同行させて治療することにしている。第3者の証言が得られないケースは治療を行わない。

H:なるほど、日本ではそのように第3者の証人を同伴させることは難しいです。しかし、私もできる限り夫婦や、恋人同士、親子など協力の得られる限りは身近な人を同伴してもらって治療することにしています。先生は彼らの訴えについて、どのように思いますか?

R:精神的な幻覚であることが多い。特に見知らぬ人とすれちがった時に「臭い!」といわれたというような訴えをする場合は、明らかに幻覚だと考えられる。


H:私は、彼らは実際に感じていると思います。日本人の大半の人は他人の口臭も気にしていますが、自分で自覚したり生理的口臭にも不安を持つ人が多いのです。彼らのそのような証言は不安の表れではないかと思います。

:先生は、そのような患者に対してどのような治療をしているのですか?

H:多くの患者は精神不安から常に口腔内を緊張させていることが多く、無口のまま生活をするために緊張に伴って口臭を引き起こすことが多くなったり、その結果口腔内生理が不安定になっていることが多いので、緊張緩和の訓練や、基本的な口腔生理機能の回復を主体とした治療とカウンセリングを行っている。
さらには先生と同じように独自の漢方系のプロダクトを開発し治療に使用し、ClO2製剤によるブレスコントロールを平行して治療を行っている。

R:面白い取り組みだと思う。実際の治療方法について説明してほしい。そのプロダクトのサンプルを送ってほしい。
・・・ほんだ歯科での治療プロトコールを説明した。

R:なかなか、興味ある方法だと思う。是非データーをまとめてアメリカのペーパーで発表してほしい。

H:現在準備を進めています。

・・・Dr.Richterと共に、臨床手法についてアメリカの学術誌への発表を共同で行うことを約束した。

H:さて、わずかな確率ですが、口腔内ガスではなくて呼気に問題があるケースがありますが、アメリカでは多いですか?私のクりニックでは数パーセント存在します。

R:私は医者ではないので、その辺はよくわからない。魚臭症を含めて内科的な口臭について研究している ペンシルバニア医科大学の G.preti先生を紹介しよう。彼は内科的な呼気性の口臭に非常に詳しいから会ってみるといいよ。彼の最新の論文を読んでみるといい。

・・・・G.preti 先生を紹介され近日中に訪問しディスカッションすることにした。また、Dr.Richter先生から彼の最新の論文を頂いた。

H:日本では大半の人が、他人の口に手を持っていくしぐさや、鼻を触るしぐさを見て自分に口臭があるのではないかと不安に思う人が多いのですが、アメリカではどうでしょうか?そのような訴えは多いのでしょうか?もともと、日本人は昔からしゃべるときに口を隠す習慣が美徳とされることもあり、口臭に反応するしぐさではないのですが・・・

R:アメリカでも一緒だよ。患者の多くは会話中に相手に咳き込まれたとか、口に手をあてられたとか、鼻に手を持っていったとか・・そのような訴えが一番多い。

H:日本人もアメリカ人も同じような悩み方をするんですね。通常アメリカ人は日常的に口に手を当ててしゃべる人は少ないですよね。

R:そんなことはないと思う、別に意味もなく口に手を当てたり鼻をこすったり鼻をすすっている人は結構いると思う。

H:アメリカでも日本でもセンシティブな性格の人が口臭について悩むのですね。

R:性格的な要因はかなり影響すると思う。神経質な気質を持つ人は口臭について悩みやすいと思う。しぐさに対する不安は、不安感から来る関連付けと考えられる。

H:それは同感です、しぐさに対するカウンセリングを行うことは重要だと思います。


追加 名前:HONDA 11/10(月)18:17
Dr.Ricterは10000人以上に及ぶ臨床経験から、患者たちは日本人と同じような訴えをすると証言した。

会話中に相手が口や鼻に手を持っていくしぐさ、鼻をすするしぐさ、咳き込みに対して極度の不安と緊張を感じてしゃべれなくなったり、精神的に落ち込んでいくアメリカ人の口臭患者の訴えは、そのまま日本の場合にも当てはまる。

口臭を気にしていない人は、そのようなありふれた光景は、見たことを覚えていない。(記憶として残らないし、覚えてもいない。)が、気にしている人は、注意深く観察しているので、そのほかの色々なしぐさについては、何も覚えていないが、口臭に反応したと思える光景については、脳裏に焼きつきいつまでも覚えていることができる。
しばしば、患者はいつ誰に、どこで、そのようなしぐさをされたかを克明に証言できる。
通常かなりの過去に見たことを正確に証言しようとすれば、かなりの集中力を持って観察して記憶にとどめない限りは証言できない。(これは、犯罪捜査における目撃者証言の不確かさでもはっきりしている。)

この現象を、精神医学的には「関連付け」と呼ばれている。特定の思い込んだ不安と思っているしぐさのみしか目に入らない現象を言う。

日本人の場合は、自分自身の口臭を気にしている人は、相手が接近してくると、相手に自分の口臭を悟られることから防衛するように、思わず口に手を持っていったり口と鼻をふさぐしぐさをしたり、のけぞったり(相手から離れようとする)する人が非常に多い。

また女性では、口元を見せずに会話することが美徳と考える文化風土がある。
おかま(ホモ)を意味するジェスチャーでは口に手を当てるしぐさで表現することでも、女性は口に手を当てるという概念を象徴している。

患者たちは、他人のこのようなしぐさに対して非常におびえているが、初診では患者自身が、同じしぐさを頻繁に行うことが多く、この頻度は一般の歯科患者に比べて圧倒的に多い。
自分たちのしぐさが、会話のたびに相手にも不安感を抱かせていることに気がついていないことも多く、「相手に口臭が届いてはいけないから」と正当化することが多い。

多くの一般歯科の患者は、チェアーに座ったときに、ほぼ、ヘッドレストに頭を乗せた体勢で会話するが、口臭の患者の大半はヘッドレストから外れた遠い位置に頭があることが大半で、会話時に必要以上に距離をとろうとしていることが多い。(回避行動)

しぐさに対する不安は、日米共に共通した傾向であるが、患者たちは自らのしぐさについては客観視できていないことが多く、このことは自分自身の口臭で悩んでいる人が多い現実を考えると、患者自らの回避行動が相手をして不安にさせていることも多く、お互いピンポンするように不安感を与えているように思われ、このことがコミュニケーション阻害の要因になっているとも考えられる。

患者は相手に接するときに、口に手を当てたりのけぞったりという回避行動をして会話をスタートさせ、その時に相手も同様のしぐさを行うと、さらに緊張感を高めて緊張時口臭を誘発し、悪循環に陥る事が多いと考えられる。

これから、冬になると寒冷刺激によって鼻症状を呈する人が多く、咳き込んだり鼻水をすすったり、寒いから口に手を当てる人も増えるので、自臭症の人にとっては試練の季節がやってくる。

春と秋は花粉の季節で、同様のしぐさをする人はもっと増える、都会では一年中、スモッグに出遭ったり、あるいは換気の悪い部屋で過ごさなければいけないような住宅事情がある。このような日本の季節風土は口臭に悩む人にとっては一年中つらいのかもしれない。


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