Exit

実際のところ、旅行中はどんな生活なのか






●あくまで自分のスタンスで


日本縦断するにはこうしなけりゃいけないというルールは何もない。
こうした方がいいというのはあるかもしれないが、
それとて、各々の目的や予算、最優先事項なんかで、こうした方がいいってのは当然異なる。

私の場合は制約として、最も大きかったのが「費用」だった。
それも、こういう規模の旅行をするとしての費用としては、論外なほど低予算で考えていた。
そもそも、前提として、宿泊施設を利用するつもりが全くなかったのだ。
1泊1万円としても14日間で14万である。すでにその時点で旅行計画は頓挫である。

逆にそれ以外の制約は全くなかった。
知人との訪問の約束などは、ラリーのチェックポイントのように決まった時刻にその場所を通過しなければならないが、
それとて、するかしないかは自分次第。別に義務ではない。

以下は、そういうスタンスで臨んだ日本縦断ということを前提にお読み頂きたいのだが、
冒頭に言ったとおり、スタンスは各々違う。
あくまでも自分のスタンスで楽しむのが、成功の秘訣だと思う。







●ひたすら走る


私の旅行の場合、全く予備知識なし、
つまり行き先の名物とかうまいもの、観光名所なんか調べないで、
行き当たりばったりで進む。
これは、あくまでも、「道を走る」ことが目的で旅行に出ているからで、
実際に「目的地」まで走るのが「目的」なので、観光はまるでしていない。
では、どう走るかというと、地図を見て、ここは走り甲斐がありそうだというようなルートを探して、
その先にある目的地をただ目指すのである。
要するに、「目的地に行くのが目的」ではなくて、「目的地までの過程が目的」なんである。

なもんだから、興が乗ったらどんどん走る。
有名観光地、史跡名勝なんかすぐ横にあってもお構いなし。あっさり通過である。
そういう意味では夜走っても意味がない。おもしろくないからである。
そんなわけで、旅行中は自然と早起きになるのである。

幸いなことにというか、因果なことにというか、
とにかく長時間走っていても平気なので、こういう無茶ができるのであるが、
人間が平気でも、ミニの方はたまらない。
やはりある程度の距離毎に休憩は与えてやりたいもんである。
もちろん、その時には軽い目視点検くらいはしておきたい。

 出先でやるオイル交換の図







●クルマの中で寝る


宿泊施設は使わないというか、使えないのだから、クルマの中で寝なければならない。
このあたり、キャンプ好きならテント持参でオートキャンプ可能なところなんかを中継しながら旅行する手もあるんだろうが、
私はあくまでも車中泊とした。

北海道になれてると、ちょっと郊外に出れば車を路肩に止めて寝ることも可能だし、
とにかく車を停車しておくことができる場所に事欠くことはない。
ところがさすがに内地は違う。
特に市街地あたりには車を止めておけるところなんてのはそうはない。
中途半端に郊外に停めると、トイレにも困るし、治安もどうなのかわからない。
住宅密集地なんかの路上に停めて寝てたら、不審者として通報されかねない。

で、基本的にトイレ完備、治安OK、駐車しててもおとがめなしのベスト宿泊地として、高速道路のSA,PAを利用した。
ここで泊まってると、同じ手を使ってる人は非常に多い。
私の場合、ネットでリアルタイムレポートをしながら旅行を進めていたので、
モバイル接続可能という制約も加わり、寝る場所がいちばん難儀したかもしれない。
モバイルが関係なければ、案外どうにでもなるもんである。
2005年の場合は、24時間営業の全国チェーン大規模店が各地に出来てて、
そこの駐車場なんかは非常にありがたかった。
メシにも酒にも困らないモンね。

さて、ミニの中でどう寝るかってのが、最も問題かもしれない。
よほど体が小さい方でもない限り、ミニの中で体を伸ばして寝ることは不可能だ。
前部座席はある程度までしかリクライニングしない。
後部座席には旅行に必要な荷物を積んでるから、まるで使えない。
こういう状況で寝ても大丈夫というありがたくない才能がないと、
短期間ならともかく長期間の旅行はかなり厳しいと思われる。

実際には、どこで寝ようとも、結構騒音に悩まされることになるので、耳栓などの小道具は必須である。
私の場合、耳栓をして寝ると睡眠が深くなり、短時間の睡眠でも疲れがとれるので、常時持ち歩いている。
それでも、やはり疲れが完全にとれるわけでもないので、2、3日に一度は脚を伸ばして寝たいと思ったもんである。




●健康第一


クルマの中で寝るのはいいとして、
旅行で疲れているところに持ってきて、季節によっては気温の落差が激しく、
体調を崩す可能性は低くない。
出先で本格的に体調を崩したら、にっちもさっちもいかなくなるので、
絶対に油断はしないことだ。
どう考えても健康にいいことはしていないので、
その点考慮して、ヤバイと思ったら絶対に無理をしないことである。




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