新しい北京を
| 国慶節を機に多様化したパス、新たに開通した地下鉄、さあ、あなたもバスや地下鉄にのって街に飛び出してみよう。新しい北京の横顔が見られるかも知れない。 |
特6:国防大学〜北京西駅 特7:前門〜世界公園 空調バス 816:菜戸営〜清華園 817:阜成門〜小馬廠
716:菜戸営〜国防大学 718:康家溝〜頤和園 専車 322専車 300専車 その他 観光1路 等 |
多様化された北京のバス | |||||
800番台の空調車、700番台の空調付きではない高級車、普通バスの専車(専車というのはどうやら普通のバスよりきれいだが値段が高く(初乗り1元くらい)、小さなバス停を抜かすとか終点まで行かないバスの意味らしい)、聯運(二路線の相互乗り入れ、302と367など)、ワンマンバスなど。尚、専車や聯運のバス停はその路線の普通のバス停と別のところにあることもあるので注意が必要。 | |||||
|
新旧バス停比較 | |||||
|
日本人駐在員新地下鉄体験記
「俺は外国人の中で北京の新しい地下鉄に初めて乗った人間なんや!」 こう言っては周りの人に自慢話をしている変な駐在員がいるらしい。噂を聞きつけたかわら版調査団はその調査網を駆使して、ついにその駐在員を発見。首都空港に勤める「某J航空公司」の「W」氏その人だった。早速話を聞いたS調査団員。W氏はときおり、手振り身振りをまぜながら関西弁でユーモアたっぷりと話してくれる。余りのおもしろさに、メモを取るのも忘れ、大笑いしてしまったS隊員だった。ヒコーキ会社にいるくせに、鉄道マニアのW氏は、この新しく開通した地下鉄「復八線」の一番電車に乗るため、なんと3ヶ月前から会社に休みの申請を出していたのだ。9月28日当日、予定通り朝から仕事を休んだW氏は、初運転開始の30分前の午後5時半には西の終点である天安門西駅で地下鉄のシャッターが開くのを今か今かと待っていた。5時50分、シャッターを開ける駅員のおばちゃんが上がってきた。すでに集まっていた10数人の人たちは、口々に「俺の時計ではもう6時や、おばちゃん、開けてや。」等と駆け引きを始める。おばちゃんはにこにこしながらも「まだ5時50分やないか、開けられへん」と譲らない。6時ピッタリ、おばちゃんによりシャッターがガガーと開けられると12〜13人の人が一斉に階段を駆け下りる。W氏も遅れてはならじと、ダッシュ。とその時、携帯電話がポケットから落ちてしまった。それを拾っていた間に、少なくとも2人には抜かされた。「運動会のリレーでバトンを落としたときの気分やった。」と本当に残念そうに話してくれたW氏。他の入り口もあったため、目指していた6位入賞はならず、惜しくも14位、でもきっとこれって外国人では一番だろうなと一応は満足。
さて、電車に乗り込むとドアがしまった。と思ったら開いた。日本人のチャゲアス風の三人組が乗ってきて「東京の地下鉄と同じじゃーん」などと言っている。実際、この新線の車輌は日本と同様最新鋭の車輌を使っているのだ。運転台には液晶画面でどの車輌に何人くらいの人が乗っているかがディスプレーで見られるようになっている。日本ではこのシステムを利用して統計を取り、乗り換え用の階段を新しく作るとき、ホームのどの辺りに作ったらいいか等を決める時の参考にするそうだ。まあ、北京で統計を取るかどうかははなはだ疑問だが。 「王府井」駅に停まると、北京テレビのインタビュアーが乗ってきた。W氏にもマイクを向けたが、外国人と言うと、さーとマイクを引いてどこかに行ってしまった。「なんでやねん?」 この新線は途中から地上を走る。終点の1つ前の「四恵」駅からは地元民らしき人が乗ってきた。この一団はまず終点の「四恵東」駅まで行って逆向きの電車に乗り換えるつもりだったのだ。ところが「四恵東」駅は対面式フォームになっていて、一旦外に出なければ反対側の電車には乗れない。文句を言うと、駅員は「一旦外に出て切符を買って乗れ」と言う。「どういうことやねん。新しい地下鉄ができたと言うからわざわざ高いお金を出して乗ってやってるのに!」、「天安門に行くんだよ。また2元払えっていうのか。」等と口々に捲し立てる。とうとう駅長が出てきて、今回は2元払わなくても反対側の電車に乗っていいことになって、一見落着。いやーごねてみるもんですね。
さて、そのグレーボックスで、あるおっさんが切符を買おうとしていた。ところが、カードは差込口から一旦吸い込まれていき、すぐに出てきてまた吸い込まれて行ったきりで、機械の方はうんともすんともいわない。おっさんは、駅員を呼んで文句を言った。駅員はおっさんにカードを返し、グレーボックスの裏蓋を開けて中から切符を1枚取り出して渡した。おっさんは、「2回こすったから2枚よこせ」という。駅員がもう1枚渡すと、「これ同じ民族の切符やないか。56民族集めるとなにかもらえるとか言っておいて、1つの機械には同じ種類の切符しかないんやろう。」駅員はしかたなく今度は机の引き出しの中から別の民族の切符を出しておっさんに渡した。さて、そのおっさん、「どうもおかしいな?もう一度試してみよう」と言って、カードを再度機械に差し込んだ。おっさんの周りにはいつの間にか、人垣ができている。カードは先ほどの動作を繰り返し、またもや中に吸い込まれていったきりだ。野次馬たちは大笑い。おっさんは、再び駅員を呼び、切符2枚を要求。駅員がいぶかると、周りの野次馬に向かって「おい、みんなも見ていたよな。2回こすったよなあ。」周りも「そうだ、2枚だ、2枚だ」と無責任に応援する。こうして、またも2枚の切符を手に入れたのだった。おっさんはこうして4枚の切符をもらっておきながらまだ怒りがおさまらないらしく、携帯電話を振りかざしながら「やっぱり地下鉄はダメだ。おい、誰か新聞を持っていないか、俺は新聞に投書する。」と叫び出した。結局、女性駅長が登場し、「まあまあ」とおっさんをなだめ、このグレーボックス騒動はなんとかその幕を閉じることができたのであった。 |