Note 2006.3.31
バッテリーに関する実験 その3
「寒冷地では一回り大きめのバッテリーの方がよい」
「バッテリーは用心のために容量の大きいものを」
などと言われるのには、当然のことながら理由がある。
その理由とは容量40のバッテリーを敢えて使うことのリスクそのものでもある。
バッテリーは化学反応によって蓄電および放電をするものだ。
したがって、その化学反応が促進される適温というものが存在する。
適温があるということはその逆もあるわけで、
低温になればなるほどその化学反応は抑制される。
このため低温時にはバッテリーはその本来の性能を発揮できず、
能力が低下するのである。
このとき、たとえ能力が低下した状態でも、
より能力の大きいバッテリーの方が必要な能力を満たしやすいということなのだ。
40の能力が半減すれば20だが、60の能力が半減しても30である。
これが前回、「問題は冬期間に低温でバッテリーの効率が落ちた状態で、
シーズン通して安定してセルモーターが回せるか」と書いた理由なのである。
また、バッテリーは深い放電と満充電を繰り返すことでより消耗するそうだ。
このことはバッテリーの寿命と密接な関係がある。
浴槽とプールからバケツ1杯の水を汲むのを想像してみてほしい。
どちらが余裕があるかと言われれば、当然後者からであろう。
セルモーターを回すための電力はバッテリーに関わらず一定である。
このとき、40と60のバッテリーを比較すると、その電力を取り出されることが
前者にとってより負担の大きいことだということは明白である。
こういうことから、少なくとも同じ使い方をすれば
より容量の大きい方が安心だし寿命が長いはずなのである。
では、なぜ大きい方がより安心なのに、
今回敢えて40を使用しようとしているのだろう。
ここで、前回の冒頭で述べたコストという話になってくるわけである。
40とそれ以外のバッテリーの価格差は3倍近い。
となれば、寿命が3倍長くなければ意味がない。
性能差と価格差を秤にかけ、
実際の使用時に価格差ほどの性能差が出なければ
40を使う方がより経済的だということになるのではという試みだということである。
もちろんこれは、通常の使用において全く問題がないのでなければ意味がない。
我慢しながら40を使っての話なら、経済的もくそもないのである。
実験が成功に終わるか、安物買いの銭失いになるのか。
長いスパンでの実験なので、興味をお持ちになった向きは
気長にレポートをお待ち頂きたい。
ところで。
40のバッテリー(5時間率28Ah)を並列つなぎしたら、
80のバッテリー(52Ah)と同等以上にはならないのかねぇ。
誰かそういうことに詳しい方、教えて頂けないでしょうか。
こんな話をしてる間、
小学生時代の豆電球と乾電池の実験が頭に浮かんでるような有様なもんで。
(Weblog 2006.1.23 の記事に加筆)