sfの猫日記
うちの猫が15匹にもなってはや数ヶ月。たくさんいる猫たちの様々な行動を
つづった日記を書いてみようかと思いたちました。
いつまで続けられるのだろうか。(;^^)
メス猫のネネはうちに来た当初から甘えたがりで、良く食事中にももの上で
丸まろうとして食事の邪魔になったものでした。ひざならまだしも歩いていて
肩に飛び乗られたりするのにはさすがに驚いたものです。
さすがに成猫になった今ではそこまで甘えなくなったと思っていました。む
ろん撫でてやれば丸まってからだをくねらせて甘えますし、人といっしょに寝
たがったりもするのですが。
さて、さきほどのことです。大学から帰宅すると玄関でネネとタマ (最年長
のメス) が出迎えてくれたのでしばらくかまってやっていたのですが、そろそ
ろ良いかと思ってたちあがりました。すると、ネネがズボンの足元に爪を立て
て伸びをしでかしました。
私は柱の木ではないんだがな……などと思いつつ見ていると、今度はズボン
をよじ登りはじめたではないですか。幸い寒い日だったために厚手の長袖長ズ
ボンといういでたちだったため、たいして痛くなかったので放っておきました。
すると、そのまま太股、胴、胸とよじ登ってきて、肩の上にまで登ってきてし
まいました。 3kgもある成猫になってからもこんな芸当ができるのかと感心し
つつしばらく肩に載せてやり続けたのでした。
今日は昼間はばかみたいに暑く、夜になるとえらく冷えこみましたね。
うっかり窓を閉めるのが遅れてしまい、子猫達の居る部屋が少し冷えこんで
しまったのですが、何故か子猫達は見当たりませんでした。
明かりをつけていなかっこと、私は基本的に夜目が弱いこともあって、どこ
にいるか探しにくかったということもありますが、見つからなかった最大の原
因は意表を突いた居場所でした。
まあ、どうせどこか変わったところに居るのだろうとは見当がつきました。
この三匹の子猫は、今までも箪笥と壁の隙間に挟まったまま爪を壁に立ててよ
じ登ってみたり、そこらへんに積んであった洗濯物のなかでお休みになってい
たりという実績がありましたから。そこで、箪笥やなんかを手探りしつつ呼び
掛けてみていたのです。
と、その時。猫が飛び降りた音がしました。体重の軽い子猫にしては大きな
音ですから、わりと高度さがあったな、と感付きました。
音のしたほうを見ますと、子猫の一匹がこちらを見ておりました。その上は
なんだろうか……と視線を上にずらしますと……本棚があります。窓の上に設
置された棚に本をおいたものです。本の上の隙間から子猫がこちらを見ており
ました。
なるほど、窓が開いていて寒かったので、もっとも暖かい高い場所、しかも
窓から風の来ない窓の上の場所で寝ていたわけです。もっとも快適な場所を探
し出していたわけですね。なかなかやってくれます。
15匹も居ると毎日何かしら問題が起きているような気がする。喧嘩や病気、
そして事故。なにせ生き物であるからしかたがない。
今日は最古参のメス猫であるタマだった。八才以上だったとおもうが、最近
今ひとつ体調が思わしくない。腸にガスが溜まっているらしくゴロゴロという
音がするのだ。無論のことだが甘える際の喉を鳴らす音とはまったく違うので
区別ができる。
少し前まではあまり食欲もなく、骨ばってガナガナになってしまったのだが、
看病のかいあってか最近は食欲も旺盛、以前同様ほかの猫の残り物まで奪って
食べている。
しかし先程、何やら腹が尖がっているのを発見した。子供を産む前のような
雰囲気である。軽く触ってみるとどうやら腸がパンパンになっているらしい。
一大事だ。
……しばらく見てやっていたら、便をした。ぐずぐずの下痢便である。幸い
便をしたことによってガスも出たらしく、尖っていた腹はほぼ元に戻った。し
かし腹の調子がよくないこと果たしかなので、もう少し様子を見る必要がある
だろう。
今日はカツオを一本(だと思う)とアジを数本買ってきて、さばいて食べた。
おろしたのは母である。カツオはタタキにして、アジは刺し身にした。切り身
で買うと高いが、こうして丸ごとかってさばくとたくさん食べられる。
こうして刺し身を作っていると、やはり匂いがするらしく猫が鳴きながらあ
たりをうろつく。ひじょうにやかましいし、足にまとわりついて邪魔になるの
で料理中・食事中には台所に猫を入れないことにしている。
さて、魚を丸ごとをさばくので、人間が食べない部分はかなり出る。血あい
や頭のあたりであるが、こういった余剰部分は猫に下げ渡すことになっている。
こういうときに一番欲張りなのがタマである。昨日と違いずいぶん元気になっ
たようで、台所の引き戸をがりがりと引っ掻いて開けてしまうほどである。邪
魔になってしかたがないので、別室に隔離しなくてはならなかった。しかしま
あ、元気になったのは良いことである。
で、刺し身をあげてもなかなか食い付かない猫も居る。その筆頭がトミーと
いうオス猫である。こやつは体格が良く、体重はうちでも最大の8kg。しかし、
巨体に似合わぬ臆病ぶりで、ほかの猫が食べているあいだは遠慮してやってこ
ないし、目の前に刺し身を置いてもあたりをうかがってなかなか食べようとは
しないのである。
どうも純白の毛に青い光彩を持つメス猫、ネネの様子が変であった。目が赤
いし、何やら咳き込む様子を見せている。多分風邪だろう。ネネは昨日水を流
した玄関の、下駄箱の下でじっとしていたりしたから、そのせいで風邪を引い
たのかもしれない。
ネネがあんなところでじっとしていたのは、どうもほかの猫にいじめられた
せいらしい。おそらくはロミであろう。割と古参のメス猫で、茶色の毛、尻尾
は鍵型にねじ曲がっている。姉妹のレミはおとなしい子なのにロミは雄みたい
な気性の持ち主である。
とりあえず医者に連れていくと、何ともないとの話である。どこが何とも無
いのだろうかとも思ったが、多分重病ではないだろうという意味なんだろう。
体調が悪いのは素人目にも明白である。
とりあえず母がネネといっしょに寝て様子を見ることになった。早く回復し
てくれればよいのだが。
前回はレミとロミを間違えてましたね。いじめていたのはレミです。尻尾は
素直に長く、顔つきはなんとなくキツネのようで、いささか猫らしくなく、冷
たい印象を受けます。ロミは基本的に温厚で、尻尾が鍵型に曲がってます。こ
の姉妹の名前、よく勘違いしてしまうんですよね。我ながら間抜けな話ですが。
さて、今回の本題。オス猫のネロはネネの兄弟で、薄いグレーの地に黒の毛
をしています。一才以上のオスとしてはかなり小柄で、メス猫のネネよりも小
さい。しかしなぜか体重は重く、よく詰まった肉体の持ち主だと言えます。
ネロは子猫のうちは聞かん気が強いように見えのでネロという名をもらった
のですが、どうも子猫のあいだ過保護に隔離していたのが悪かったようで、あ
る程度成長して他の猫たちと一緒にしてやっても、あまり打ち解けなかったよ
うです。既存の猫たちが悪いというより、ネロ自身がほかのネコに対してやた
らと威嚇したりした事がまずかったんですけどね。
今ではどのネコにも弱くて、居場所が無いようです。しかたがないので特に
他のネコをいじめるもの、たとえばレミなんかは犬のようにひもで縛ってあり
ます。
いまだに咳き込んで隅っこのほうでじっとしているネネだが、単に風邪引き
である以外に片目が赤くなっている。おそらく結膜炎だろう。原因は他のネコ
に引っ掛かれたせいだとおもう。
同質に居たのはオス猫のムクとメス猫のミイだが、どちらも大人なので遊ん
で怪我をさせたということはあまり無いだろう。おそらくよその猫が庭に来た
ときにムクのそばに居て、興奮したムクが引っ掻いた……のかなぁ。
とりあえず母が目薬をかけてやろうとしたのだが、いやがって避けるせいで
目薬が口に入るらしい。ただでさえ咳き込みがちなのに余計に咳き込んでしまっ
ている。しかたがないので私が腕を掴んで押さえつけることになった。
腕をを掴んでやるとさすがに暴れる。危害を加えられるとおもうんだろう。
多分。とりあえず目薬滴下作戦は成功したものの、暴れて後ろ足で引っ掛かれ
て、怪我をする。よく爪を砥いでいるらしくえらく深い。水で洗ってしばらく
放っておいたが、なかなか血がとまらなかった。
ここ数日食事も取ろうとしないで隅っこでうずくまり、咳やくしゃみをして
いたネネでしたが、ようやく体調が良くなってきたらしく食事を取るようにな
りました。
なんとか私が晩飯(鳥のもも肉など)を食べていると、甘えて寄ってきて膝の
上に飛び乗るほどに回復しました。猫というものは体調が悪いと人間によって
こないで隠れようとするものですから、とりあえず寄ってくるようになったの
は一安心です。ただまあ、食事中にくしゃみされて私の食べ物に入るとまずい
ので、丁重にお引き取りを願いました。母が既に食事をすましていたのでそち
らのほうに移動してもらったしだいです。
一ヶ月ほど前に来た三匹の子猫には今まで名前が無かったのですが、とりあ
えずつけてみようということになってニ匹だけ暫定的な名前がつきました。一
番体格が良く元気の良い三毛のメス猫にはまだ名前が決まっていませんが、他
のオス猫ニ匹にはとりあえず名前が与えられました。
マー坊というのが、がながなの痩せネコでして、いまだに首も足も細い。背
中に黒とグレーの虎縞型に濃淡があります。こやつは来たときからどうにもひ
弱そうで心配しているのですが、とりあえず問題なく生きているようで。
ター坊は白と黒のぶちで、なんかこう目が異様に大きいせいか顔の造作が妙
なのか、猫らしく見えなかったりもします。
今では人間も他のネコも恐がらずに三匹とも元気に遊びまわっていますけど、
これが捨てられていったときには凄かった。近づこうとするだけで殺されそう
な声で威嚇する。捨てられた当日、私が帰宅したときには恐がったマー坊が池
に落ちてしまったこともあったくらいに人間が恐かったようです。それが今で
は図々しくうろちょろしてもう……慣れきっていますね。子猫は順応が早いよ
うですね。
最近うちに入れているメス猫のリリーは野良猫でして、怪我をしているので
直るまでは出さない予定です。梅雨時なんで濡れて化膿したりすると致命傷に
なりかねませんからね。……まあうちの猫はみんなもともと野良猫だから、外
猫のリリーだが今は家に入れているという表現のほうが正確なのかもしれない。
喧嘩しなければ内猫にするんだけど。
リリーはうちに来ているメス猫としては一番大きいはずです。毛が白いし、
ペルシャ系が少し交じっているのかふかふか気味の毛並みなので実際よりも大
きく見えてしまいますが。語り部通信倶楽部のオフでうちに来た人には知って
いる人もいるはずですが、こいつはやたらと人懐っこく、知らない人間にもす
ぐに甘えに行きます。うちにいる他の猫でこいつくらいに物怖じしないのは、
着たばかりの子猫とラヤくらいでしょうか。
このリリーがなぜうちに隔離する気になるような怪我をしたか。タイトル通
り、オス猫にかまれたんですね。普通はオス猫はメス猫を強く噛んだりはしな
いものですが、噛んだ理由は不明です。多分他のオス猫が来て気が立っている
ときに不用意に近づいたんじゃないかと思うんですが……。たまにありますか
らね、そういうことが。
ともあれ、毛がごっそり抜けたために見た目はものすごい怪我のように見え
ていたんですが、それ程ひどくも無かったらしく、一週間くらいでだいぶ治っ
たみたいです。良かった良かった。
私の部屋には一匹のひもにつながれた猫がいます。一部知り合いにはひもネ
コとかネコ丸君とか呼ばれてかわいがられて、さらには狭間06エピソードに出
演してさえいる、オス猫のラヤです。こやつはうちで二番目の体重の持ち主で、
7キロ強。8キロのトミーよりも体長が短めなせいもあってかなり丸っこく見
えます。
ラヤがひもでつないで隔離してあるのは、他の猫と仲がよくないからです。
元々狂暴で人間だろうと気にせずにガブリとやるタイプでしたが、最近はだい
ぶと性格も丸くなったような気がします。とはいえ、遊ぶときの加減というも
のを知らないので、他の猫と一緒にすることは危険なんですけど。人間が遊ん
でやっても危険でして、私の手には噛んだり引っ掛かれたりした傷痕が山ほど
あります。
このラヤ、人間数名程度であれば恐がらない程度には図太い精神の持ち主な
のですが、何故か自然現象に弱い。雷や雨音で恐がって物陰に隠れたりします
から。
今日はかなり雨が多く、いささか寒かったせいもありましょうか。私が帰宅
するとえらく甘えまして、あぐらをかいた上で寝てしまいました。横にくっつ
いて寝ることはよくあるんですが、わざわざ上に乗ってくるのはこの猫には珍
しいことです。しばらく甘えさせてやりましたけど、さすがに重くてしばらく
すると放逐しました。昔の「ラップクラッシャー」と呼ばれた時期の巨大な高
機能ラップトップパソコンなみですから、長い事乗せるのが無理なのは確かで
すね……。
あー、なんか今まで最大の猫をケンと書いてましたけど、名前を間違えてま
した。ほんとはトミーです。ケンってのはうちに最初に来た猫の一匹で、交通
事故でなくっております。雰囲気や甘えかた、毛の色なんかがトミーに似てい
るので混同したらしい。修正しておかねば。
本題。今日寝ていると。
「あー、やかましい、寝てられないじゃないか」
例によってリキのやつがトミーに対してうなっている。トミーのほうは単に
餌のあるところに近付いただけなのであるが、リキが恐がって威嚇しているの
である。一般に声を出すのは弱いほうと相場が決まっているので、リキのほう
が弱いというわけであろう。
だいたいにおいてオス猫は臆病なやつが多いようですが、このリキはその中
でも特に臆病ものでして、子猫時代には人がくるとどこかに隠れて見つからな
くなり、呼んでも餌をやろうとしても出てこないありさまでした。今でも臆病
なのはかわっておりませんで、とかくフカーフカーと威嚇するので仲良くして
いるのは新来の子猫三匹くらいというありさまです。
あまり威嚇するとトミーのほうでも興奮してしまい、トミーの兄弟のトムと
喧嘩しだしたりして大変ですから、さっさとあいだに入ってかまってやりつつ
おとなしくさせていますが、毎日だと面倒で……。リキのやつももう少し根性
が欲しいところです。
昼飯を食べるために階下に降りる。鍋の水が沸くのを待っているとネネがよ
じ登ってきた。たったまま右足を組んでやるとその上で丸くなった。まだ左目
の調子は良くないらしくて薄く開いているだけだが、風邪のほうは治ったらし
い。風が治るとてき面に人に甘えるようになってちょっと邪魔なくらいである。
やはり病気のときに過保護にしすぎたのだろうか。……その時はそう思ってい
た。
気がついていなかったのだが、徴は既にあった。この時抱いてやっていると
乳首が立って長くなっていることに気がついていたし、少し前まで人を避けて
隠れるようにしていたのも知っていたのに……。
夜になって母が悲鳴をあげた。ソファーに座ろうとして何か掛け布を膨ませ
るものがあったので無造作に取り除いたら、死骸だったのである。体長六セン
チ程度の哺乳動物の死骸。
正直いって最初は何だかわからなかった。最初は水に濡れたネズミかと思っ
たくらいだったし。でもじっくり観察していると、生後間もない子猫の遺骸で
あることが判明した。へその緒は処理したてだし、毛も薄い。目も開いていな
いし、出産時のものと思われる血が残っている。
猫の遺骸であるということが判明してからも混乱は続いた。子供を産みそう
なほど腹の大きく見えるのは野良猫のチコくらいであり、チコは既に去勢手術
をすませていたからである。またチコは黒い家の猫であるが遺骸は白い毛の猫
であるから子供らしくは無かった。それでも手術の失敗や外からよその猫を咥
えてきた可能性が私と母を混乱させていた。
しばらくして、ネネのことに思い当たった。小柄で成猫になったばかりのネ
ネは関係なかろうと最初に除外してしまっていたのだが、去勢手術をしていな
い猫はネネだけである。そして……昼間に感じたことを思い出した。乳首が発
達したということは、やはりネネが子猫を産んだのではないだろうか!? 普通
は一体しか産まないということはないから腹は見てわかるほど大きくなってい
るのだが、一匹しか腹の中に居なければ気がつかなかった可能性は十分にある。
そうして気がついてみると傍証はいくらでもあった。ネネは純白の毛だし死
骸の子猫もそうだ。子猫が発見されたソファのに掛けた布の下というのはネネ
が好んで寝ている場所だ。他にも風邪のうつった猫は居たのに人を避けて物陰
に隠れるような事はなかった。最近になって食欲が妙に旺盛だった。今までは
気がつかなかったような細かな振るまいがすべで、実は妊娠していて子供を産
んだのだということを示しているのだ。
死骸の発見と共に何かあると困るので猫たちは隣の部屋に追い出していたの
だが、ネネと遺骸を対面させてみることにした。匂いをかぐと舐めだした。丁
寧に舐めてやる。やはり親らしかった。
はっきりいって悔しかった。恐らくはネネは親猫になるには幼すぎたのか、
子猫が未熟児だったのかしたのだろう。とはいえ産んだときに、生きていると
きには気がつかなかった自分が腹ただしかった。私が二階の自室でキーボード
をたたいているときに、一つの生命が誕生し、気がつかないうちに亡くなって
いたのだ。同じ屋根の下に居たのに。
今日は暑かった。普段はもろもろの都合――小便をかけられたくないとか、
うろうろされるとコンピュータが心配だとか、私の部屋にいるラヤと喧嘩する
とまずいとか――で私の部屋と他の部屋とのあいだのドアは閉めてあるのだが、
あまりに暑かったので一時的に開放して換気しなければならなかったほどだっ
た。今の時点では風通しが良くなればさして暑くもなく快適である。うちは窓
を広く取るように設計されているために、開放状態にすると真夏の最盛期以外
はクーラーなしでも問題ない。
換気するとはいえ、やたらと猫が入ってくると難儀なので、キーボードを叩
きつつも入り口の監視はしていた。噛む猫のラヤが居るから不用意には入って
こないだろうと期待しているのだが、なかなか抑止力にはならないようである。
取り敢えず入って来たがるのは子猫三匹とメス猫のロミ。
子猫はうちに来た当初、人の布団の上で小便や大便をしでかすという習性が
あったためにあまり入れたくはない。今ではしつけられたとおもうんですけど、
いまだに匂いの抜けない掛け布団なんかでは、また小便などしかねないからで
ある。他にも、子猫たちはケーブルが入り組んだところで遊びたがるという大
きな問題もかかえている。キーボードケーブルが断線しかかっているらしくて、
ちょっと引っ張ったりするとキーボードが反応しなくなったりして恐いので、
ケーブルのあるところには近付けたくはないのである。
ロミのほうは問題は少ない。相性の悪い相手が居るらしく、逃げこむような
感じで私の部屋に入って来ているのだろう。……入ってくるやいなや人にこす
りよって甘え、足元で丸くなってごろごろとしているので、単にかまって欲し
いだけなのかも知れないが。
取り敢えず今日は平和であった。
猫とは普通は横たわって寝るか、うずくまって寝るかするものである。せい
ぜい撫でてもらったり舐めてもらったりして気持ちが良くなると仰向けに腹を
見せて寝るくらいが相場だろう。
しかし、リリーはいささか普通と異なった寝かたをする。リリーは臆病なオ
ス猫リキの兄弟でメス猫なのだが、リリーが変わった寝かたをするようになっ
たのは一度発情してからのことであった。リリーの発情ぶりはすさまじく、最
盛期には近寄っただけで尻尾を横にねじ曲げて交尾を要求する始末であった。
さらに姿勢を低くして腹を地面に着けて、尻だけ上にあげるような格好でオ
スを呼んでいた。この時に腹を地面に擦りつけることをおぼえたのだろうか、
今ではリリーはうつぶせになって寝ている。うつぶせといっても足をそろえて
座って――もしくはうずくまって――寝るわけではなく、ほんとにベタっと人
間のようにうつぶせになるのである。後足を後ろに長く伸ばし、腹をべったり
と地面につけ、前足は前方に万歳の形に投げ出している。
今までこんな妙な寝かたをする猫は見たことがないのだが、実はままあるこ
とだったりするのであろうか? 謎である。
ふらりと猫を眺めに部屋を出ると、なにやら爪で引っ掻いている音がした。
いささか音が大きすぎるような気がするが、機で爪をといでいるのだろう、そ
う思って音源のほうを眺めると……タンスの裏から音はでていた。
あっけに取られてみていると、タンスの天井部分の向こうに猫の顔が覗く。
そう、子猫がタンスの裏に爪をたててよじ登っていたのだ。もともと来た当初
にタンスと壁の隙間に挟まってよじ登ったという過去があるので、一応は納得
できたものの、あまりのことに大笑いしてしまった。
長い事タンスの上でのんびりしていたようであるが、降りるときはどうした
か。飛び降りるかなと思ったら、なんと降りるときも爪を立てて滑り落ちてい
きました。うーむ……。
まあ、良く考えますと、普通に大きな木に登るのと大差ない行動をしている
んですよね、実は。樹がタンスに変わるとえらく新鮮に見えますけど。
96/06/26から96/06/27の夕方あたりまでは、腹が痛くてほとんど布団でうず
くまっていたのでお休みしました。この時期は食べ物の足が速いので気をつけ
ましょう。特にご飯なんかは温かいし水気たっぷりなので、要注意です。
で、この時期には猫の餌も気をつけないといけません。俗に猫っ食いという
言葉がありますように、猫は全部の餌を食べずに少量残すくせがあります。残
した餌をあとで食べると危険ですから、餌はみているところであげて、食べ残
しは思い切って捨てるようにしましょう。乾燥餌はまだ良いのですが、缶詰な
どはすぐに駄目になりますから。
あと忘れてならないのが水をこまめに換えること。この時期だと、水も一日
経てば腐ってしまいます。下痢の原因になりますから水もこまめにかえるべき
です。
以上、梅雨の食中毒対策でした。
三匹の子猫のうちもっとも大きく、やたら元気なはずのメス猫(未命名)が、
なにやら壁にぺったりと背中をつけて寝ているなぁ、と思ってみていますと、
くしゃみの音がしました。どうも風邪を引いたようですね。私がそこらへんで
座っているとよって来て寄り掛かるし、寝るときは他の猫と一緒に温かくなる
ように寝ていますし。
ところでこの子猫たち、いつも(暑すぎなければ)リキといっしょに寝ていま
す。リキは臆病で鳴いてばかりいて、他の猫とはあまり仲が良くはないのです
が、三匹の子猫達とはやたらと仲がいいんです。
もともと子猫達が来たときにおんなじ部屋にいたため、最初から子猫達といっ
しょに寝ていたんですよね。舐めてやったり世話をして、まるで母猫のようで
した。実際、リキはオス猫なのに乳を吸われていたくらいです。母猫が居ない
子猫は、ほかの猫、タオルなどの角、兄弟ネコの乳や毛を吸うことがあるんで
すが、オス猫なのにあまり嫌がらずに世話をしたのは偉いなぁと思ってます。
リキは他の猫と仲が悪いので、とりあえず中の良い猫も居るということは良
い材料となりそうだと思っています。今のリキは良く鳴きますけど、中の良い
猫と一緒に居る時間を持たせれば、もう少し落ち着いてくれるんじゃないかな
と期待しているんです。
本日、宅急便で網が来た。だいたい扉一枚分程度のサイズの網で、格子状に
二ミリ程度のパイプを五センチ間隔で並べたものである。これが八枚。既にあっ
た二枚と合わせて十枚になる。
この網を導入した目的は、単純なこと。夏場の暑い日に仲の良くないネコ同
士を隔離するために扉を閉めたままにしておくわけにもいかないので、扉のか
わりにこの網を置いてしきりにしようというわけである。あと、猫が網戸を爪
で破って出て行かないようにするためにも使用される。うちの網戸はステンレ
スの細い針金で作られた網が張ってある珍しい代物なので、猫でもこじ開けら
れないのだが、玄関の網戸はあとから追加したために布製で、そこを破って脱
走することが去年多発したので対策をこうじる必要があったのである。
とりあえず全部設置すると、ずいぶん風通しが良くなった。各出入り口には
網が設置されて、空気は通るけど猫(や人)は通れなくなったわけである。これ
で我が家は巨大な檻になったといえる。なんとなく変な気分だ。
私の部屋でひもにつないであるオス猫のラヤは、丸っこくてでかいやつで、
遊んでやるとおもっきり噛むという困った性癖のある輩です。で、ここの所な
ぜか私のそばによって来てくっつくんですよね。梅雨の湿って蒸し暑い日に毛
皮の塊に寄り添ったまんまってのはいささか快適とは言いにくい。
私はパソコンの前にこたつをテーブル代わりに置いてキーボードを載せ、そ
の向こうに座布団をしいて座っているのですが、その座布団の上にいようとす
るんです。私が席を離れると座布団の真ん中で丸まっている。風邪を引いた様
子もないのに。
しかたがないので丸いクッションを探し出して座布団のカバーをつけて置い
てやりますと……なんとそっちに居着いてしまった。クッションの直径が座布
団カバーの一辺よりも少し長いために、全体に少し窪んだような形になってい
るのがすこぶる快適らしい。
他の猫の振る舞いを勘案すると、多少暑くても床や畳の上ではなくて布の上
で居心地良く寝たいということみたいですね。良く考えると、私が座布団をし
いているのも、ずっと座っていると汗をかくからなんで、長いこと寝ている分
には布の上のほうが快適ということなのでしょう。
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