アメリカ口臭治療・最前線レポート(11) Dr. Richter との対談−1


アメリカ口臭治療・最前線レポート(11) Dr. Richter との対談−1 名前:HONDA 12/5(金)10:44
■提携クリニック制度について・・・問題点と展望■





H:かつて、アメリカには多くの口臭クリニックが乱立していましたが、現在ではその数はかなり減少していると思うのですが、、先生の提携クリニック制度はどうだったのでしょうか?先生のところで研修を積み口臭クリニックを展開された先生は非常に多かったと思いますが。

R:せっかく教えても、ドクターの思惑や熱意・能力がまちまちで、ドクターによってはプロダクトを配るだけに終始して十分な治療ができない人が増えて、クリニック全体の質を安定させることが難しい。結局はクリニックの治療の質を管理することが難しい。

したがって口臭クリニックの質のばらつきがひどくなっていった。

現在は、本当に治療できるクリニックだけが生き残っているのが現状だ。問い合わせがあれば、そのようなクリニックを紹介している。しかし今だに、私のところにはアメリカだけでなくヨーロッパからも治療に来る人が多い。




H:私も評価を問いながら治療方法を公開していますが、口臭治療を普及させるために、今年の6月から、希望する先生を指導して提携クリニック制度を作り、ほんだ方式の口臭治療展開を開始しています。現在すでに国内で30クリニックが治療を開始しました。各地で提携クリニックができるたびにマスコミ報道されるようになりました。とりあえずスタートさせてみて、もし治療プロトコールに問題があっても多くの先生が展開することにより修正されていくと思います。



R:それはすばらしいことだ。しかし、クリニックの治療の質の安定や管理はどうやっているのですか?それが一番難しいと思うが・・

H:アメリカの制度の場合は、学ぶ場合には授業料や提携費用として3000ドルくらいの費用が必要だったと思うのですが、私の場合は情報公開と評価を仰ぐ目的で、無償で指導しているし、提携後も提携費用も徴収していません。

ただ、先生方の治療に対する熱意をはかり、確実にほんだ歯科で一定のカリキュラムを消化されしっかりと学ばれたクリニックに対して提携クリニックとして承認しています。

その上で、必ずしも治療を成功させるとは限らないし、先生方も自信を持って治療してもらいたい為に、治療上のサポートや経営面に対する指導まで無償で行っているのです。また、ほんだ歯科のブレーン集団となっている各企業や研究者たち・精神科医なども支援できる体制をとっています。提携クリニックが手におえなくなった難症例についてはほんだ歯科で治療を継続させています。今のところ問題なく解決できています。

そうすれば、まやかしの治療を行うクリニックや治療レベルの低いクリニックがあった場合は、一方的に提携クリニック関係を破棄することができます。

また口臭治療方法については日進月歩ですし、口臭測定器やプロダクトの開発も進んでいるので新しい技術や新しい知見について優先的に指導を続けていき、全体としてスタディーグループを形成して安定して質の保証を行っています。つまり、私のクリニックは先生のクリニックと同じようにセンター的役割を果たすようしています。患者分散ができる分、ほんだ歯科では先生方を指導育成することと研究開発の役割と提携クリニックのトラブルシューティングの機能を持つようになって来ました。



R:そのシステムはすばらしい方法だと思う。アメリカではクリニック間の質のばらつきが大きく自然淘汰されていった。

H:アメリカで起こったことの失敗から学んだのです。当初から産業界・学術・臨床をタイアップして、ほんだ歯科の口臭治療展開をスタートさせたのです。
アメリカ口臭治療・最前線レポート(11) Dr. Richter との対談−2 名前:HONDA 12/5(金)10:45
H:さて口臭領域の審美的領域への発展はどうでしょうか?現在提携クリニックの間で試験的にマーケティングを開始しているのですが。すでに、一部の提携クリニックでライトな悩みを持つ人たちを対象とした審美領域へのアプローチを試行しています。

R:アメリカでは一般市場がすでにその役割を演じているので、クリニック展開では難しいと思われる。ホワイトニング市場と似ている。

H:確かに昨日ニューヨークのソーホー地区の専門店の視察しましたが、ブレスケアー市場はホワイトニング市場と同じほどの規模に成長していますね。2年前の調査とは違った製品も多かったですね。

R:これからもその傾向は続くと思われる。ホワイトニングとブレスケアーは一体のものとしてニーズがあるだろう。

H:日本の企業からは、似たような製品しか開発できず、新しいノウハウに行き詰っているという声を聞きます。ほんだ歯科で行ったマーケティング情報を市場関係者に還元するようにしています。これから、日本の市場もどんどん新しいブレスケアーシステムが製品化されていくと思います。



H:日本では、口臭に対しては指導者層が生理的口臭などは気にしなくてよいという風潮もあり、風土的あるいは文化的に口臭をきれいにすることは審美であるという概念が歯科医療サイド自体になかったように思います。

ただ、日本のオーラル市場のマーケティングでは、この4年間にブレスケアー商品市場は、リサーチではオーラルケアー市場は縮小傾向にあるにもかかわらず市場規模は2倍に拡大してきています。一般消費者のニーズには高いものがあると思います。

このような社会のニーズを歯科業界が把握できていないように思います。



R:それには、十分な啓蒙が必要と考えられる。歯科業界がそのような概念をキャンペーンを行うことが重要と思われる。

また、教育の問題もあると思うし産業界の育成も重要とおもうが・・アメリカでは歯科医が産業界をリードした。




H:日本ではようやく、大学の研究も産学協同での研究の重要性が認識されるようになって、大学自体が法人化されて今後は社会利益に直接反映できるような研究が開始されるようになろうとしているところです。



R: Dr.Mel Rosennberg先生以来、アメリカでも歯科だけでなくほかの医学領域からの口臭基礎研究がどんどん進んできている。このような基礎研究も大切なことだ。我々には歯科以外のことはわかりにくい。この本を寄贈するよ、これは Dr.Mel.rosennberg先生の書かれた BAD
BREATH Research Perspectiveの最新版です。日本ではどうだろうか?




H:日本では、まだまだ歯科以外の精神科医や耳鼻科医、内科医、基礎系医学者の本格的な口臭研究への参入は遅れています。

11月から、私も再び医科大学の医学部細菌学教室に籍を置き基礎研究を指揮することになりました。また、関係してる精神科医の先生方にも口臭治療研究への参加を呼びかけているところです。

アメリカの口臭臨床とは10年以上の開きがあると思います。歯科領域が口臭治療領域を独占しようとする限りは、進歩は遅いでしょう。逆に他の領域の医科の研究者や臨床医が口臭を手がけるようになると飛躍的に口臭治療は進歩すると思います。




[口臭の悩み 解消のヒント]  に戻る