Reading 1999



4月(11冊) 3月(10冊) 2月(10冊) 1月(10冊)


 1999年 4月 
 斜 陽 太宰 治 新潮文庫
 8回目だと思う。。。(爆) 9回目かもしれない。。。(再爆)                 
 何回読んでも良いものは良い。うんうん。 斜陽を御覧ください。

 パンドラの匣 太宰 治 新潮文庫
 2回目 最初読んだ時よりも、『正義と微笑』も『パンドラの匣』も良いと思った。
 特に『パンドラの匣』はいいなぁ、、、良い言葉、良いフレーズの宝庫だよね。
 太宰治にとって、初めての新聞連載小説なんだけど、当初予定の半分くらいで、やめたんだよね、、、
 だから、後半は急いでいる感じがする。。。残念。

 道ありき 三浦綾子 新潮文庫
 三浦氏の自叙伝。感動した、涙出た。
 13年間の闘病生活があったとは知っていたが、この作品を読んで闘病生活の様子がわかるとすごいと
 思った。そのうち何年もは、寝たきりだったのだ。
 この苦労が三浦氏の作品にあらわれていると思う。

 ひつじが丘 三浦綾子 講談社文庫
 「愛することは許すことだよ、どこまでも許すことだよ」心にしみた。どんなに愛する人でも、その人
 が犯した過ちを許すことが出来るだろうか。
 ひつじが丘って、あの札幌のひつじが丘のことだったのねん。。。(笑)

 ヴィヨンの妻 太宰 治 新潮文庫
 突然また読みたい衝動に駆られて読んだ。全作通して読むのは、3回目。
 やっぱりいい。 トカトントン。 太宰治の作品も御覧ください。

 この土の器をも 三浦綾子 新潮文庫
 三浦氏の自叙伝パート2。結婚してから、名作『氷点』が世に出るまで。
 三浦綾子氏はもちろんすごいが、夫の光世氏はもっとすごい。
 こんな男性と結婚しましょう。

 大河の一滴 五木寛之 幻冬社文庫
 1年で文庫になった、昨年買わなくて良かったぁ。。。(笑)
 こういう本を読んで元気になろう。

 ブランこのむこうで 星 新一 新潮文庫
 久々に星氏を読む。
 星氏らしい、素晴らしい発想の数少ない長編。

 読書力 ハイブロー武蔵 総合法令
 単行本の割に値段が安かったので買った。。。(爆)
 なかなか良かった。何か安心した。

 らせん 鈴木光司 角川文庫
 『リング』の続編。
 途中までは、非常に面白く読んだが、私にとっては後半がちょっと、、、という感じ。
 『リング』の方が良かった。『リング』で終わっていた方が良かったように思う。

 幻の光 宮本 輝 新潮文庫
 短編集。関西弁(?)での独白で語られている表題作『幻の光』は良かった。
 何かしみじみする。長編に出来たのではないかなぁ、、、それとも短編だから良いのか?


 1999年 3月 
 黄金を抱いて翔べ 高村 薫 新潮文庫
 女性が書いたとは思えないほど、男の心理、特に主人公の心理を緻密に描写してる。
 爆弾の製造方法、発電所、エレベーターなどなど、よく調べている、すごい。
 ただ、大阪なので、場所がよくわからなかった。

 ガラスの肖像 阿刀田高 講談社文庫
 女性の小物をそれぞれテーマにする、連作短編。
 『精霊流』『夜間飛行』が良かった。

 草野球の神様 ビートたけし 新潮文庫
 4つの短編、みんなそれぞれ面白かった。ビートたけしって、すごい才能ある。並ではない。     
 特に本のタイトルでもある『草野球の神様』は、泣けるくらいの傑作。心理描写、非常に上手い。

 きりぎりす 太宰 治 新潮文庫
 久々に読む。私が一番初めに読んだ太宰治の短編集。前に読んだ時より、読みやすかった。
 『燈籠』『黄金風景』『水仙』『日の出前』『千代女』はいいね。
 『畜犬談』『佐渡』は面白い。充実した短編集と言えるでしょう。
 太宰治の作品も御覧ください。

 恐怖同盟 阿刀田高 新潮文庫
 10の恐い短編。ちょっと気持ち悪くなるものもあった。→『血』
 『雲』『道』『老』が良かった。

 回想 太宰治 野原一夫 新潮社
 読むの3回目。今回は昨年発行された単行本を買って読んだ。
 私はこの本を人から借りて読んで、太宰治にはまった。。。(笑)
 何度読んでもいい、今回は1日で読めた。傑作。

 家族シネマ 柳 美里 朝日新聞社
 芥川賞受賞作品。2年前に買って今頃読んだ。最近柳さんが新聞に出ていたので。。。
 感性豊かな人ですね。3つの作品の中では『真夏』が良かったなぁ。

 鳩笛草 宮部みゆき 光文社
 『クロスファイア』を人からもらったので、読もうとしたら、作者の言葉に『クロスファイア』を読む
 前に短編集『鳩笛草』の中の『燔祭』を立ち読みでもいいから、読んでください、と書いてあったので
 買って読んだ。
 3つの短編とも超能力を持った女性が主人公。『燔祭』以外の2編の続編も期待したい。

 新約聖書を知っていますか。 阿刀田高 新潮文庫
 処女受胎の矛盾など、阿刀田氏らしい切り口で面白かった。
 イエスはだんだん神になった、イエスもそう思っていた。なるほど。

 クロスファイア 宮部みゆき 光文社
 念力放火能力を持った青木淳子が、法では裁かれない悪を打つ。
 正義とは何か。
 連載執筆中にヒロインの青木淳子が宮部みゆき氏の耳元でささやいた。
 「私を早く世に出して」
 その願いを聞いた宮部氏は、まさに超人的なスピードで後半部分を書き上げ完成させた。
 感動の作品。
 後半部分は一気に読まないといけないよぉ〜。


 1999年 2月 
 まどろみの秋 藤堂志津子 新潮文庫 
 ミステリーっぽくて、甘いだけの恋愛小説に終わっていない。
 主人公、涼子の心の動きを緻密に描写している。
 男でも女でも嫉妬心が強い人は恐い。でも嫉妬しない人なんかいないかも?

 私たちが好きだったこと 宮本 輝 新潮文庫 
 私にしてみれば、最初の方からラストへの展開が意外であった。
 私だったら、愛子は許せないし、芳くんの気持ちは分からない、寛容過ぎると思った。
 心に何か突っかかりが残る作品。だけど、宮本輝はうまいね。
 今、ラブラブの人は読まない方が良い。

 キリストの誕生 遠藤周作 新潮文庫
 『イエスの生涯』の続編。難しかった。でも、これでも、わかりやすい方なのでしょう。聖書を未だ、 
 全部読んでいない私の理解不足か?(爆)『イエスの生涯』をもう1回読まなければと思う。
 「強きステファノ、弱きペテロ」とポーロの話が印象的。
 氏の言葉ではないが、「イエスはキリスト教信者ではなかった」ってすごいよね。

 蜘蛛の糸・杜子春 芥川龍之介 新潮文庫
 『蜘蛛の糸』『杜子春』は何回読んでも良い、傑作中の傑作と言えるだろう。
 しかし、私は『蜘蛛の糸』について、決定的におかしいと思う部分があるので、今度まとめてみたい。
 『蜜柑』『トロッコ』は初めて読んだが、主人公の心の移り変わりの描写が巧み。

  森 鴎外 新潮文庫 
 高利貸の妾に関わる話とのことなので、もっとすごい内容かと思ったのだが、哀愁漂う作品ですね。
 切ない、ほのかな恋、すれ違い、いいね。名作だ言われる理由がわかった。

 アイデアを捜せ 阿刀田高 文春文庫
 ここまで自分の手の内を書いてしまって良いのかって感じです。
 これから小説を書こうと思う人には、非常に参考になると思います。何となく書いてみようかなでは、
 なかなか書けないよね。
 芥川龍之介の『南京の基督』と志賀直哉の『小僧の神様』が似てるとしている、氏の目の付け所がすご
 いと思った。やっぱり普通の人とはちょっと違うね。

 理 由 宮部みゆき 朝日新聞社
 理 由を御覧ください。

 人間失格・桜桃 太宰 治 角川文庫
 太宰治の作品 代表作を御覧ください。

 リング 鈴木光司 角川文庫
 映画化されていて、流行っていつつも、作品自体は前のもので、文庫化されているので、読んでみた。 
 めちゃくちゃ面白くて、恐かった!!面白いってゲラゲラ笑う面白さではないよ!
 とにかくね、読んでなくて興味ある人は是非!!読んでみてちょーだい!
 ホントは、面白くて恐い理由をもっと書けたら良いのだけど、ちょっとでも書いたら、読む時の面白さ
 &恐さが半減するので、書けない。
 読み始めたが最後、終わりまで一気に読まないと夜道1人で歩けなくなっちゃうよ。(笑)
 かと言っても、血とか内蔵がドロドロってようなスプラッタ物でないからね。
 恐さを人間の内面に求めているところが、すごいと言えるのでしょうか。

 新約聖書入門 三浦綾子 光文社文庫
 聖書の全部を網羅しているわけではないが、非常にわかりやすかった。
 説得力があるし、色々調べているので、聖書のこと知りたいと思う人にはおすすめ。
 『旧約聖書入門』も読んでみたい。その前に聖書を全部読まなくちゃ。。。(笑)


 1999年 1月 
 走れメロス 太宰 治 新潮文庫
 この文庫を全編通して読んだのは2回目。『満願』『駈込み訴え』『走れメロス』は素晴らしい作品。
 自伝的な『東京だより』も収載されており、この文庫は初めて太宰治を読む方にむいていると思う。
 太宰治の作品も御覧ください。

 歴史からの発想 堺屋太一 新潮文庫
 堺屋氏の本を読んだのは2冊目。氏の着眼点はすごいと思う。

 真昼へ 津島佑子 新潮文庫
 津島佑子氏は太宰治の次女。母(美知子氏)と兄(正樹氏)の事がたくさん書かれていて、太宰治が
 死んだ後のものすごい苦労がわかる。どこまでが真実なのか、非常に興味深い。

 魔術はささやく 宮部みゆき 新潮文庫
 宮部みゆき氏の作品は初めて読んだ。今年、宮部氏が直木賞とったから読む気になったわけではない。
 ストーリーに矛盾がなく、しっかりとした構成。読む者をグイグイ引っ張り込んでいってしまう。
 しばらく宮部みゆき氏の作品を読むつもり。

 プリズンの満月 吉村 昭 新潮文庫
 吉村昭氏は、第2回太宰治賞の受賞者。主人公は架空だが、内容は真実に基づいているとのこと。
 戦犯に対しての考え方が間違っていたとわかる。

 早く昔になればいい 久世光彦 新潮文庫
 「ずっと隠れ太宰だった。」という久世光彦氏だが、この作品は太宰治とは関係ない。しかし、太宰治
 の影響を受けている事がよくわかる。内容は、、、ちょっと書くの難しいね。。。

 太宰治 絶唱 片山英一郎 古川書房
 数々の太宰治に関する誤った認識の真実を書いている。何度も言うが、山崎富栄は悪女ではない。

 オリンポスの果実 田中英光 新潮文庫
 田中英光氏は、太宰治を師とあおぎ、この作品の題名は太宰治がつけ、出版社に紹介したのも太宰治。
 この作品のような恋愛小説は、真似できないと思う。ラストの一文が印象に残る。
 田中英光氏は太宰治の墓前で自殺した。

 広き迷路 三浦綾子 新潮文庫
 三浦綾子氏に珍しく(?)ミステリーの作品。しかし、ありがちなただのミステリーで終わっていない
 所が三浦綾子氏らしい。私も広き迷路に迷い込んでいるかもしれない。

 だれかに似た人 阿刀田高 新潮文庫
 阿刀田高氏の作品読んだのは久しぶり。難しくないから一気に読める。人間の心理はついていると思う。



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