ロンの思い出
ロンは全身白に少しだけ黒のぶちが入った毛の色で、比較的細身でしなやか
な体付きと鋭い目つきの猫でした。
ミケの子供の片割れで元気なほうがロンでした。ロンは活発で喧嘩も強く、
始終あちこち出歩いていたようです。一キロ以上離れたところで出没したのを
見たこともあった (分かる人には分かるように書けば、今のサティや近鉄下田
駅のあたりにさえ出かけていた) くらいですから。
雄としては珍しく狩りも上手だったと記憶しています。さすがに母のミケに
は負けましたけれど。
ロンは私に良くなついていました。ねぐらとして私の部屋を良く使い、冬な
どはわたしの太股のあたりで丸くなって寝ていたものです。普段は厳しい感じ
の表情をした猫だったんですけど、甘えているときは格別可愛かった。
出入りは表向きの窓から屋根を伝い、玄関の上の張り出しから門柱へと飛び
移るという手順を使用していました。この手順はロンの死後にはタマが利用す
ることになります。
ロンはうちでは二番目に死んだ猫でした。
方々出歩いていたのがまずかったのか、猫のエイズとして知られる病気にか
かってしまったんですね。当時は予防接種の事などは知らなかったのですが、
ちゃんと注射をしていれば苦しい思いをさせずに済んだのにと今でも悔やんで
います。病気にかかったのはロンのほうが速かったのですが、頑丈だったせい
か最初に死んだラマよりもずいぶん長く病気に抵抗していました。この時はレ
オも軽くかかったのですが、こちらは完治しました。
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