Reading 2002



8月(12冊) 9〜11月(17冊) 12月(6冊)


 2002年 12月 
 人生の目的 五木寛之 幻冬舎
 「人生に目的はあるのか。私はないと思う。」
 あまり印象に残らない本でした。

 熱帯植物園 室井祐月 新潮文庫
 10の作品からなる短編集。

 日本の危機 櫻井よしこ 新潮文庫
 税制の歪み、教育現場の荒廃、メディアの無軌道・・・・・・。
 櫻井氏は、日本社会の危機的状況を指弾します。

  柳 美里 小学館
 「命」「魂」「生」そして葬送の第四幕。
 「わたしは書くことを仕事に選んだ十八歳のころから書くことを楽しんだことは一度もなのだが、これ 
 ほど苦痛を伴った作品はない。」

 堪忍箱 宮部みゆき 新潮文庫
 8つの時代小説からなる短編集。
 「堪忍箱」が実に良い作品です。

 証拠死体 パトリシア・コーンウェル 講談社文庫
 第1作の「検屍官」に比べると、今一な作品です。


 2002年 9月〜11月 
 さびしがりや詩集 さのゆり サンリオ
 勇気は
 やさしさを積みあげると
 きっと
 生まれるものなの

 オレンジハートのつくりかた 吉沢深雪 大沢書房
 女性が読む本であった。。。

 いき方上手 日野原重明 ユーリーグ
 ベストセラーになった本です。
 「私たちは、願望のなかに生きるのではなく、希望のなかに生きたいものです。なぜなら、幸福はそこ 
 にあるからです。」

 かぼちゃの馬車 星 新一 新潮文庫
 28のショートショートからなる作品集。
 「なるほど」「ご要望」「ナンバー・クラブ」「かぼちゃの馬車」が良かったです。

 エヌ氏の遊園地 星 新一 新潮文庫
 31のショートショートからなる作品集。
 「殺し屋ですのよ」は傑作だと思います。

 凶夢など30 星 新一 新潮文庫
 30のショートショートからなる作品集。
 「凶夢」が良かったです。

 読書力 齋藤 孝 岩波新書
 「「本はなぜ読まなければいけないのか」という問いに対する私の答えは、まず何よりも「自分をつく
 る最良の方法だからだ」ということだ。」
 本を読む意味を根本から説く一冊です。

 ノックの音が 星 新一 新潮文庫
 15のショートショートからなる作品集。
 全ての作品が「ノックの音がした。」という一文から始まります。
 「現代の人生」「暑い日の客」「夢の大金」など秀作が多い一冊です。

 面影橋 阿刀田高 文春文庫
 12の作品からなる連作短編集。
 「ちらし鮨」が良かったです。

 だから、あなたも生きぬいて 大平光代 講談社
 中学2年生の時、いじめを苦にして自殺を図る。その後坂道を転げ落ちるように、非行に走る。
 16歳で「極道の妻」になり、6年間、その世界に生きる。
 現在の養父・浩三郎さんに出会って、立ち直り、猛勉強の末に司法試験に一発で合格する。
 現在、弁護士として活躍中。
 前向きに生きることを教えられる一冊です。

 すべての答えは自分にあった 船井幸雄 徳間書店
 すべての答えは自分にある。

 世界のひびわれと魂の空白を 柳 美里 新潮社
 柳美里さんの熱情にあふれたエッセイ集です。

  柳 美里 小学館
 ベストセラー「命」の第三幕。
 癌の進行は止まらず「余命一週間」と宣告された。

 いのち、生ききる 日野原重明 瀬戸内寂聴 光文社
 日野原さんと瀬戸内さんの対談集。
 「私は「よく死ぬ」というなかで、いちばん大切なことは、「生まれてきて意味があった、あなたたに
 感謝する」という言葉を残していくことだと思うのです。」

 ゴールドラッシュ 柳 美里 新潮文庫
 生きることはゲームだと思っていた少年が、信じるという心を取り戻すまでを描く、感動的長編。
 「ひとを信じる、ひとを殺す、どちらもよく似ている気がする。ひととひとが強く結び合う、強く結び
 過ぎて切れる、切る。なぜそれほどまでに他者を必要としなければならないのだろう。」

 スピリチュアル・ブック 江原哲之 三笠書房
 「一般の家庭でも「最近よく花が枯れるな」と思ったら、家族の誰かが悲しんでいたり、疲れていたり
 します。植物は、そういうシグナルを出してくれるのです。同時に、人間の身代わりになって枯れてく
 れる場合もあります。植物が枯れないと、人間が枯れるのです。」
 昨年、私が渋谷の地下街で買ったサボテンが枯れた。私の身代わりに死んだのだ。

 早わかり聖書 生田 哲 日本実業出版
 聖書の入門書です。聖書を読もうとする人は、まずこの本を読んでから。


 2002年 8月 
 海峡の光 辻 仁成 新潮文庫
 1997年に芥川賞を受賞した作品。
 「それでも私は女を時々見つめ、女も私を見つめ返した。絡み合うほどの視線の応酬はなかったが、視 
 線を逸らすたびにお互いが遠慮しあい、ちらちらと感情の移り変わりを追い掛け合った。」
 解説で江國香織さんが、
 「ここでは、何かがあって、それを表現するために言葉があるのではない。まず言葉があり、言葉が何
 かをつくりだすのだ。辻さんの小説のその本質的な文学性に、私はたびたびおどろかせる。」と書いて
 います。

 花惑い 阿刀田高 角川文庫
 11の作品からなる短編集。
 恋はいつからはじまるのか。切ない心の機微を描いた、大人の恋の物語。
 「男と女の関係は、いつだって全貌が見えるわけではない。一対の男女はたった一つのリングで繋って
 いて、ほかの部分は見えない。」
 解説で藤本ひとみさんが、
 「この『花惑い』は、ソフトでおしゃれな味の作品で、私は、阿刀田さんの守備範囲の広さを見せつけ
 られた気がする。」と書いています。

 自己破産借金地獄脱出マニュアル 井樋克之 日本文芸社
 あぁ、私って何ていう本を読んでいるんだか。。。
 借金地獄にはまっていて、自己破産しようとする人、必読の一冊です。

 かきおき草子 瀬戸内寂聴 新潮社
 パワフルな寂聴さんから元気の出るメッセージ。
 「『烈しい生と美しい死』を、座右の言葉にしていた頃は、四十代の盛りの年齢であった。人も、事件
 も、思い出も、あらゆるものは過ぎて行く。何処へ。それがわからないから、生きていられるのであろ
 う。」

 恐怖コレクション 阿刀田高 新潮文庫
 36のエッセイと「ブラックユーモア私論」「日記から」からなる作品。阿刀田高氏の入門書。
 「私たちは、すべてのがれない苛酷な運命を担った死刑囚なのだ。」

 100万回生きたねこ 佐野洋子 講談社
 私の愛読絵本。涙が出る作品です。

 しあわせ レイフ・クリスチャンソン 岩崎書店
 しあわせってなに
 自信をもつこと
 自分をたいせつにすること
 そして
 自分と同じくらい
 ほかの人も たいせつにできること

 やさしい関係 阿刀田高 文春文庫
 12の作品からなる短編集。さりげない日常の中から、男女の機微や人生の手触りを鮮やかに掬いあげ
 た好作品ばかりです。
 解説で山崎洋子さんが、
 「阿刀田さんの、そして、阿刀田作品の魅力は、上手につけた香水のようなものではないだろうか。」
 と書いています。

 宇宙のあいさつ 星 新一 ハヤカワ文庫
 20のショートショートからなる作品集。
 なんと言っても「宇宙のあいさつ」は素晴らしい作品です。

 天の梯子 三浦綾子 集英社文庫
 祈りとは何か、<主の祈り><神との対話>とは何かについて、分かりやすく語る、祈りについての入
 門書です。

 五体不満足 乙武洋匡 講談社
 「障害は不便です。だけど、不幸ではありません。」
 今更読みました。深く感動しました。
 「だが、必ず誰しもが「自分の役割」を持っているのだ。」

 ヴィヨンの妻 太宰 治 新潮文庫
 映画「ピカレスク」を観たので、読みたくなりました。
 やっぱりいい。



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