一般的に嫌われる、いわゆる「口臭」は、本来的には、あなたの奥さんのようなケースで、「病的な他覚的口臭」です。

このようなケースでは、ここで相談の多い、叉、口臭外来では患者としては最も多い自分の口臭をひどく悩み、自分でも認識している自臭症とは全く異なる病態です。

特徴的な事は、他人は非常に不快な臭気を常に感じるのに、本人は全く臭気を感じないのです。無臭であると認識するか、たいしたことはないと思います。
したがって、問題意識がないために、その人の個性（おおらかな性格など）によっては、身内の人が指摘をしても、それほど気にしないのです。


最近、夫婦間の口臭についての悩みが急増しており、夫婦で受診されカウンセリングを行うことがよくあります。

一番多いケースは、妻の「自臭症」で、大半は子供に、生理的口臭を近い距離で指摘されたことが引き金になり、ご主人に、何回も「口臭はないか？」と聞きまくるケースで、ご主人は、ほとんど気にならないのですが率直に「大丈夫」といっても、妻が聞き入れないで、何回も何回も聞く事です。顔を見れば口臭のことを聞いたり、顔に何回も息を吹きかけて確認を迫るのです。
それでも、「大丈夫」というと、ついには、「夫は鼻が悪いから」「夫は私に気を使っている」という猜疑心が芽生え始めて、夫婦関係が壊れていきます。

ご主人までノーイローゼ状態に陥ってしまい、妻は引きこもるという悲惨なケースもあります。こうなると家庭崩壊につながる可能性も出てきます。

もう一つは、通常は妻が夫のひどい「他覚的病的口臭」に悩まされて、夫に何回も指摘するが、夫は聞き入れず馬耳東風というケースで、妻がその臭気に耐えかねて、夫婦で来院するケースです。
このケースも行き過ぎると夫婦関係が壊れていきます。たいていは妻が非常に神経質なことが多いです。

あなたの場合は、この後者の逆バージョンで比較的珍しいケースです。
普通は、女性の方が男性よりも口臭に対しては神経質なのです。

解決策は、専門科である口臭外来を二人で訪ねて、あなたの妻の口臭を訴えて治療を行うことです。
なぜなら、歯科は受診されており一般歯科では対応できない病的口臭が考えられます。
多くは、内科的要因や、婦人科的要因が考えられます。

叉、臭気で悩まされる、あなた自身のカウンセリングを受けた方がいいかもしれません。

このような問題は、夫婦間の問題でもあり、夫婦で解決を図ると治癒は早いし、口臭の指摘や口臭による夫婦間の軋轢が解消されるからです。

しかし、このような夫婦間の問題にまで踏み込んだ取り組みを行っている口臭外来が、ほんだ歯科以外では存在するのかどうかわからないので、あらかじめ、ご主人が大学病院の口臭外来などに問い合わせて相談してみるといいでしょう。

ほんだ歯科では、最近よくあるパターンで夫婦での取り組みが非常に有効です。