フリースタイル競技の概要
 


1960年代全米各地でアトラクションとして観客を楽しませていた自由なスキーがこの種目のルーツとされている。1979年にFIS(国際スキー連盟)に正式種目として認定され、モーグル、アクロ(バレエ)、エアリアルの3種目が行われていた。現在ではモーグル、デュアルモーグル、エアリアル、スキークロス、ハーフパイプ、ビッグエアの種目がある。

モーグル種目    

コブ斜面を正確かつダイナミックなターンで滑り降り、途中2回のエア(ジャンプ)を演技する種目である。モーグル競技には重要な3つの要素がある。ターン、エア、スピードである。ターンはコブ斜面をいかに正確にかつ攻撃的に滑るかという要素である。エアはコース途中2カ所に設けられたジャンプ台を利用してさまざまな空中演技を行う。スピードはスタートからゴールまでにかかった時間を計測しする。


1人ずつコースを滑り、その滑りを得点化して評価する。通常、予選と決勝があり、予選通過者は8〜16名で、試合によって異なる。

モーグル種目の採点方法

モーグル種目は重要な3つの要素(ターン、エア、スピード)の合計点で順位が争われる。
合計点は30点で、ターンが15点、エアが7.5点、スピードが7.5点満点であ
る。

通常は5名の審判が評価を行い、そのうち3名がターン、2名がエアの採点を行う。

ターンは以下の4つの要素を評価される。

  ・フォールライン(スタートからゴールまでの最短距離)を外さずに滑っているか、
  ・可能な限り接雪し、エッジを使ったカービングターンになっているか。
  ・コブからの衝撃を上手に吸収しているか。
  ・上半身は安定しているか。
  ターン審判の持ち点は1人5.0満点であり、3名の審判が出した得点を足し合わせたものが
  
競技者のターン得点となる。

エアは通常1回の試技で2回ジャンプを行う。さまざまな種類の技があるが、それぞれに難度があり、得点は技の難度に出来映え(フォーム、高さ、ランディング)をかけて求められる。2004シーズンより頭が足よりも下になるサマーソルト系の技が解禁となり、より複雑で難易度の高い技が続々登場している。

エア審判の持ち点は1回のジャンプにつき2.5点満点であり、それに難度点をかけたものが1回のジャンプの得点となる。1回のジャンプで最高3.75点が満点であり、最高で2のジャンプまで評価するのでエアの得点は7.5点満点となる。2名の審判が出した得点の平均が競技者の得点となる。

スピードはスタートからゴールまでにかかった時間を計測し、コースの長さによって決め
られたペースタイムとの比較により得点化される。

  計算式
   ペースタイム
          ペースタイム=コース全長/7.7(女子)
          ペースタイム=コース全長/9.5(男子)
   得点
      スピードポイント=13.625ー8×(競技者のタイム/ペースタイム)

オリンピックや全日本選手権など大きな大会では7名の審判で行われる場合がある。



デュアルモーグル種目

モーグル種目とは異なり、コースを左右にわけ、2名が同時にコブ斜面を滑り降りる。審判はどちらの滑りが良かったかを判断する。トーナメント方式で争われ、ダイナミックさだけでなく駆け引きも大きな見どころとなる。競技は予選ー決勝方式で行われ、予選はモーグル種目と同様にして1名づつ滑り、決勝が2名づつ滑るトーナメント方式となる。

エアリアル種目

大きなジャンプ台からスキーを履いたまま空中に飛び出し、その演技を競うのがエアリアル種目である。エアリアル競技には重要な3つの要素がある。エア(ジャンプの高さ)、フォーム、ランディング(着地)である。通常1回の試合で2回ジャンプを行い、その合計得点を競う。さまざまな種類の技があるが、それぞれに難度があり、得点は技の難度に出来映え(エア、フォーム、ランディング)をかけて求められる。

現在の最高難度は3回転5回ひねりという技である。

エアリアル種目の採点方法

エアリアル種目は重要な3つの要素(エア、フォーム、ランディング)の合計点で順位が争われる。審判が出す評価点の合計点は30点で、エア&フォオームが21点、ランディングが9点満点である。

通常は5名の審判が評価を行い、そのうち3名がエア&フォーム、2名がランディングの採点を行う。

エア&フォームではジャンプの高さ、踏切、空中姿勢を評価し、3名の審判の得点を合計したものが評価点となる。
ランディングでは着地の姿勢を評価し、2名の審判の得点平均を3倍したものが評価点となる。

オリンピックや全日本選手権など大きな大会では7名の審判で行われる場合がある。


スキークロス種目

スキーを履いて行うモトクロスのような競技である。途中にバンク(カーブの外側が壁になっている)やテーブルトップ(ジャンプ台)、ウオッシュボード(波状になった斜面)のあるコースで4〜8名の選手が一斉に滑り出し、ゴールへの到着順位を競う。試合は予選ー決勝方式で行われ、予選は単独滑走のタイムレース、決勝はトーナメント方式である。

ハーフパイプ種目

スノーボードのハーフパイプ競技と同様である。

ビッグエア種目

エアリアル種目と似ているが、より自由度の高い演技種目となる。