【二日目】

 朝6時に起きて食事をとり出発。ドマゲッティヘは僕ら4人と、女の子3人(M1ちゃん、M2ちゃん、Yちゃん)のグループ、日本人スタッフの加藤さん、二人のダイブマスターの総勢10人の一行。2台のクルマに乗り、マクタン島とセブ島をつなぐ橋を渡り港へ向かった。約30分くらいの道のりは、前回来たかったセブ市内を少しかすめ、観光気分にすこし浸った。港から高速艇(Delta Cat)に乗りドマゲッティのあるネグロス島へ。事前に会社の後輩から高速艇は外に出られない&船内は冷房の効きすぎで寒いと聞いていたし、昨日のチェックインの時に加藤さんも中は寒いと言っていた。乗り場で待っているといかにも早そうな船が一隻入ってきた。たしかに見たところあれでは外には出られないなと思っていたら、僕らの乗る船ではなかった。
 そのころ加藤さんとお話しをしていたKちゃんとMちゃんによると…加藤さんはとっても東北弁がうまく、その東北弁で『りんごの花の選定に日本に帰る』などと言われすっかり信じていた。…ところが彼はたんなる嘘つきであったのだ。彼がなぜ嘘ばかりつくかって?ほかに遊べることがないので嘘をつくそうだ。ってことは、セブにいる人ってみんな嘘を…のわけわない。あっ、加藤さんが本当のことを言ってるときは、右手をぐぅにして振っているらしい。だれか今度試してみては?…とのことである。
 その後いかにも高速艇らしい双胴の船が入港し、僕らはこれに乗った。こちらは外にも座席が有り、もちろん部屋の中の席の僕らも外に出ることができた。どうやら後輩が乗った高速艇は最初に入ってきた方のようだった。ただし船内は冷房の効きすぎで寒いことには変わりなかった。Mちゃん、Kちゃんは思ったほど寒くなかったと言っていた。どうやら僕のいた冷房の送風口付近のみ強烈に寒いらしい。約2時間半の行程はほとんど寝ていた。Kちゃん、Mちゃんは船内売店でウベケーキを買いにいったらしいがおいてなかったそうだ。

 ドマゲッティについてリゾートまでクルマで移動。僕らが乗り込んだクルマの運転手はどうやら路肩からUターンして反対車線に入りたいらしくクルマを動かすのだが、反対車線に入る前に後続のクルマが来てしまい、仕方なくバックしてまた戻る、ということを3回くらい繰り返した。リゾートまで15分くらい、途中シリマン大学の前を通り、ドマゲッティ市内を観光気分できょろきょろしながの道中だった。

 今回ドマゲッティで泊まったのは"サンタモニカ・ビーチ・リゾート"。オーシャンフロントだが残念ながら泳げるようなビーチではなかった。リゾートの中にはプールがあり、その横にはバーも付いていた。部屋にはベット二つとドレッサーが一つ。部屋自体は広かったが物が少なく殺風景な感じがした。事前の話ではファンと聞いていたが、冷房がついていたのでちょっとうれしかった。が、冷蔵庫はなく、なぜかハンガーもシャワールームにあった。

 フロントに昼食を取って集合ということになった。フロントはレストランの横にあるので、ダイビングの荷物を持って食事にすれば何度も部屋を往復せずに住むのだが、さすがに海パンで食事をするわけにはいかないだろうと言うことで、僕とM君は先に食事をとった。僕らの食事が終わる頃にMちゃんとKちゃんは水着に着替えウインドブレーカーを着て、すっかりダイビングの準備をして現れた。ぼくらは急いで着替え&荷物を取りに部屋に行った。

 今日はアポ島で2ダイブ。アポ島へのボートが出るところはリゾートの目の前ではないので、港から乗ってきたのと同じようなクルマでまた移動。今回はよく移動する。まぁ、生のフィリピンが見られてそれはそれでいいんだけど。アポ島がすぐ見える海岸まで30分程度で到着。バンカーボートが小さく、とても船の上でセッティングできないのでここで機材のセッティング。ここで、Mちゃんのパワーインフレーターの中圧ホース接続先にある穴からエアーが漏れていることが発覚。原因はわからない。ここまで来てしまっては代わりのBCもない。ダイブマスターが自分のと取り替えようかと言ってくれたらしいのだがMちゃんは自分のBCを使った。バンカーボートに乗りビーチを離れアポ島へ。片道約20分くらい。ボートの上ではMちゃんが「BCにパワーインフレーターから口でエア入れるのは不安だなぁ」、と言っているので「オクトパスで逆流させれば?1本目だめだったら2本目は俺のBC貸してやるよ」という話をしながら行った。

《ポイント名;"CHAPEL" Apo Island》

 直前に仕入れたビデオライトが水没せずにちゃんと動作するかちょっと不安だった。バンカーボートが小さかったので、水面でBCを着たのだが結構大変だった。
 ここは話に聞いていたクマノミ城ヶあるというポイント。潜降して最初に思ったことは「浮遊物が多くて透明度がわるい」ということ。結構白っちゃけていた。数値にして15mくらいかなぁ。(そんなにないような気がする…;Mちゃん談)それにしてもさすがに魚が多い。スズメダイ、クマノミ(アネモネフィッシュやいろいろなクマノミ)、ツノダシ、ミツホシクロスズメダイ、などなど、久しぶりにたくさんの魚にあえた。クマノミなんかとっても大きい。途中みんなが何か差している。が、何がいるのかわからない。ちょっと追いかけてみたのだが結局確認できなかった。後で聞いたらカメがいたとのことだった。結局クマノミ城がどれだかわからないままダイビングを終了した。クマノミ城は分からなかったが何か札を着けた大きな塊があった。あれは何だったんだろう?

 それにしても体が浮いた浮いた、一度もBCにエアを入れることはなかった。あがってきてよく聞いてみたらやっぱりウエイトの量を間違えていたようだ。6kg欲しいところを4kgのウエイトで潜っていた。BCが壊れていたMちゃんはというと…10mくらいを境に下に行くと沈むし、上にあがると浮くし、結構大変で魚をゆっくり見るどころではなかったらしい。BCの調整は結構楽しかったらしいが、体はしんどかったそうだ。沈むんなら俺が上からタンクにつかまってればバランスとてれ良かったかなぁという半分冗談な、半分本気な話をした。心配していたライトも大丈夫だった。

 そのまま小さいバンカーの上でスタッフが器用にタンクを取り替え、アポ島の反対側に回り2本目のポイントへ。

《ポイント名;"SANCTURY" Apo Island》

 反対側は外海なのか結構波が高かったし、日が沈みかけてたこともあって怒濤の海という感じだった。ダイブマスターに「このポイントの売りは?」って聞くと、「ギンガメがいる」とのこと。ちょっと期待しながらエントリー。さすがに今度は足りなかった2kgのウエイトをBCのポッケに入れているのでちゃんと中性が取れた。さすがに午後から潜り始めての2本目ともなると日が傾き、水中は自然光が減りけっこう暗い。20分くらい進み水深5mくらいのところでギンガメを待った。ちょっと待っていると来ました来ました、大きなギンガメの群れ。水深が浅く、海面の波が高かった影響でビデオはぐらぐらであった。自然光が少なくてキラキラした感じでなかったのがちょっと残念だった。

 バンカーボートでビーチに帰り着く頃にはすっかり日が暮れて、ボートを降りる時には僕の20Wのビデオライトでも結構明かった。リゾートへの帰り道、みんなが月はどっちだとか言っているのでなんだろうなぁと思っていたら、ちょっと前に最接近したヘールポップ彗星が見えるという。どれどれと見ると、たしかにちゃんと尾っぽを引いていて彗星らしい形で見えた。日本でも見たことのある子によると日本で見るより尾っぽが大きく見えたそうである。

 リゾートへ帰って、機材を部屋へ運び、シャワーを浴びて夕食。夕食はフィリピンの焼そばの麺が入っているスープ、お肉、カボチャのサラダ、デザートにフルーツ(マンゴー)。スタッフの加藤さんも一緒に食べたのだが、彼はミールクーポンがないため自分で「麺類を征服する」とか言いながら焼そば(?)、焼き飯、ガーリックライスを注文していた。今まで食事があわなかったM君、加藤さんの焼き飯、ガーリックライスをちょっと食べさせてもらったら、これが彼の口に合ったらしくとっても喜んでいた。加藤さんは「白いご飯のがいいなぁ」ということでかえっこ。やっと満足にご飯を食べられたM君であった。
 食事中は今日のダイビングや加藤さんの嘘を中心にいろいろ楽しく盛り上がった。このとき「今日はどんな魚を見ましたか?」という加藤さんの質問に対し「ピープル…」とYちゃんが叫んだ。みんな大爆笑である。彼女は”パープルビューティ”のことを言いたかったらしいのだが「ピープル」と口から出てしまったらしい。もちろん翌日のダイビングの予定も話した。加藤さんは3ダイブでもいいですよといい、3人組は3ダイブするという。ぼくらはゆっくりしたかったのとMちゃんの体力の関係で2ダイブにした。
 食事を終えたのが結構遅い時間だったため、7人でログを書き、ビデオ上映会を簡単に済ませ、1日を終えた。

前の日へ Diving日記に戻る 次の日へ