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VERSION .10 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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■■■■ 語り部サプリメント計画 「Air Combat and AIDoL」■■■■■
■■■■ サプリメントネーム 「Humming Bird」■■■■■
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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 作成:SW0070 ウォーレン大尉 ■■
------ 参考文献 ----------------------------------------------------
ISBN4-8291-2503-9「アイドル防衛隊ハミングバード ACT1」吉岡 平
ISBN4-8291-2570-5「アイドル防衛隊ハミングバード ACT2」吉岡 平
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■■■エピソードとは?■■■
TRPGのルールである「語り部」は、その名の通り物語を語ることが出来るシ
ステムです。その語り部の能力を生かして、パソコン通信のようなネットワー
ク上で自分の好きなキャラクターを自由に作り上げ(「語り部」にはポイント
振り分けやダイスによる制約などは全くありません)、そのキャラクターを使っ
て「物語を語る」ことが出来ないでしょうか?
このようなコンセプトで生まれた創作形式が「エピソード作成」です。
「エピソード」とは、登場人物の会話で物語を進めていってしまうもので、
劇の台本と言ってしまうと非常に良く分かるかと思われます。普通の小説と違
うのは、会話と、状況が変わった時の少しの説明書き(”……この後、@@に
て”といった感じ)だけで進めていくと言う事です。細かいことを書き並べて
も解らなくなるだけだと思いますので、サンプルのオリジナルエピソードを一
つ作ってみました。
「はは〜ん、こんな風に作るんだな」という事がわかっていただければと思
います。以下、幾つかの注意事項の後、本文に突入します。
■■■注意事項1 : 登場人物注意事項■■■
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エピソードには当然登場人物が必要です。語り部のキャラクタシートを元に
エピソードを作っていくのですが(その逆で、エピソード内で派生した人物の
キャラクタシートを作ってもよい)、主人公や話に大きく関ってくる人物以外
は、固有名詞を付けないほうが良く解ります。
例えば、学校で何の変哲もない日常会話をしている時、友人の名前を「芳子」
「秀樹」「雅浩」などと羅列してしまうと、非常に見難く、主人公クラスのキャ
ラクターの色が褪せてしまいがちです。このような場合は「友人1」「友人2」
といった感じで表現したほうが良いでしょう。
当ハミング・バード・サプリメントにおいてだと、支援を求めていた戦車部
隊の隊長のおっさんと会話する時などがそうですね。そのおっさんが@@@で、
じつはその後に……などといった伏線を作らず、その場だけ出てくるのであれ
ば、名前をあえてつけずに「戦車兵のおっさん」といった名前で良いでしょう。
また、登場人物は「キャラクタシートがあるから参照しろ」では、あまりに
も突き放しすぎです。エピソードの最初に「登場人物一覧」などと称して、重
要な登場人物についての説明書きを書いておきましょう。
■■■注意事項2 : ト書き注意事項■■■
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基本的にエピソードは会話文だけで進行されます。しかしながら、大きく状
況が変化した場合などや、続きもののエピソードの最初の場合など、数行程度
で構いませんから、そこから読み出しても理解可能なように、ト書きを入れま
しょう。
■■■注意事項3 : 人物紹介■■■
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エピソードはキャラクター同士の会話がメインであり、そのためバラエティ
に富んだPC(プレイヤーキャラクター)やNPC(ノンプレイヤーキャラク
ター)が出現するでしょう。しかしながら、キャラクター作成の経緯を知って
いる人や出現の由来を知る人ならともかく、作成過程を知らない人が読むとな
るとさっぱりわからなくなりがちです。
そこで、エピソードを書いた後に文頭に人物紹介を入れましょう。漢字で人
物名、そして()で括って読み、最後に簡単な種別を書くと、見易いかと思わ
れます。また、文中でもセリフやちょっとした動作によって人物の個性を表現
することも心掛けるようにしまょう。
長いエピソードなどでは、
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人物名 :●○ ★☆ (読み)
紹介 :@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
人物名 :●● ■■ (読み)
紹介 :@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
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と言った形式で、より詳しい説明を書くのもよいかと思われます。
以下のエピソードで例を挙げて説明すると、以下のようになります。
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人名:早坂 笹恵(はやさか・ささえ)
紹介: 航空自衛隊第122スコードロンの迎撃戦部隊の飛行副隊長を務
める若干19歳の女の子。使用機種はF14A"Tomcat"で、マー
キングはサイドの空気取り入れ口が青く塗られていること。性格
はきつめであるが、女らしい一面も時々見せる。忘却癖がある。
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■■■サンプル・エピソード 「”アイペック大阪会議”の巻」■■■
★登場人物
早坂 笹恵(はやさか・ささえ) :民間航空自衛隊のアイドルパイロット
早見 勇 (はやみ・いさむ) :民間航空自衛隊のアイドルパイロット
取石 神無(とれいし・かんな) :民間航空自衛隊のアイドルパイロット
クリトン :ア@リカ合衆国の大統領
エアフォース1 :アメ@カ合衆国大統領専用機
IPEC(アイペック) :環太平洋諸国経済閣僚会議
●始まりはいつも……
笹恵 :「あー疲れた………」
勇 :「よぉ、姫様は御帰還かい?」
笹恵 :「もう、死にそ…………」
勇 :「なんだ?姫様らしくねぇな」
笹恵 :「昨日チェック入れたはずの火器官制システムが、今日の
:戦闘中にまた調子悪くなったのよ。敵対距離6Kmで敵機の
:真後ろに付いてるのに、AIM9"Side Winder"のシーカー
:が反応しないの。グロールトーンはずっとブーブー言って
:るだけだし……」
勇 :「またか。まぁ、何とかその場をきりくけてかえってきた
:からここでこうして話してられるってわけだろ」
笹恵 :「……あんた、人がどんな苦労してMIG29"Fulcrum"
:と空戦してきたか、全く考えてないでしょう? 大変だっ
:たのよ! あの運動性能相手だと」
勇 :「悪いこたぁいわねぇ。俺みたいにF16"Fighting Falcon"
:に乗り換えろって。運動性は神にも等しい能力を与えてく
:れるぜ?」
笹恵 :「あんたねぇ、全く解ってないでしょう?私は制空ミッショ
:ンしか出撃しない。だから、今使ってるF14A"Tomcat"
:がいちばん性に合ってるのよ。あんたなんかに心配されな
:くても、ちゃんとF14D"Super Tomcat"へのアップグレー
:ドの計画も立ててあるし、陸上軍が攻めてきても、あんた
:が出撃してる間にBom-Catへの火器官制装置の換装ぐらい
:やってしまうわよ」
勇 :「ったく人が心配してやってんのに……ブツブツ……」
笹恵 :「あら? 何か言った?」
勇 :「……何も言ってねーってばよ……ハァ」
笹恵 :「何溜め息なんかついてんのよ。あ、そうだ!」
勇 :「あん?」
笹恵 :「明日なんだけど、わたし明日から始まる”アイペック大
:阪会議”のコンパニオンガールとして、クリトン大統領の
:大阪案内に付き合わなくっちゃならないのよ。まぁ、自衛
:官ということで、名実共に”国民的美少女”ってなってし
:まったんだから、しょうがないんだけどね。
: あたし結構ミーハーなところあるから、こういうの好き
:だし。……だから、明日スクランブルがかかったら、悪い
:けど防空担当のあたしの部下引き連れてあがってくれない?」
勇 :「(自慢げに)ああ、それなら問題はないさ」
笹恵 :「どして?」
勇 :「警察のヘリコプタ部隊だけじゃおっつかないって言うん
:で、明日から給油機を繰り出しての、大規模なアイペック
:特別空中パトロールが実施されるからな。
: 在日米軍のE3A"Centry"なんかも警戒に加わってくれ
:るって言うから、さすがの某国も、アイペックの期間中は
:領空侵犯してこないだろう」
笹恵 :「………そう言えば”アイペック特別空中警戒! 自給@
:@万円より”って広告が広報課から送られてきてたような
:気がしないでもないような……」
勇 :「笹恵……郵便物全然まじめに読んでないだろう?」
笹恵 :「うん……でも、昨日神無から電話がかかってきて、教え
:てくれたから」
勇 :「神無ちゃんって、あのハミングバードの?」
笹恵 :「そう。高校時代の同期なのよ、彼女とは」
勇 :「でもよぉ、神無ちゃんが教えてくれなきゃどうなってた
:の?」
笹恵 :「大統領相手にスクランブル【緊急発進】だったかもね(笑)」
勇 :「………オイ、笑い事になってねーぞ」
●お空でお出迎え!?
ここは太平洋上空高度1万メートル。悠々と飛ぶアメリカ合衆国大統領専用
機AIRFORCE ONE機内にて。
機長 :「(機内放送で)大統領、もうすぐ日本領空ですよ」
クリトン :「う………ム………(大きなあくび)長かったな、機長」
機長 :「仕方ありませんよ、大統領。ほとんど地球を半周してる
:ようなものですからね」
クリトン :「あと、どのくらいで到着だ?」
機長 :「KANSAI NEW AIRPORT に、日本時間の午前11:00に着陸予
:定です。某国のレビム首相も同じ頃に到着なさるらしいで
:す」
クリトン :「うむ。まだ時間はあるな……もう少し寝させてもらうよ」
機長 :「はい、わかり……(突然機体を謎の振動が襲う)だ、だっ
:大統領っ!」
クリトン :「どうした……うわっ! なんだ、この轟音は! 機長、
:どうした、何があったんだ?」
機長 :「解りません! 現在解析ちゅ………(突然無線機に飛び
:込む若い女性の声)……え!?」
笹恵 :「こちら日本国航空自衛隊第112飛行隊所属機。 コールサ
:インはフライング・ベア。AIRFORCE1応答せよ」
神無 :「こちら日本国航空自衛隊第54飛行隊所属機。コールサイ
:ンはレッドオクトーバー。AIRFORCE1応答せよ」
機長 :「(コクピットの左右を2機の軍用機がかこむ)うわわわ
:わッ! せ、戦闘機だって?」
笹恵 :「ようこそ、クリトン大統領。只今より日本国領空に侵入
:します。関西新空港までお供いたします」
神無 :「聞こえましたか? 大統領?」
クリトン :「(コクピットに走りこんで無線機を掴む)君達! いっ
:たい何の真似だ?」
神無 :「聞いてらっしゃらなかったんですか? ”日本に入って
:から出るまで、美人のコンパニオンがお付きします”って
:話し?」
クリトン :「そんなことは聴いとらんッ! その、その戦闘機は何の
:真似だと言っておるのだ! 返答内容によっては岩国の飛
:行隊をスクランブルさせるぞ!」
神無 :「大統領閣下を日本国領空内で傷つけてしまったりなぞし
:たら、我々日本国の恥じに値しますわ」
笹恵 :「私達は大統領閣下の護衛のために派遣された、戦闘機で
:の空中戦をするコンパニオンですわ」
クリトン :「君達がか……ははは。日本もおかしなジョークが巧くなっ
:たもんだな」
笹恵 :「大統領? そこからサイドにブルーのマーキングを施し
:たF14A"Tomcat"がご覧になれますか?」
クリトン :「ああ、見えるが? 君が横のF14A"Tomcat"のパイロッ
:トか?」
笹恵 :「ええ、そうです。それでは、じっと見ていてくださいね
:(機体が一瞬ぶれたかと思うと視界から消える。その間0.5
:秒に満たない)」
クリトン :「なッ……」
笹恵 :「大統領、上をご覧になってくださいな」
クリトン :「(見上げた天井窓にF14が背面で覆い被さっている)
: こ、こりゃぁ驚いた……声が可愛いだけではなく、技術
:も素晴らしい! 私も昔空軍に在籍していたからね。この
:機動の難しさは分かるよ」
笹恵 :「御理解いただけて光栄ですわ」
神無 :「大統領、わたくしも何か行いましょうか?(クス)」
クリトン :「君達の実力は良く分かったよ。日本の諺では”能ある鷹
:は……”と言うではないか」
神無 :「それでは、お言葉のままに」
●日本到着
神無 :「大統領、まもなく関西新空港が見えてまいります。機長
:さん、R34を高度150でフライパス、北側か侵入してくださ
:い」
機長 :「ラジャー。可愛い女の子に誘導されると、張り合いが出
:るよ」
神無 :「クスッ(笑) それでは、エアフォース1の着陸、ゆっ
:くりと見せていただきますわ」
神無 :「笹恵、準備は良い? 失敗出来ないわよ、これは」
笹恵 :「あたしとあんたの仲でしょうが。ドジるものですか」
笹恵のF14A"Tomcat"と神無のHB1専用機は、エアフォース1の1Km程
先を飛び、エアフォース1の着陸侵入経路の両脇に、真っ赤なスモークで道を
張った。
神無 :「機長、絨毯は敷かれましたわ。ごゆっくりどうぞ」
機長 :「大統領、見えますか? これ。凄いですなァ〜」
大統領 :「ははは、真っ赤な絨毯か。彼女達も考えたものだな。謹
:んで降ろさせてていただこうか」
さすがは AIRFORCE1のパイロット。神無と笹恵の引いたラインを少したりと
も外す事なく、きっちりと着陸した。笹恵の機体はその直前に着陸している。
上空には神無の戦闘機が飛んでいる。
笹恵 :「(タラップまで出向いて敬礼) 大統領閣下。先程の
:F14A"TomCat" のパイロットの、航空自衛隊112飛行隊
:所属早坂笹恵2等空尉です」
クリトン :「君がさっきのパイロットかね。声も素晴らしいが実物は
:もっと素晴らしい! 大阪滞在中は、宜しく頼むよ」
笹恵 :「はい、閣下!(携帯無線機を出して)」
笹恵 :「(神無、聞こえる? 今よ!)」
神無 :「はいはいっ…………と。(操縦幹の投弾ボタンを押す)」
神無機の動体下パイロンから投下されたクラスター爆弾のような筒は、パラ
シュートで制御されながら大統領の頭上に降り、そして上空 20mぐらいで破裂
した。中から「ようこそIPEC大阪会議ヘ!」と書かれたピンクの垂れ幕が飛び
出す。
笹恵 :「先程の青い戦闘機のパイロットからの大統領閣下へのプ
:レゼントだそうです(笑)」
クリトン :「自衛隊も………華やかになったものだな(^^)」
FIN
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