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口臭についての考察
◆しぐさを気にする方へ
◆「生理的口臭」についての、文化的考え方
◆口臭は本当に治るのか?(ほんだ歯科における口臭への取り組み姿勢について)
◆治療治療終了後におけるしぐさの問題について
◆ハリメーターの測定値の不安定についてと舌苔除去について
◆先生が気にならないと言ったことについてーどう考えるか?
◆口臭を引き起こさない能力は子どもの時から・・母親の心得
◆口臭は遺伝するか?
◆口臭は5メートル離れていても届くか?
◆口臭は本当に誰でも絶対に治るのか・・・・・・口臭に対する私の考え方
◆世にも不思議な口臭外来
◆口臭の客観的評価を得ることの重要性について
◆嗅覚の特性の不思議について
◆鼻をすするしぐさについて
◆口臭にかんするいじめや、取り巻く社会的背景について−行動心理について
◆自分自身を知り、認めるということについて
◆人のしぐさについて
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口臭に関するいじめや、取り巻く社会的背景についてー行動心理について
口臭に関するいじめや、取り巻く社会的背景についてー行動心理について
名前:HONDA 8/26(月)17:13
>逆に嫌いな人間にはほんの少しの臭いでもそういう行動をとります。先生はそういう人の心理みたいのどう思いますか。
実際に、職場でも学校でもいじめはよくあります。多くの場合は「口臭」が本質的な原因ではなく、それ以外の要因であることが多いです。
口臭で悩む人は、口臭が相手に伝わってはいけないという警戒心から、必要以上に人を避けるケースがあります。このような場合は、その人自身が先に他人を寄せ付けない態度をとるために、他人は避けるように(近寄れない)なるでしょう。
叉、口臭で悩むと消極的になり、自ら色々な活動に参加しなくなるし、会話の量も笑顔も少なくなり特有の雰囲気を持ってしまうことがあり、他人はなぜなのかわからないので、遠ざかるようになります。集団の中においては、そういう人は浮き上がっていきます。
その結果、他の人が考える、その人へのイメージが出来上がり、集まった時にみんなが不安を持っているので、誰かが火蓋を切って話題にされたりすることがあるのです。
精神的成熟が未完成な中高生の時代であれば、色々な精神レベルの集合体である集団から外れる人に対しては、異質な存在としていじめのターゲットになります。いじめはより弱い無抵抗な人に集中します。かつ、無抵抗であることを知りつつ、その人の、最も困ることや恥ずかしいことを攻撃して、レッテルを貼ってしまう心理があります。
その結果、口臭が無くてもその人が口臭で悩んでいるとわかると「臭い」「口臭もち」というようなレッテルを貼り付けて、口臭があってもなくても攻撃するのです。それに対して反応してくれることが重要なのです。文明が発達したストレス社会にありがちな群集心理でしょう。この残虐な心理は、歴史を振り返ると大人の社会でも繰り返された行動パターンです。
哺乳類は、集団の中で無意識に序列を作ってしまう本能があります。それにより集団を円滑に維持できるからです。しかし、高度に発達した社会では、みんな平等とか、不自然な社会規制や価値観(道徳となることがある)によって本能が抑圧されてしまい、ひずんだ形で陰湿に現れると思います。
この、人類だけが持つ不自然な社会規制や価値観(道徳)は民族によって異なるために、民族が違えば、全く逆の道徳観になったりします。したがって、口臭に対する概念も全く違ってきます。
大自然の中で、自然のままに秩序をしっかりと保った原始社会では起こらない行動パターンであると思います。
これは、アフリカに医療援助に行った時に感じたことですが、原始的共産社会では相互扶助の精神が非常に発達しており、弱いものに対する社会の思いやりを感じました。
しかし、逆に、口臭があっても非常に明るい人の場合は、(たいていの場合は、真性の他臭症で本人が気がついていないことが多い。)屈託無く、人をひきつける魅力がある人もいます。叉、自覚していて周囲の人もおおっぴらに口臭があることを指摘するのですが、意に介さない豪快な人もいます。
これらは、口臭というよりもその人の個性によるところが大きいと思います。
「人に迷惑をかけたくない」というデリケートで他人に優しく自分に厳しい人が陥りやすい傾向があると思います。このようなやさしいタイプの人は周囲の人のことばかりを尊重する余りに、自分自身を見失ってしまうという不幸な状態になりがちです。社会に無理にあわせようとするために、自己破綻するのではないかと思います。画一された標準を重要視する社会で起こりがちな現象で、この傾向は大阪よりも北に行くほど強くなります。
このグラフは、日本の全国の色々な世代の他人の口臭についての意識調査の結果ですが、関西より北の地方は人の口臭を気にしています。しかし関西より南の地域では、他人の口臭よりも自分自身の口臭を気にしていることがわかります。 したがって、関西よりも北の地域では南の地域よりも、社会における口臭に対する警戒が強いことがわかります。 関西より北の地域では「他人の口臭は認めない代わりに、自分の口臭も気にしている。」関西より南の地域では「人の口臭には、寛容的で、その上で自分の口臭には気をつけようとする」人が多いのではないかと思います。気候が温暖な分、精神的な部分にも影響を与ええいるのではないかと思うし、個性を尊重する気風が暖かい地域にはあるような気がします。 ほんだ歯科には距離的には変わらないにもかかわらず、関西以南よりも中部から関東からの患者が非常に多いこともうなずけます。
口臭の問題は非常にデリケートで、みんなが気にしているのに日ごろ話題にしにくいテーマだけに、隠れた悩みとして進行していくので、性格によっては自ら排他的になってしまい、そのことがその人の独特の雰囲気を作り上げ周囲の人に対して影響を与えます。少し大胆になった方がいいのかもしれません。もしくは強靭な図太い気持ちで、多少は自己中心的になった方がいいのかもしれません。口臭で悩む余りに自分の思いの中で自分を見失っていくことが自臭症の人の最も大きな問題で「精神的生活の質の低下」を招き社会的適応が難しくなってしまうことを避けなければいけません。 そのためには、孤独なならず、なるべく多くの人に相談を持ちかけ、客観的な意見を求めていくことが重要です。
「誰だっって自分の口臭は気にしているし、健康な人も日に何回かは他人を不快にする生理的口臭があるのだから、いいじゃないか」という開き直りの気持ちも多少は必要でしょう。その上で、指摘を受ければ協力してもらって解決を図っていけばいいと思います。
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