【概要】
東京帝国大学史料編纂所が、史料編纂のために諸家に所蔵されている赤穂事件の関係文書を採訪したもの。東京大学史料編纂所架蔵影写本。内容は次の通りである。
巻 | 所 蔵 者 |
---|---|
上巻 | 播磨国赤穂郡坂越村奥藤研造氏所蔵(10通)、同濱市村寺下甚七氏所蔵(1通)、同相生村海老名源三氏所蔵(3通)、同坂越村生浪島岩雄氏所蔵(1通)、同上仮屋町入江耕蔵氏所蔵(1通)、同折方村浄専寺住職機谷善聴氏所蔵(3通)、土佐国土佐郡帯屋町尾崎學古済氏所蔵(1通)、播磨国明石郡大蔵谷村小野兵太郎氏所蔵(4通)、同赤穂郡加里屋町豊岡與一氏所蔵(6通) |
中巻 | 播磨国赤穂郡加里屋町三木弥次郎氏所蔵(52通) |
下巻 | 播磨国赤穂郡加里屋町三木弥次郎氏所蔵(1通)、同新濱村正福寺所蔵(22通)、東京市神田区淡路町神田孝平氏所蔵(1通)、肥後国八代郡八代町堀内勝芳氏所蔵(18通)、東京市芝区高輪町泉岳寺所蔵(1通) |
すべて原本から影写したもので、赤穂事件のみならず四十七士個人の性格を知る上でも貴重な史料である。例えば大高源五忠雄の「丁丑紀行」なども収められており、忠雄の文芸を知ることが出来るし、堀内勝芳氏所蔵の「義士墨跡」は堀内伝右衛門勝重が細川家御預の義士たちから一筆乞うて貰ったものであり(原本は現在赤穂市立歴史博物館所蔵)、泉岳寺所蔵の「吉良家家臣首請取状」は赤穂事件を知る上では重要な史料の一つである。現在では所在不明の史料も影写されているので、貴重である。この史料は省みられることはなかったが、八木哲浩氏が『兵庫県史4巻』にてこの史料の存在を紹介された。
【所蔵者】
東京大学史料編纂所架蔵(影写本)
[閲覧]可(ただし、事前に閲覧申請の要有り)
【参考文献】兵庫県史編集専門委員会編『兵庫県史』4巻(昭和54年、兵庫県)
(001 2000/09/09)
(2000/10/30)
トップへ