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ほんだ歯科における治療
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口臭治療の実際--ほんだ歯科における治療手順
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◆家族や医療機関にも理解されない口臭の問題-ほんだ歯科の取り組み
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◆ほんだ歯科口臭外来治療体験談と官能検査:続編(開さんの卒業時)
◆ほんだ歯科治療体験記:開さんの場合(卒業後)
◆ (歯科医師向け)・・・精神科的幻覚による自臭症はほとんど存在しない。新しいリエゾン治療の方向性
◆ほんだ歯科(及び提携クリニック)の治療終了はどのようにして決められるのか??? |
(歯科医師向け)・・・精神科的幻覚による自臭症はほとんど存在しない。
新しいリエゾン治療の方向性
(歯科医師向け)・・・精神科的幻覚による自臭症はほとんど存在しない。新しいリエゾン治療の方向性−1
名前:HONDA 8/9(土)03:39
先日ほんだ歯科の口臭外来とリエゾンをおこないチーム医療を行なっている精神科医と、症例の検討会・反省会を行い次のような点に関して意見の一致を見た。
従来の考え方では、口臭患者の大半をなす、通常会話では口臭を客観的に認知できない自臭症に対して、生理的口臭について悩む患者に対しては「誰にでもあること」を認知させ納得させ、それに応じない場合は機械的検査などによって患者を説得し、それでも納得しない場合は精神科に紹介、というのが常識とされてきた。
そのために多くの歯科開業医は、「口臭治療を行えば、おかしな患者がやってくる」という偏見と治療の困難さから、非常に多くの治療ニーズがあるにもかかわらず、長い間誰も積極的に治療を行なうことができなった。
叉、明確で再現性のある確実な具体的治療プロトコールがない為に、診療報酬も請求できないことから業務としての口臭治療が成立しなかった。
現在も多くの歯科医が、口臭患者に対して偏見や誤解を持っている。
診断が不可能な口臭測定(再評価や客観的に認知できない自臭症患者治療では再評価は不可欠)による診断と一般歯科治療で対応できると信じている歯科医が多いが、いざ手がけると全く対応できないことに気がつく。 結局は口臭測定器を購入しても塵が積もったままの歯科医院が大半であるのが現実である。
おそらく、多くの自臭症患者は、このような扱いを受けることにより医療不信を抱いたり、口臭治療に絶望することが多い。その結果、別の要因から精神的問題を抱えていってしまいかねない。これでは医原性に心身的問題を作り出す危険性がある。
自臭症患者は稀な症例ではなく、90%の国民は自分自身の口臭に対して不安を抱いていることから潜在的な患者は非常に多いことが示唆される。当然自分の口臭が気になって自分の意思で治療にやってくるので、口臭外来では自臭症の人が多くなって当たり前なのである。 他臭症の人は自分では判らないし、たいして悩まない。それゆえに、周囲の人が困ることが多い。この掲示板でも他臭症の場合は、周囲の人からの相談が多いことからもわかる。 叉、一部の病的口臭患者は、通常の一般歯科治療で十分対応できるので専門的な口臭治療は必要ない。
ほんだ歯科では、このような圧倒的多数の解決のむずかしかった患者に対して、不確定な精神科的診断は行なわず精神薬などを用いないで歯科的なアプローチのみで対応してきた。
また、診断方法を明確にし、再現性のある治療システムの構築を行い、治療成果全てを公開し外部に評価をゆだね、治療法の普及に努めている。
但し、治療を終了し無臭化が納得できたとしても、依然強い精神的不安を残し、精神生活の向上をはかることが出来ないケースがあり、コンセンサスの取れた患者に対して、口臭に対するケアーを行ないながら、過剰な精神不安の専門的コントロールをほんだ歯科の口臭治療方法に精通する精神科医と連携治療(リエゾン)を行い患者の精神生活の質の向上に努めてきた。
(医歯科向け)・・・精神科的幻覚による自臭症はほとんど存在しない。新しいリエゾン治療の方向性−2
名前:HONDA 8/9(土)03:56
既に、ほんだ歯科では、大学病院などの口臭治療でも解決できなかった深刻な自臭症例について1200例以上の治療を行ない、そのうち無臭化が維持できているが治療後も強く精神不安が消えず精神科医とのリエゾンを必要とした症例は約500例のうち、わずか11症例であった。
11例のうち、精神科医の診断によって精神科的疾患としての真性の口臭妄想症は、わずか1例にすぎなかった。 この1例は、当然精神科医の専門治療によって快方に向かっている。 他の10例については、その他の精神科的要因であって、妄想症ではなかった。多くは、長い間の口臭の問題が解決出来なかったことから来る精神的問題であったり、口臭の問題を引き起こすトリガーとなった別のバックボーン由来の精神的問題であることがわかってきた。
したがって、この10例については、口臭そのものが精神的幻覚ではないので、口臭治療が必要な人たちであった。
口臭治療が無効で、本当に精神的療法のみで対応できるケースは約500症例中1例に過ぎないことがわかった。
したがって、従来からの考えで口臭治療を行うと、誤って多くの人に対して、口臭に対するケアーを受けられずに精神科的疾患として認定されてしまい、かつ、精神科では口臭は解決できなくなる危険性があると考えられる。 精神科で解決できるのは、自臭症の中でも非常にまれな真性の精神科的妄想症のみということになる。
従来からの、基礎研究者が提唱してきた圧倒的多数の、自臭症患者のうち生理的口臭も受け入れず、機械的検査によっても納得しない患者を全て精神科医に治療を依頼してしまう短絡的な治療プロトコールは誤診を招き、問題をより複雑にしてしまい、その結果、患者に違う形での精神科的問題を引き起こさせてしまう可能性が高い。
さらには患者の人格や尊厳さえも無視する危険性があると考えられる。
叉、精神科医の立場からも、今回のこの試みは大変興味深く初めての経験として多くの専門的な分析が試みられている。
精神科医の立場からも、口臭専門医が主体となって口臭をケアーしながら精神科医に精神的問題の解決を図ることの重要性が示唆された。
精神科医にとって、一方的に口臭専門医から治療を委託されるケースとは治療結果が全く異なってくることがわかってきた。
これらの新しい知見に関しては、現在私が連載執筆中の日本歯科新聞社発行のアポロニア10月号において精神科医からみた口臭治療についてのリエゾンの重要性についてゲスト発表してもらう予定でいる。 是非読んでみてください。
従来から専門機関で試みられている精神科医が主体となり歯科医と行なうリエゾンではなく、口臭専門医が主となった精神科医とのリエゾン治療の重要性は今後の口臭治療の流れを変えていくものであると考えられる。
ほんだ歯科および提携クリニックでも、口臭専門医を中心とした、耳鼻科・内科・婦人科などの関連科医および精神科医とのリエゾン体制の構築を進めている。
-2003年-
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