週刊「鯨卵(ゲイラン)」
http://www.age.ne.jp/x/sf/NOVEL/GEIRAN/
- 稲垣
- 「この間、もの凄くカッコいい自転車を見つけてね」
- 山口
- 「ほう」
- 稲垣
- 「32まんえんもしてたけど」
- 山口
- 「どんなだよ、それ」
- 稲垣
- 「メルセデス・ベンツなんだ」
- 山口
- 「ベンツって自転車も造ってたのか」
- 稲垣
- 「女の子のナンパに使えるかもね『俺のベンツに乗らないか?』って」
- 山口
- 「できるかよ!絶対馬鹿にされるぞ、それ」
- 稲垣
- 「やるわけないでしょ。2人乗りは違法だからね」
- 山口
- 「そういう問題じゃないだろ!」
- 稲垣
- 「いやいや。そういえばこの前、ラジオで自転車のおもしろい話してたな」
- 山口
- 「なんて?」
- 稲垣
- 「マウンテン・バイクで転倒したときにハンドルで腹部を強打する事故が多発してるって」
- 山口
- 「おもしろくねぇよ!危ないって」
- 稲垣
- 「いまワープロで<まうんてん・ばいく>って入力して変換したら<魔運転バイク>だって。腹部強打してたらそれこそ『魔運転』だよね」
- 山口
- 「やめなさいって」
- 稲垣
- 「それでそのラジオのDJがね、『俺なんか腹部強打よりもっと酷い目に遭ったことがある』って」
- 山口
- 「続きがあるのか」
- 稲垣
- 「うん。僕らが小学5年くらいの頃<5段変速機付自転車>って流行ったでしょ」
- 山口
- 「ああ。可倒式ヘッドライトとかの派手な電飾が付いてるヤツね」
- 稲垣
- 「そう。しかも車体は必ず黒色なんだ。んでそのDJも小学生の頃それに乗ってたんだって」
- 山口
- 「うん。それで」
- 稲垣
- 「ある日、変速機を1速に入れてガーッって走ってたんだって。それで勢いつきすぎちゃって。正面の電柱に激突したんだ」
- 山口
- 「うわー」
- 稲垣
- 「で自転車にまたがったままの姿勢で、そのまま滑るように前に投げ出されて。自らの金玉で1速から5速までガガガガーって変速しちゃったらしいよ。声も出せないほど痛かったって」
- 山口
- 「そりゃ痛いよ」
- 稲垣
- 「でもまぁ、こうしてシャズナのIZAM君は誕生したんだね」
- 山口
- 「勝手につくるなよ!」
(了)
ウィークリー・クジラのタマゴは、全国の笑いに飢えるあなたに届くバラエティ誌です。まぐまぐで読者登録された方へ電送されています。
「鯨卵」はイナガキが書いた「(毒舌)漫才」「コント」「ユーモアエッセイ」を週一でお届けしています。その他ネットで見つけた面白い話、街で見掛けた面白い風景などを日記風に読ませます。
目次
お笑い好きの人、「イナガキユタカ」は他人のネタで笑うのはモチロン好きだし、自分のネタで他人を笑わせるのも大好きです。
基本的に無名人なので、今までは彼の身のまわりの人を笑わせるだけで終わっていましたが、最近(頼まれてもいないのに)お笑い系コピー新聞を発行して、誰彼なく配る、といったハタ迷惑な行動を開始しました。
意外と評判が良かった(なんと)ので彼としては継続したいと思っていますが、それにはコピー代(200円・税込)がかかります。
「コピー代をケチれば(少なくとも来世紀中には)自動車が買えるじゃねぇか……」
彼は車のために、コピー紙を断念。(編注:まだコピー紙発行は続いているようです) その代償としてインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を使って、電子メールマガジン「鯨卵」を発行するという暴挙に出ました。
「インターネットを使えば世界中の人に発信できるからね。俺のアートフルな世界を、より多くの人類に知ってもらえるというわけさ。とにかくインターネットだよ。マルチメディアのヴァーチャルさ(本人・談)」
(編注:「鯨卵」は日本語を使って書かれています)
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1998年01月14日より人目の接続です。
発行者:稲垣豊 / ページ管理者:sfこと古谷俊一