まずトロウル。この闇の種族の中には我らの暗黒の業を快くは思っていない者もいる。
人が闇に通じる事を恐れているのだ。しかし、彼奴めらは我らの闇の力に抗う術も知って
おり、また屈強の戦士でもある。無用の闘いは避けるにこした事は無いだろう。
次にドワーフ達。かの魔道に通じた侏儒共は我らの黒鋼を不浄なる物と決めつけて
いる。そのくせ知識欲に溢れたこの職工達は黒鋼の秘密をどうにかしてお前から
引き出そうとするだろう。彼らと取引をする時はよくよく注意することだ。
ルナーの帝国は混沌を是とする不浄の輩共だ。かつて暗黒に精通した聖人アーカット
がそうした様に混沌は粛清されねばならない。しかし、大多数の帝国民は日々の生活に
おわれる只の市井の者共でしかない。卿の下した賢明な判断の様に地上にて日常を
生きる者としての現実的な選択を忘れる無かれ。
グレイズランドに住むポニー飼い達。かの小さき馬に乗る遊牧民達は、太陽を崇め
炎の魔術を用いる。もし、お前が悪魔の馬を手に入れる事があれば彼らの炎には気を
つける事だ。
嵐を崇める蛮人達。彼らは世界法則を知らぬ無知なる者である。彼らは無駄な慣習と
信仰に縛られているが、彼らには彼らなりの名誉も美徳もあるのだと言う事を知らね
ばならぬ。
最後にドラゴニュート。この半ば竜である奇妙な生き物は、我らと同じ世界に生きながら
異なる法則に従っておる。竜の理は我らにはとうてい理解出来るものでは無く
、我らには大した価値も無いものだ。彼らには関わろうとしない事だな。