アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(7)
Dr. Richter との対談(病的鼻臭のケース)



題名:アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(7) Dr. Richter との対談(病的鼻臭のケース) 名前:HONDA 11/13(木)12:15

R:通常鼻臭は口臭よりもはるかに低い濃度レベルなので、我々の鼻で認知することは不可能だが、官能的にも、ガス測定でも鼻臭の方がレベルが高いケースを実際に経験したことがある。これは、そのときのカルテで、この臭気測定結果を見てほしい。



赤いAとBのラインはAが口臭ガス・Bが鼻臭ガスのハリメーターの数値だ。治療を開始していっても鼻臭ガス濃度の方が口臭ガス濃度を上回っている。鼻臭が解決できた3回目の治療で口臭ガスのハリメーターの数値と、鼻臭ガス濃度は一緒になった。
青いCのラインは、口臭の官能試結果を示している。3→2→1と変化している。
緑のDのラインは鼻臭の官能検査の結果だ、初診では「5」という耐え難いレベルの臭気を感じた。2回目の治療でも「4」というレベルでかなり悪臭であったが、問題解決後の3回目は無臭となった。
つまり、この患者のケースは、鼻臭が病的で鼻臭由来の口臭だった。口臭も耳鼻科的な問題の解決に伴って減少していった。


H:この患者は、どのようなことが原因だったのですか?そしてどのような治療で改善したのでしょうか?

R:原因だが、このパノラマ写真を見てほしい。よく見ると、患者の右側の上顎洞に大きな白いもやもやとした影が見えるだろう.右の写真の赤いまるで囲った部分だ。


これは、いったいなんだと思う?

H:境界が明瞭なので石灰化したものでしょうか?

R:違う。これは、この患者は以前に耳鼻科で、上顎洞炎(蓄膿)の手術を受けていたんだ。そのときに、誤ってガーゼが残されたままになっていたんだ。その結果、鼻に炎症を抱えてひどい病的鼻臭になった。
治療では、手術によってガーゼを取り除いた。その結果鼻臭の問題も、口臭も解決していったのだ。


H:つまり、医療ミスですね。
R:そうだ。これは、後に医療訴訟に発展したよ。

H:先生は法廷で証言されたのですか?

R:証言したよ。だから、このようなケースを見ても、耳鼻科的な問題で起こるという病的口臭は、実際には非常に特殊なことなんだ。実際には、そのような病的鼻臭も耳鼻科的にもめったにないことなんだ。患者の訴える鼻臭は、先生も気がついているように、そのほとんどが口腔由来の鼻臭なんだよ。

H:患者は、そうとも知らずに、歯医者に行っても耳鼻科に行っても鼻臭は解決しないことが多いのですね。鼻臭に真剣に対応しようとする口臭専門医が少ないし、特に日本では、歯科医は耳鼻科的なことには疎い先生が多いことも原因ですね。

R:それは、アメリカだって同じです。

H:口臭治療における鼻臭に対する訴えに対する対応の重要性を改めて認識しました。

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