クロスカントリースキーの概要 競技クロスカントリースキー
クロスカントリーの概要
競技クロスカントリースキーの概要


 競技クロスカントリースキーは、FIS(国際スキー連盟)SAJ(全日本スキー連盟)に登録された選手が出場でき、順位を争う競技で、短い1200mで順位を争うスプリント種目から、長距離は50Kmまでの種目がある。

走法については、クラシカルテクニックとフリーテクニックの二つの走法があり、足を前後に開き後方の足キック及びポールで押し滑走するクラシカル走法と、足を斜め前方左右に開きスケーテングを行うと同時にポールで押し滑走する、フリー走法とがある。

競技方法としては、個人競技と団体競技(チームスプリント、リレー)がある。

個人競技は、30秒間隔でインターバル・スタートし所要タイムで順位を決める昔からの方法、チームスプリント、リレー、パシュートのように、マス(一斉)・スタートし何周かしてフィニシュラインで順位を決める方法、スプリントのように、最初予選は10秒又は、15秒間隔でインターバル・スタートし16人を準々決勝に進出させ、準々決勝からは決勝までは4人ずつのヒート戦(トーナメント)で順位を争う競技方法等がある。

 団体種目は、昔からのリレー種目女子は4人1チームで各々5Kmを走り、男子は4人1チームで各々10Kmを走る、新しいチームスプリント種目は、1チーム2人で各々約1200mを1周で中継し、交互に3周する種目である。

最近の競技クロスカントリーは、スタジアム及びコース上の観衆に見せるため、コースが短く何度も周回し、マス(一斉)・スタートするのでコース幅を広く、夏のマラソンのように、先頭を走っている競技者が1位であるため、観衆にとっては判り易いスポーツに変わってきている。

観客が選手を応援するポイントは大きな登りが良く、強い競技者は大きな登りで力を発揮し抜き去るケースが多い、また競技者同志の駆け引きも大きな登りで行われるからだ。      次の観戦箇所としては、マス(一斉)・スタートが多くなったため、フィニッシュ前100mからフィニッシュラインまでの争いもエキサイテングである。

一方ヨーロッパでは、競技クロスカントリーが、茶の間のスポーツとして、テレビで放送されるために、コースが短いことはテレビ映像制作のケーブルが短くて済みコストが軽減されると共に、マス(一斉)・スタートが多いため、競技が面白くスポーツとしての商品価値が上がりスポンサーが付き易くなってきている。
質の高い競技をテレビで全世界に発信し、競技クロスカントリースポーツをメジャーに変えていくことを目的として、現在競技クロスカントリースキーは改革の道を歩んでいる。

オリンピック及び世界選手権大会のクロスカントリー競技種目

女子競技種目 スプリント0.8〜1.2KmC/F チームスプリント0.8〜1.2KmC/

       リレー(4×5Km) /F     インターバル10KmC/F

       パシュート(7.5Km+7.5Km)   マス・スタート30KmC/F

男子競技種目 スプリント 1〜1.4KmC/F  チームスプリント 1〜1.4KmC/F

       リレー(4×10Km) /F     インターバル15KmC/F

       パシュート(5KmC+5KmF)  マス・スタート50KmC/F

走  法   クラシカル走法() とフリー走法()があり、オリンピツク及び世界選手大会では

       隔年同一種目の走法を交互に変えて実施する。

競技種目と周回(標準的)

女 子    リレー(4×5Km) /F    C=2.5Km2周      F=2.5Km2周

       インターバル10KmC/F      5Km2周

       パシュート(7.5Km+7.5Km)   C=2.5Km3周      F=2.5Km3周

       マス・スタート30KmC
/F       .5Km4周

男 子    リレー(4×10Km) /F   C=3.3Km3周      F=3.3Km3周

       インターバル15KmC/F      5Km3周       .5Km2周

       パシュート(15Km+15Km) C=3.75Km4周 F=3.75Km4周

       マス・スタート50KmC/F      .35KmKm6周

走 法    クラシカル走法() とフリー走法()があり、オリンピツク及び世界選手権大会では
       隔年同一種目の走法を交互に変えて実施する。


種目別スタート及び競技方法

スプリント   最初は予選で、国際大会ではFIS(国際スキー連盟)、国内大会ではSAJ(全日本
        スキー連盟)ポイントの悪い競技者から、良い競技者の順に10秒又は15秒間隔で
        スタートして、所要タイムで上位16競技者が準々決勝に進出する。
        準々決勝は1組4人で4組がヒート戦(トーナメント)を行い、各組2名が準決勝に進み、
        準決勝各組
12位が決勝A組に出進し、同各組34位が決勝B組に出進する。決勝A組は
        1位から4位、決勝
B組は5位から8位となる。

チームスプリント 各国1チームが出場でき1チームは2名で構成される。
        スタートは3〜6列のハンデキャプスタートで、スタート位置は国際大会はFIS、
        国内大会はSAJポイント
2人を加え良いチームが左最前列で、次のチームは2〜3m
        後方2列目となり3列
4列と暫時続く、競技は最初スタートの競技者が1周でもう1人の
        競技者に中継し、これを交互に最低3回繰り返す。

        一斉スタートであるから、勿論最初フィニッシュラインを横切った競技者のチームが
        1位である。

リレー     女子、男子とも
1走者はマス(一斉)・スタートで横一列に各チームが並び、もし狭い
        場合は更に4
後方に横一列に並ばせる。1走、2走はクラシカル走法でクラシカル
        コースを走り、3走、4走はフリー走法でフリーコースを走り行われる。リレーの中継は
        競技者が走ってきて、中継ゾーン内で手によって、次の競技者の体に触れて完了する。
        マス(一斉)・スタートなので最初にフィニッシュラインを横切った競技者のチームが
        1位となる。

インターバル  スタートは、競技者が15秒又は30秒間隔でスタートする。スタートの順番は、通常
        クラシカル走法の場合は、国際大会はFIS、国内大会はSAJポイントの悪い競技者
        から順番でスタートし最後にFIS又はSAJポイントの良い強い競技者がスタートする。
        また全参加者をFIS又はSAJポイント悪い競技者から良い競技者に並べ、4グループに
        分けグループ毎にドローを行い、悪いグループドロー順番からスタートし、最後に強い
        グループドローの順番でスタートする方法もある。


        通常フリー走法の場合は、全参加者をFIS又はSAJポイント悪い競技者から良い
        競技者順に並べ、4グループに分け、FIS又はSAJポイント2番目に強いグループ、
        次に1番強いグループ、次が3番目に強いグループ、そして最後4番目1番弱いグループ
        がスタートする方法を用いる。


        また、全参加者をFISポイント悪い競技者から良い競技者に並べ、4グループに分け
        グループ毎にドローを行い、2番目に強いグループのドローによって1番の競技者から
        スタートし、次に1番強いグループドローの順番、次が3番目に強いグループドロー順番、
        そして最後に4番目1番弱いグループドロー順番でスタートする方法を用いる場合がある。


        成績は、競技者のスタートからフィニッシュの所要タイムで決まるため、競技中はどの
        競技者が何位で走っているかは判からず、観衆にとっては人気がない種目である。


パシュート  スタート方法は、約15列位の矢形のスタートラインを設け、後方約2mに同じ約15列の
       矢形のスタートラインを設ける。参加競技者が75人の場合は15列の矢形のスタートライン
       が5段必要となる。


       競技者のスタート位置は、FIS又はSAJポイント1番良い選手が最前列中央、FIS
       又はSAJポイント2番目良い選手が最前列中央の右側、FIS又はSAJポイント3番目
       良い選手が最前列中央の左側と、以下順次FISポイントに従い矢形のスタート位置に付き、
       スタートはマス(一斉)・スタートで行う。 


       マス・スタートはクラシカル走法なので、スキー、ポール、靴はクラシカル用具を使用し、
       何周かして男子15Km、女子7
.5Kmを走り終ったら、用具交換ボッツクスでフリー
       走法用のスキーと交換しなくてはならない。ポールと靴は交換しても、交換してもどちら
       でも良い。
       フリー走法で何周かして男子15Km、女子7
.5Kmを走り終ったらフィニッシュする。

       成績は、マス(一斉)・スタートなので夏のマラソンのように、常に1番で走っている
       競技者が1位であり、1番目にフィニッシュラインを横切った競技者が1位となるので、
       観衆にとっては非常に判り易い競技方法である。


     なお、オリンピック、世界選手権、ワールドカップ以外の競技会では、クラシカル走法の前半と
     フリー走法の後半の間に休憩を3時間以上入たり、又は翌日後半を行うこともある。

マス・スタート マス(一斉)・スタートは、スタート方法がパシュートと同じで、約15列の矢形の
        スタートラインを設け、後方約2mに同15列の矢形のスタートラインを設ける。
        参加競技者が75人の場合は15列の矢形のスタートラインが5段必要となる。
        競技者のスタート位置は、FIS又はSAJポイント1番良い選手が最前列中央、
        FIS又はSAJポイント2番目良い選手が最前列中央の右側、FIS又はSAJ
        ポイント3番目良い選手が最前列中央の左側と、以下順次FIS又はSAJポイント
        に従い矢形のスタート位置に付き、スタートはマス(一斉)・スタートを行う。

        また、スタート位置を決めるのに、全参加者をFIS又はSAJポイント悪い競技者
        から良い競技者に並べ、4グループに分けグループ毎にドローを行う。FIS又は
        SAJポイント一番良いグループのドローで1番になった競技者は最前列中央、
        2番は最前列中央の右側、3番は最前列中央の左側以下順次続く。FIS又は
        SAJポイント二番目に良いグループのドローによりスタート番号が決まったら、
        一番良いグループの後に続く、以下順次三番目、一番悪いグループドローの結果
        によりスタート位置を決める方法もある。


        成績は、マス(一斉)・スタートなので夏のマラソンのように、常に1番で走っている
        競技者が1位であり、1番目にフィニッシュラインを横切った競技者が1位となるので、
        観衆にとっては非常に判り易い競技方法である。


ウエーブスタート このスタート方法は、よくコンバインド競技のスプンント種目7.5Km及び
         グンダーセン15Kmに用いられる。前半ジャンプ競技が行われ、ジャンプの得
         点成績1位が後半のクロスンカントリー1番で最初にスタートする。以下ジャンプ
         の得点成績2位の競技者が、1位の競技者との得点差をタイムに換算し、そのタイム
         差で2番目にスタートし、以下順次同じ方法でスタートする。


         しかし、ジャンプの得点差が大きく開くとスタートが遅くなり、2.Kmコース
         周回を使用している場合1周抜かれるので、観衆は誰が1位で走っているのか判ら
         なくなる。
そこで例えば2.5Kmコース使用の場合、1番のスタートから4分以後
         にスタートする競技者を、10秒間隔で何人かづつまとめて何回かスタートさせる
         方法をウエーブスタートと言う。


         成績は1番先頭を走っている競技者が常に1位であり、1番でフィニッシユラインを
         横切った選手が1位となる。またウエーブスタートした競技者は、所定のスタート
         タイムより早くスタートしたタイム差を、所要タイムに加算し成績が与えられる。