簡単!! 旬の日本料理 |
協力 長安倶楽部「日本橋」 高橋陽一
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「食材」や「調味料」の「ちょっと面白い情報」を紹介するこのコーナー。
今回は、涼しい季節に皮が引き締まっておいしい、なすを紹介します。
@ なすを火が通りやすいように、斜めの小口切り(厚み1cm)にする。
A 2枚のなすで、そぎ切りにした鳥の笹身を挟む。
B のりで帯をする。
C 天ぷら衣をつけて揚げる。
D 半分にして盛り付ける。
長なす2本 鳥笹身4本 天ぷら粉 のり少々 天汁
挟み揚げのひと工夫
A. 衣をパン粉にしたり、 B. 天ぷら衣にカレー粉を入れたり、
C .鳥の笹身と一緒に梅肉を挟んだりすると、ちょっと変わった味が楽しめます。
アジア原産で、日本では平安時代から栽培されている。当時は奈須比(なすび)と呼んでいた。歴史が長いだけに品種も多い。その形から、「長なす」「卵形なす」「丸なす」、皮の色から「赤紫」「黒紫」「青緑」「白」に分けられる。
「長卵形なす」東日本を中心に出回っている、日本で最もポピュラーななす。12〜15cmくらいになり、紺色。
「長 な す」日本では東北地方や九州に多い。17〜30cmくらい。皮は少し硬いが、身は柔らかく、焼きなすにするとおいしい。
「大長なす」九州特産。30〜45cmくらい。柔らかくふっくらしていて、九州では焼く、煮る、炒めるなど、様々な料理に使われている。
「丸 な す」丸い形で、身がしまっているため、煮くずれしにくい。京都の賀茂なすが有名。きめも細かいため、田楽に向いている。大きいものは直径10cmに育つ。
「水 な す」皮も身もやわらかい。しぼると水がしたたるほど水分が多く、浅漬け用として人気。
「卵形なす」これも浅漬け用として、関東地方で人気があったが、長卵形におされて、生産が減っている。石川のへた紫、京都の山科なすが有名。
「小 な す」3cm程度の小さななす。芥子漬け用。また日本料理店では、姿のまま炊き合わせ、茶せん切りにして揚げ物などに使われている。
「米 な す」丸なすより少し大きい。ヘタが緑色。中国種がアメリカ経由で日本に入ってきた ためこの名がついた。
「青 な す」スーパーなどで見かけることはほとんどない。淡い緑色で、身はやや白っぽい。煮物に向く。
長なすと丸なすが多い。長なすのことを南方のなすという意味で、揚州茄子、灯籠茄子と呼ぶ。丸なすは、六月茄子、七月茄子、九月茄子と、そのおいしい月で呼ぶ。
「秋なすは嫁に食わすな」は有名。
@あまりおいしすぎるので、お嫁さんが食べ過ぎて仕事をしなくなる、
Aなすを食べるとお腹が冷えるため、子供が生めない体になるのを心配した、という正反対の解釈がある。
つやがある紺色で、ヘタのとげが痛いくらいが新鮮。また、皮がやわらかく、水をはじくものが良い。古いものは、色が黒っぽくなり、しわが寄り、種も多くなる。 まずはアク抜きをする。アク抜きは、塩水か、みょうばん水(明君・中国でも薬局で手に入る)につける。みょうばんは、なすの紺色をきれいに見せるのにも役立つ。ただし、みょうばんを入れすぎると苦くなるので注意が必要。ちなみに、油で調理する場合は、自然にアクが抜ける。この場合、切ったらすぐに調理するのがポイント。 1961年秋田生まれ。自然の中でアユ、きのこ、つくし、くり、山ぶどうなどを採った少年時代から、食材への興味が膨らみ始める。「割烹秋田くらぶ」で修行を始め、「日立社員クラブ」「麻布三越料理長」「セビリア万博日本館料理長」「北京三越料理長」等を経て、現在、長安倶楽部日本料理『日本橋』料理長。
下ごしらえ
たかはしよういち
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