新 た な 試 み 1

「火を使わない競技 」

  前回大会まで、参加選手の技術向上を受けて、年々競技項目の難易度を引き上げてきた。料理のテーマも、「完成品」を作ることだった。しかし今年は、日本料理の基本に立ち返り、「切る」「盛り付ける」「手際」といった「基本」をテーマとすることで、「火を使わない」「調理過程」を審査するコンテストとなった。

  今回の競技種目の一つには、「マヨネーズ作り」があり、参加選手や観客からは、「日本料理コンテストで、なぜマヨネーズ作り?」という疑問が出ていた。その疑問に北京日本調理師会の高橋会長は、「調理師会内部でも、競技種目決定までにはいろいろな議論をしました。そして最終的に、やっぱりマヨネーズ作りは、日本料理にとって重要な要素だということで落ち着いた。マヨネーズを作る過程には、日本料理に欠かせない卵の素ができます。卵の素が作れない調理師は、おいしい料理も作れませんから、マヨネーズ作りの意味があるのです」と、競技種目決定のいきさつを話してくれた。今回、主催者が選手に渡した資料の中には、マヨネーズ作りの簡単なレシピも付け加えた。なぜなら日本料理店では、市販品のマヨネーズを使うことが多いため、マヨネーズの作り方を知らない調理師が多い可能性があったからだという。

新 た な 試 み 2

「 勝ち残り方式の採用 」

競 技 内 容

【一次競技(十二名)】

  制限時間三十分 ・だいこん、にんじん 桂むき ・じゃがいも 六方むき ・マヨネーズ作り

【二次競技(九名)】

   制限時間三十分 ・サラダ作り ・マヨネーズを利用した ドレッシング ・サラダ油を利用した ドレッシング

【決勝(四名)】

  制限時間四十五分 ・刺し盛り

   コンテスト八回目にして初めて、勝ち残り方式を採用した。十二名の参加選手を一次競技で八名、二次競技で四名に絞り、四名で決勝を行うというものである。しかし、各選手間の得点差は非常に小さく、一次競技では、第八位が二名、二次競技では第四位が二名出るという混戦だった。そこで二次競技には九名が進み、決勝には一次競技と二次競技の総得点を加味して、四名が進出した。

 曾我井審査員(千紫膳)は一次競技の審査後、「これだけで落としてしまうのはかわいそう。もっと他の競技を見てみたい。だって、どの選手にも大きな差はないんだから」と、今回の審査の難しさを語ってくれた。また深谷審査委員長(松伸)は競技総括で、「以前は、北京と地方の調理師では、技術に大きな開きがあった。しかし今はその地域差がなくなってきている。ただ日本料理には、ここまで勉強したら合格という到達点はないですから、これからも努力を続けてほしい」と述べた。

《 マ ヨ ネ ー ズ レ シ ピ 》

  あなたもマヨネーズ作りに挑戦して下さい!

※ 材  料 ( 目 安 )

  サラダ油  360 cc             酢(日本の穀物酢)  35 cc

    卵  黄     3 個                 塩、胡椒、からしを少々

※ 作  り 方

 @ ボールに、卵黄、調味料、酢を少し入れ、よく混ぜる。

 A 大さじ一杯を目安として、サラダ油を少 しずつ、かき混ぜながら入れる。 <一度に

      多くのサラダ油を入れたり、多すぎたりすると、分離しやすいので注意が必要。

  ポイント…酢で固さを調節する。

 参 加 選 手 一 覧

                     @ 曹 海 龍 (そう・かいりゅう)        菊水亭 (北京市)

                     A 王 愛 昇 (おう・あいしょう)        櫻 苑 (青島市)

                     B 孫 盛 勇 (そん・せいゆう)         和風パブ天正 (煙台市)

                     C 張 仕 超 (ちょう・しちょう)          割烹天正 (煙台市)

                     D 雨 軍 勝 (ほう・ぐんしょう)         西 村 (大連市)

                     E 程     帆 (てい・はん)               元風回転寿司 (北京市)

                     F 范 延 華 (はん・えいか)            道  楽 (北京市)

                     G 李 自 強 (り・じきょう)               春夏秋冬 (上海市)

                     H 白     波 (はく・は)                   道  楽 (北京市)

                     I 張     海 (ちょう・かい)              新  橋 (青島市)

                     J 閻 学 成 (えん・がくせい)           居酒屋小小 (北京市)

                     K 周 東 亜 (しゅう・とうあ)             松  子 (北京市)

   

二次競技のようす(左)と決勝戦のようす(右)

上は、競技場全体のようす

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