鹽竈(しおがま)神社(2016.04.26) |
サクラ前線は青森まで北上、ソメイヨシノより1、2週間遅い八重桜も関東は終わっていますが、少し北に行けばまだ満開の八重桜を見ることができます。天然記念物に指定されている宮城県の鹽竈神社の鹽竈桜を見に行きました。 鹽竈神社は東京から日帰りできる距離です。新幹線で仙台まで行き、仙石線の本塩釜駅からは徒歩圏内、または東北本線の塩釜駅からもバスかタクシー利用で5分くらいです。 |
塩竈市の鹽竈神社は全国にある鹽竈神社の総本山です。日本書紀に出てくる塩土老翁神が現地の人に塩の作り方を教えたことに始まるとの言い伝えがあり、『弘仁式』(810年)にすでに鹽竈神社の名前がみられ、近世に至るまで歴代領主から崇敬されてきました。鳥居をくぐって202段の階段(表参道)をのぼると桜門に到達します。鳥居両脇の桜は塩竈市の木でもあるまだ若い鹽竈桜です。 |
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東回廊の前の鹽竈桜。写真右下に鹽竈桜の由来を記した記念碑があり、下記の文言がありました。
天然記念物(昭和62年12月17日再指定)『鹽竈神社の鹽竈ザクラ』
天然記念物再指定というのは昭和15年に天然記念物に指定されたのですが、老木で枯死してしまいました。そのため指定をいったん解除されましたが、接ぎ木で復活し再指定を受けました。この桜は、第73代堀河天皇の御製に見られるように、平安時代はすでに当社境内に生育していました。主な特徴は、めしべが変化して2枚〜3枚の青い葉となり、花軸が甚だ短く、花弁は35枚〜50枚で縦じわがあり、先端が2〜5の微凹の鋸状になっており、5月初旬に開花します。 この桜は、当社の御社紋になっております。 |
境内の27本の鹽竈桜が国指定の天然記念物です。 |
八重桜はたくさんあると重い感じがすることもありますが、薄いピンクの鹽竈桜はびっしりと花がついていても可憐な趣があります。 |
西回廊の先、末社の傍の八重紅枝垂れ(右)と鹽竈桜(左)。前の若い木は緑色の花を付ける御衣黄です。 |
鹽竈神社には早咲きから遅咲きまで35品種の桜があり、もう葉桜になっている木が多かったのですが、鹽竈桜とこの八重紅枝垂れが満開でした。 |
鹽竈神社は小高い丘の上にあり塩釜港の向こうには松島、金華山も見えることがあるそうです。 |
妹背という品種の桜です。説明書きは下記です。 京都・平野神社に名木がある。オオシマ桜系サトザクラ。名前の由来は雌しべが2本突き出て、結実すると稀に2個の実が合着することがり、その様を夫婦に擬え付けられた。「平野の妹背」と呼ぶこともある。 |
こちらは志波彦神社。元は宮城郡岩切村(仙台市岩切)の冠川の畔にありましたが、明治7年、鹽竈神社の別宮本殿に遷祀され、その後、現在の地に国費で造営することとなり、昭和13年9月遷座されました。手水舎の後の桜は鹽竈桜です。 |
散り始めていましたが、珍しい桜。志波彦神社の御所匂(ごしょにおい)です。 新潟県佐渡市小木の海潮寺にその原木がある。一重八重咲の桜で芳香がある。ニオイザクラの一種。順徳天皇のお手植と伝えられる。系統はオオシマザクラ系サトザクラと考えられる。 |
まだ若い木ですが梅護寺数珠掛桜。 原木は新潟県北蒲原郡の梅護寺にあり天然記念物。名前は親鸞聖人越後流刑の際、去り際に桜の枝に数珠をかけたところ、毎年数珠の房のような桜が咲くようになったとの故事による。カスミザクラの園芸品種。 |
大木の鬱金桜(ウコンザクラ)。 オオシマザクラ系のサトザクラ。名前の由来は花色が鬱金染に似るところから。黄桜、黄金桜、浅黄桜も同様と考えられる。蕾や晩期の花の中央部は紅色が入る。花色は個体差が大きい。 |
ここは、唯一、飲食が許可されている場所です。八重の枝垂桜の下で子どもたちがお弁当を広げていました。 |
遅咲きの桜、天の川。 サトザクラの栽培品種で花は淡紅色、10〜20枚の八重で微香があり、花期は晩期である。枝が一様に上に伸び、花も上向きに咲く為、細いほうき(円柱)状の独特な樹形となる。同様の樹形で白花のものを“七夕”と呼ぶが、今は見ることができない。 |