口臭は、本来誰にでもあるものです。特に、起床時や空腹時などは、唾液の分泌が減少するために口腔内環境が悪くなり、生理的口臭が発生します。 しかし、他人の口臭は気になるもの。 平成5年に行われた旧厚生省の調査によると、歯科に関する関心事項の中で、口臭については18.5%という結果が出ているそうです。口臭を自覚する人は、男女を併せると約80%。そのうち、口臭を常時自覚する人は、これも男女併せて約13%とのこと。 一方、口臭を指摘された体験を持つ人は、男女併せて41%。これに対し、他人の口臭が気になる人は、男性で41%、女性で43%。なんだか、お互い様、という印象ですね。 でも、自分が全く気付かないのに「臭いね」と言われたら・・・ 相当のショックですよね。 しかし、指摘された後にどうするか、は、その人の性格によって大きく異なるようです。全く気にしない人もいれば、密かに悩み続け、次第に他人を遠ざけて、ついには引きこもってしまう人もいます。 ですから、他人の口臭が気になったとしても、無責任にそれを指摘することは避けるべきです。ただ、本人が全く自覚していない口臭は、歯科的原因のことが多 く、適切な治療を受けることによって治ります。ですから、口臭に関する正しい知識を持った上で、「自分が迷惑をこうむっている」という態度ではなく「あな たの場合は何か病気があるかも知れないから、病院へ行ってみたら?」というスタンスで指摘すべきだと思います。そして、その後、口臭が治った場合には、一 緒に喜んであげるべきでしょう。 また、口臭が気になる相手が自分の家族の場合は、どうでしょうか。 もしも明らかに口臭が感じられるならば、本人の健康維持のため、そして、社会生活を健全に営むために、相手に気遣いながら、しかし率直に口臭を指摘すべきでしょう。そして、解決のための努力を一緒に行うことを約束してください。 |